難しい!? 髪の質感の表現
キャラクターの印象を大きく左右する髪の毛。
「髪の独特の柔らかな質感が出ない」
「感覚で塗っていて、仕上がり方がバラバラ」
と、お悩みの方も多いはず。今回は、髪の毛の塗り方のコツを特集。たった3つポイントを押さえるだけでグッと塗りやすくなること間違いなし! です。
髪は3つの要素で出来ている
髪には
- 頭の形である「球体」
- 毛の固まり「ブロック」
- 髪の毛、一本ずつの「線」
1.まず「球体」を作る
光源に基づき、頭の形(球体)にそって
- 直接光
- 影
- 間接光
と明暗を大きくザックリと付けます。
2.「ブロック」ごとに塗る
次に毛束の固まりごとに描写を進めます。
全体を掴みやすい球体→複雑なブロックという順番で制作すれば、塗り進めていくうちに立体感を失う、光源がわからなくなる、というトラブルが防げます。
3.「線」としての描写を加える
最後に、髪の形状に合わせてハイライトの形を調整します。
これによって髪独特の形や細さ、柔らかさが表現できます。
押さえるべきポイントは、実はこれだけ!
描写が難しいと思いがちな理由は固まりと線を同時に表現しようとすることが原因です。「球→ブロック→線」という順序を守って描きましょう。
ハイライトの入れ方
髪の毛の立体感を強調するためには、ハイライトを使いましょう。ここでは3種類の代表的なハイライトの塗り方を紹介します。
一本線型(ライン型)
頭部を「球体」と捉えたハイライトです。髪のツヤツヤ感がより際立ちます。サッとペンでストロークを入れて、三角形のハイライトを入れます。
髪の凹凸は表現されないためデフォルメが効いたキャラクターに使うと効果的です。
ドット型(楕円形)
髪を「ブロック」としてとらえた例です。
頭の丸みが強調され、髪がふっくら見えてポップな印象になります。アニメ塗りやブラシ塗り(美少女塗り、ギャルゲ塗り)など描き込みの少ない塗り方と相性が良いです。
アルファベット型(ギザギザ型)
髪の「線」らしさを際立たせたハイライトです。アルファベットのNやMのようにギザギザとした形で入れます。
髪の束に沿って光を入れることにより一本一本が強調されるので毛のリアルさが増し、毛の柔らかな雰囲気が出ます。こちらもアニメ塗りやブラシ塗りと相性が良く、厚塗りの表現にも合います。
繊細な雰囲気が出る! あそび毛
髪の毛の「線」らしさを強調した演出を見てみましょう。
太い毛束を描き込んだあと「あそび毛」として細い毛束を数本加えることで髪の毛の柔らかさが演出できます。
- 毛束よりも動きを付けやすい
- 散らした髪の毛でイラストの空白が減り、画面が華やかになる
- 髪の細さが目立ち、繊細な印象を与える
などの効果があるため美少女ゲームや乙女ゲームのキャラにも多く取り入れられています。
まずショートカットで練習!
ロングヘアーに比べ、ショートカットは髪の毛が少ないので頭部の形を理解すれば、初めての方でも取り組みやすい髪型といえます。
まずは短い髪のキャラクターで実践してみましょう。