線画と塗りをなじませる! 簡単にできる色トレスの方法
2016.07.06
目は人物の性格や個性、感情をつかさどり、キャラクターに命を灯す重要なパーツです。
今回はそんなキャラクターの目をより魅力的に表現する塗り方をご紹介します。
あくまで一例ではありますが、塗りに個性を出していくための基礎知識として参考になれば幸いです。
今回ご紹介する瞳の塗りのレイヤー構成は、下から
1.ベースカラー
2.グラデ
3.光
4.1影
5.虹彩
6.瞳孔
7.2光
8.照り返し
9.オーバーレイ
10.ハイライト
を基本構成として塗っていきます。
複雑そうに見えますが、塗る範囲は少しなので順々に追っていけばすぐにできます。
目の塗りは目の潤みや透明感などを表現する為、レイヤー効果を適切に使い分けてキラキラとした魅力的な仕上がりになるように意識していきましょう。
まずはベースカラーと瞳孔を塗ります。
そして目全体を形作る1影を塗っていきます。
目の1影の色を選ぶ際は髪や肌、服などの影を塗るときとは違いベースカラーよりもかなり暗い色を選びましょう。
瞳孔に近い色のイメージです。
その方が瞳に灯る光を寄り際立たせ、瞳の奥に深みを出せるからです。
瞳の輪郭を太くなぞり瞳孔に色を置きます。
その後、エアブラシや輪郭の柔らかいペンで瞳の上側を、弧を描くような感覚で塗っていきます。
1影の形取りができたら、1影レイヤーの不透明度保護にチェックを入れて、さらに濃い色を入れることで宝石のようなリッチ感を引き出します。
先ほど塗った1影レイヤーの下に新規レイヤー(グラデーションレイヤー)を作り、1影の色よりもやや明るくコントラストの高い色を選択し、上から下にかけてエアブラシでグラデーションをかけます。
この際グラデ―ションの範囲が広くベースカラーが完全に隠れてしまわないように意識しましょう。
また、グラデーションの色を選択する際は色相も若干変更するとより鮮やかに仕上がります。
1影レイヤーの下でグラデーションレイヤーの上に新規レイヤーを挟み、比較的輪郭の柔らかいブラシで楕円を描きます。
光レイヤーは一色でも構いませんが、縁に選択した色よりも濃くコントラストの高い色を挟むことで発光感を出します。
1影よりも上にレイヤー(彩虹レイヤーと瞳孔レイヤー)を作り、虹彩と瞳孔を描いていきます。
虹彩の色は1影と馴染むように1影からスポイトで色を取ります。
虹彩とは瞳孔の周りにある円盤状の膜で、今回はソレをデフォルメ化した物を軽く描き込んでいきます。
また瞳孔はベースカラーをスポイトして使い、そのままでは色が明るすぎるので不透明度を65%に調整し全体を馴染ませました。
瞳孔に明るい色を置くことで、ファンタジーで可愛らしい印象を作っていきます。
先ほど作った光レイヤーの色をスポイトで取り、虹彩の流れに沿うような形で光を追加していきます。
レイヤー効果は「スクリーン」、不透明度を60%に調整し、後に追加するハイライトよりも目立つことのないようにバランスを取ります。
2光レイヤーにより瞳の輝きを演出するため瞳の色味や色彩のバランスを伺いながら2光の配置や量を調整しましょう。
瞳の上部にエアブラシで赤み掛かった灰色の照り返しを描き込み、仕上げの色味調整として下半分にベースカラーに近い色でオーバーレイをかけます。
その際オーバーレイでこれまでの陰影や光のメリハリを潰してしまわないように不透明度を調整するなどして注意しましょう。
最期に瞳線画の上にハイライトを白色で描き込み、瞳の塗りは完了です。
瞳が塗り終わったら目の線画を馴染ませるために色トレスし、白目に影を置いていきます。
白目の影は瞳を際立たせる為にも瞳ほどしっかり塗らずエアブラシでぼんやりと色を付けましょう。
また今回は色トレスした睫毛と白目の境界がハッキリとして浮いて見えたので目尻の睫毛の色をスポイトし、白目の目尻部分に2影として柔らかいブラシで加筆しました。
これにより睫毛と白目の境界をぼかす効果が生まれ、より馴染み柔らかい印象を与えられます。
以上、これにて目の塗りは完成です!
いかがでしたか?
冒頭でもお話した通り、目はキャラクターの命です。
今回のメイキング講座を参考に自分の好みの塗りを発見し、皆様が描くキャラクターにそれぞれの命を吹き込んでいただければ幸いです。