青い空と、もくもくとした入道雲――見ているだけで懐かしい気持ちになる、夏の情景。そんな背景を描いてみたい方はいませんか?
今回は、イラストレーターのすけべ椅子さんが教えてくれる「夏空の描き方講座」をお届けします。記事の後半にはPalmieでの動画解説もありますよ!
今回の講座では
■前半:基本となる「積雲」の描き方
STEP1 積雲のアタリの取り方
STEP2 背景の空の塗り方
STEP3 積雲ベースの塗り方
STEP4 積雲の描きこみ方
■後半:応用編である「積乱雲」の描き方
STEP5 積乱雲のアタリの取り方
STEP6 積乱雲のベースの描き方
STEP7 積乱雲の描き込み方
SETP8 小技
という段階別に解説を進めます。雄大な夏の空にチャレンジしてみましょう。
STEP1.積雲のアタリの取り方
キャンパスサイズ26cm×15cm 150dpiにしました。制作の際は、画面を拡大しすぎず常に遠くから見るように心がけて進めます。
雲を描くポイントは立体感です。雲の形状を、球体の集合体と捉えると描きやすくなります。
STEP2.背景の空の塗り方
機械的に見えないように画面下を明るく、画面上を暗くして色ムラをつけます。
ベタ塗りの後に、不透明度の低いブラシを使い、画面下の色をスポイトで取りながら塗った後にエアブラシで、ところどころをぼかします。
STEP3.積雲ベースの塗り方
空の上に新規レイヤーを作り、雲(積雲)描いていきます。
ブラシ、消しゴムツールを使いながら進めます。ポイントは繰り返しになりますが「雲を球体の組み合わせ」と捉えて描くことです。
塗った部分が均一にならないように注意しながら、雲のエッジが滑らかになるように、指先ツールで均していきます。強さは50%程度が良いでしょう。
中心から四方八方に押したり引いたりしながら大き目の筆で大まかに伸ばす→小さい筆で細部を伸ばすという順序で進めます。
STEP4.積雲の描きこみ方
空の色より少し明るめの色を使って雲に影を描きます。
空の色をスポイトにとり、彩度と明度を調整しながら進めた後先ほどと同様に、稜線を指先ツールで伸ばします。
稜線をエアブラシでなぞりm雲、稜線、影のそれぞれの中間色を使って立体感を強調します。色数を増やすと難度が上がる為、こちらの工程では増やしませんでした。(増やしたバージョンは、STEP8の小技でご紹介します)
先ほどと同様に、中間色を使って立体感を強調した後、雲の下に反射光を入れれば、積雲の描き方は完了です。さて、ここからは応用編です。すこし複雑な「積乱雲」の描き方を解説します。
STEP5.積乱雲のアタリの取り方
アタリは積雲と同様に、球体の組み合わせを意識して描きます。
アタリから実線を起こします。
雲全体は、気流と風の向きを意識すると良いでしょう。
- 空の上部:風で雲が流される(画面右から左へ風が吹いている)
- 空の下部:気流が安定しているので、雲がもくもくしている
というイメージです。
STEP6.積乱雲のベースの描き方
アタリ、ベースの色味は積雲と同じです。下の雲ではもくもく感を出すため、サイズの小さな指先ツールを使いなるべく輪郭が大きくぼやけないように描きます。
上の雲は雲の形を描くのにエアブラシを使い、指先ツールは長く大きく伸ばします。
STEP7:積乱雲の描き込み方
影を描き、明るい部分の稜線を指先ツールで伸ばします。積雲と同様に、エアブラシで稜線を中間色でなじませます。
その後、描写を詰めていきます。描き込む場所は「目立つ場所」をメインに進めます。
STEP8:小技
薄い巻雲や、飛行機雲を入れると見栄えが大きく変わります。
影色にもう一色プラスすると、雲がしまって見えて立体感と雄大さが出ます。
いかがでしたでしょうか。
夏の雲、是非チャレンジしてみてくださいね。
こちらの動画では、実際の筆の動かし方も含めて、より詳しく解説されています。
ぜひ、チェックしてみてください。
夏空の描き方講座 by すけべ椅子|マンガ・イラストの描き方講座:お絵描きのPalmie(パルミー)
【クリエイター紹介】
すけべ椅子
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