OK例とNG例で理解度UP! 線画で立体感を表現する3つのコツ

OK例とNG例で理解度UP! 線画で立体感を表現する3つのコツ

線画はラフの輪郭をなぞるだけで単純、と思っている方はいませんか?良い線画のポイントは、ズバリ「立体感」と「遠近感」。


一度マスターすれば

  • 線だけで迫力を出せる
  • アニメ塗りやブラシ塗り(美少女塗り、ギャルゲ塗り)の仕上がりがUP
  • 塗りの効率が大幅に改善できる

など、嬉しい効果がたくさんあります。


今回の記事では、やってしまいがちな「NG例」も多めに掲載。1ランク上の線画を描くコツを身に付けましょう。

 

 

物の構造を理解して線画を描く

実際に線を描く前に、描きたい物の構造を理解することから始めましょう。

 

当たり前に感じるかもしれませんが、実は重要なポイント。「機械的にトレースした線画」と「構造と立体感を意識した線画」を比較してみましょう。

輪郭線を機械的にトレースしたNG例


 
輪郭をそのままトレースした線画です。

 

線は綺麗ですが

  • 画面手前に近いはずの親指、画面奥の4本の指の線画の表現が一緒
  • 手のしわが無い

という点から、立体感がわかりにくいですね。

構造と立体感を意識したOK例


 
立体感を意識して線に強弱をつけた線画です。

  • 線が重なる部分を濃く
  • 手のしわを描く

など、線だけで前後感を表現しています。

コツ1:線に強弱をつけて遠近感を描く

遠近感を表現する為に

  • 画面に近い(手前にある)部分:太い線
  • 画面から遠い(奥にある)部分:細い線

線にメリハリを付けましょう。これは遠くの物は小さく、近くの物は大きく見えるという視覚効果に基づいています。

 

線の太さを変えれば

  • 複数のキャラクターを配置した時の前後感
  • 見せたい部分とその他の部分の区別

などの場合にも応用できます。
 
 
絵柄にもよりますが、キャラクターがメインのイラストの場合

  • 最も注目させたい顔回り(輪郭や目):太い線
  • 顔回り周辺の線:細い線

にすることで、顔の印象が残りやすくなります。

強弱の付け方

一筆に強弱を付け過ぎない

一筆分の線画に強弱を付け過ぎると、縮小して見た際に線がガタついて見えてしまいます。
 
 
髪の毛など、一筆で描く線が長い場合は太さを一定にしブラシの入り抜きを意識すると、抑揚と安定感がある線画になります。
 
 

なめらかな線を描く

なめらかな線になるように、アートボード画面を回転させて「常に自分の描きやすい位置」で描きましょう。


また、制作ソフトや自分の癖に合わせ筆圧やブラシを設定することも大事なポイントです。

コツ2:影ができる線は濃く、光が当たる部分は薄く

「線画を描く」ということを塗り工程のひとつとして捉えてみると線の強弱の付け方がわかりやすくなります。

例えば、

  • 線と物が重なる部分
  • 凹み

などは陰影ができやすい部分なので濃い線を描くことで、線そのものが影となり立体感が生まれます。


同様に、立体の出っ張った部分など直接光が当たりやすい場所は薄めに描くと良いでしょう。
 
 

コツ3:「素材」によって線画のタッチを変える

線画のタッチにより、物の質感を変えることもできます。


例えば、

  • 鉄やプラスチック製の硬い人工物:ツールを使った機械的な線

 

  • 布製品:フリーハンドで柔らかくなめらかな曲線

 
 
などの変化を付けてみると良いでしょう。

洋服のしわは全体より薄め

洋服のしわの線は、濃く描くと主張が強くなりすぎるので全体の線より薄めに描いて、柔らかな仕上がりにするのをオススメします。


濃くなり描き過ぎた場合は不透明度20%程度の消しゴムツールで軽く消すとなじみやすくなります。

 
 

強弱の付け方の理解はトレースや模写で練習

線画の上達の鍵は上手い線画のトレースと模写。絵を観察し、線の太さの選び方をチェックしてみてくださいね。