「いちあっぷ」を運営しているのは株式会社MUGENUPといって、2Dイラストや3DCG、映像など、様々なクリエイティブを制作しているアートハウスです。
ご登録いただいた約37,000人のクリエイターの皆様と共に毎日多数のイラストを制作しています。
お仕事のやりとりにおいて、クリエイターの方々からご質問をいただくことも多く、その中には、将来プロのイラストレーターを目指している方にとって気になる質問や役に立つ情報もいっぱい詰まっています。
「そのままにしておくのはもったいない!」ということで、今回「これからイラストのお仕事を受けてみたい!」という方に向けて、ちょっとした疑問にMUGENUPならではの視点でお返事いたします。
▼目次
Q1:デジタルイラストでの制作はお仕事をする上で必要不可欠?
Q2:ポートフォリオってどんなものを載せたほうが参考にしやすいでしょうか?
Q1.デジタルイラストでの制作はお仕事をする上で必要不可欠?
――デジタルデータでのイラスト制作未経験なのですが、お仕事をする上で何かしら不都合はありますでしょうか?
今のゲーム業界において、イラストを制作する際はデータでのやりとりが主流のため、デジタルでイラスト制作ができる方が望ましいです。
デジタルデータでの制作は、以下の点が大きなメリットとなります。
- イラストのデータを送受する際、郵送の時間のロスや、その途中で紛失するリスクを避けられます。
- ゲームで多用される様々な差分(例えば表情など)を容易に制作できます。
- 関係者の確認や監修におけるフィードバックを記録し、素早く対応することができます。
そのため、デジタルデータのやりとりを前提としてお仕事のご相談をすることが日常となっております。イラストのお仕事を受けてみようと思われる方は、そのような環境の準備をオススメいたします。
Q2.ポートフォリオってどんなものを載せたほうが参考にしやすいでしょうか?
――例えば、1枚絵として完成しているものがたくさんある方が、線画、塗り、テイストなどたくさんみるところがあっていいのかなと思っています。
ポートフォリオを見るポイントは様々ですが、人物・動物・モンスター・メカ・背景など、できるだけ多様なモチーフのものを含めていただけると、どのようなデザインが得意な方なのかを判断しやすくなります。
例えばポートフォリオに収録されている作品が人物画だけだとすると、キャラクターに関する評価が高まる一方で、他のモチーフについては判断できず、お仕事もキャラクター関係の案件に集中してしまうでしょう。
ポートフォリオによって、ご相談させていただく案件の方向性には影響が出てきますから、そういう意味でも幅広いモチーフの作品を入れていただくことをオススメいたします。
また、ポートフォリオに収録されている作品については、必ず線画や塗りなどをチェックしており、1枚絵だけを判断の対象としているわけではありません。キャラクターやモンスター単独の絵であっても、仕上がりの精度が高ければお仕事につながる可能性が広がります。
お仕事は様々ありますので、たくさんの絵を収録していただいた方が、お仕事の可能性が広がります。
逆に考えると、ポートフォリオに収録されている作品の延長線上にお仕事の可能性が出てきますから、皆様が関わってみたいお仕事を想定して、絵のテイストや作品の幅をそろえていくのも考え方のひとつだと思います。
Q3.ポートフォリオを見るときは、どこを注目しているの?
――ポートフォリオを見るときは、どこを注目してみているのでしょうか? また、どういう基準でその仕事に選ばれたのですか?
ポートフォリオを見るポイントは主に以下のふたつです。
- 描画力
- デザイン力
1.描画力について
ここでは描画力を「デッサン力」や「どの程度まで仕上げ(詰め)られるか」という意味で使っています。
精度を上げたイラストが多いほど、クオリティを判断できるため、お仕事をお願いしやすくなります。収録されている作品がラフであっても、デッサン力が評価されてお仕事につながる場合もあります。
2.デザイン力について
画面構成や、描かれているモチーフ・テイストの幅を見ています。ポートフォリオに収録されている作品のモチーフ・テイストを踏まえて、それに近いお仕事をご提案できますので、バリエーションがあるほど、お仕事のご相談につながりやすくなります。
Q4. イラストレーターにはどういったスキルが重宝されるの?
――今の流行りや、お仕事を頼みやすい画風はどういったものなのでしょうか? また、どういうスキルがあると重宝されるのでしょうか?
MUGENUPではゲームイラスト制作が多くあるのですが、2016年後半~2017年ですと、ソーシャルゲームイラストにおいて「現代風デザイン」「絵柄を似せて描く」といったスキルを求められる機会が多いです。
さらにアニメやマンガだけに関わらず、絵柄のテイストを読み解いて、自分のものにできるスキルがあると、かなりの強みになります。
絵柄を似せて描くお仕事の場合は、元となる作品のテイストにあわせて、アクションポーズなど迫力のある構図を要求されることが多いため、様々なポージングを描けることが重要になってきます。
絵柄やニーズのトレンドに関しては、やはり年々変化するので、例えばアプリランキングなどの上位作品や、ニュースサイトやSNSなどで話題になっている人気作品などを分析すると参考になるでしょう。
このようにトレンドとされるスキルは変わっていくものですが、一方で下記スキルはトレンドに関係なく重要です。
- ラフ:「デッサンが取れているか」「デザイン力があるか」
- 線画:「パースや形がとれているか」「線がガタついてないか、しっかりつながっているか」
- 塗り:「立体感があるか」「色がくすんでいないか」
これらのスキルは以前から重要性が変わらず、今後も常に必要となるでしょう。
その他エフェクトの描写、躍動感のあるポージング、背景画なども、常に重要視されているスキルになります。
Q5. イラストのお仕事未経験でも大丈夫でしょうか?
――お仕事しての経験が少なく(未経験)でも、仕事を請け負うことはできるのでしょうか?
MUGENUPの場合、未経験の方に初めてのお仕事をお願いすることは珍しくありませんので、どうか遠慮せずに仕事プラットフォームである『MUGENUP STATION』に登録いただけましたら幸いです。
登録いただいたポートフォリオを拝見し、その方に向いていると思われる案件をぜひご相談させていただければと思います。
以上、過去にクリエイターの方からいただいた質問にお返事させていただきました。違うご意見や知見をお持ちの方もいらっしゃるかと思いますが、MUGENUP視点からのお返事として、どうかご容赦いただけますようお願いいたします。