SNSで自分の描いたイラストを大勢の人に見てほしい、バズりたいと思っていませんか?
大勢の人の目を止めるには、一瞬で良さが伝わる見栄えが必要です。特にキャラクターイラストでは、一瞬で目を引く「構図』が映えるイラストのポイントではないでしょうか。
映えるイラストを描く表現のひとつとして、キャラクターの感情を細かに伝えられる「バストアップ構図」があります。魅せる表情を描くことでキャラクターの性格や感情が伝わり、見る人の目に留まりやすくなります。
今回は、新発売の『映え構図 センスに頼らず思い通りのイラストを描く方法』より、顔や身体の一部を大胆にクローズアップすることでキャラクターの魅力を引き出す、バストアップ構図の活用法を紹介します。
▼目次
バストアップ構図の基本
バストアップ構図は、キャラクターの胸部から頭頂部にかけてを写す構図です。イラストの最も基本的な構図の1つであり、似顔絵やノベルゲームの立ち絵など、キャラクターの表情や個性を伝えたいときに使用されます。
胸部までを写すことでキャラクターの服装や雰囲気に加え、上半身の動きの情報も見せることができるので、大まかなキャラクター像を伝えるのにバランスのよい構図です。服装や小物のデザインに統一感を持たせると、大まかな世界観も表現できます。小物でキャラクター像を印象づけたり、眉などで性格を表現したり、服装から年齢、時代設定などを伝えることも可能です。
胸から上の情報だけでも「勝気な性格、ペンとメモ帳を常に持ち歩いてネタをストックしている女子学生」というキャラクター像と、「現代日本が舞台の世界」というイメージを伝えられます。
首・肩の繋がりをしっかり描く
バストアップ構図を描くときは、頭・首・肩の繋がりを意識しましょう。肩まわりは多くの骨と筋肉が集まるパーツであり、複雑に動かすことができます。伝えたい感情に合わせて肩に動きを出すことで、キャラクターを生き生きと見せることができます。
また、首や肩まわりのラインもキャラクターの姿勢や体格といった個性を表現する重要な要素です。これらを描き分けることで、キャラクターの個性に幅を持たせられます。最初のうちはイメージで描くよりも、資料を見ながらシルエットをよく観察して描きましょう。
肩まわりは腕の動きに連動して変化する点に注意が必要です。骨格や筋肉の構造を理解することでどんな角度・ポーズでも考えて描くことができるようになるので、本やネットなどで調べてみましょう。鏡の前で腕を動かしてみて、自分の体の動きを観察するのも効果的です。
構図の活用方法とよく描かれるポーズ例
バストアップ構図はアップショットと同じく顔を大きく描くので、キャラクターの表情や感情が伝わりやすい構図ですが、全身の動きを表現することが苦手です。ただし、表情・手や肩の動きなどからさまざまな感情を表現することができます。
手は特に情報を持たせやすく、しぐさによって感情を伝えたり、そのキャラクターらしいポーズを取ることで個性を強調することができます。感情に合わせて適切な動きを持たせることで動きのある魅力的なイラストを描くことができます。
代表的なポーズの例
ガッツポーズ
ガッツポーズは強い喜びを表します。腕にぐっと力を入れるので肩が上がることを意識しましょう。
頭を抱える
頭を抑えて落胆する様子。眉尻や目尻、口元を下げて描くことで感情を強調し、肩の位置を下げて脱力感を表現しています。
ピースサイン
主に楽しさや喜び、勝利を表すポーズです。顔の近くに手を配置することで顔に視線を集めることもできます。
剣を構える
屈強な騎士キャラなので、力強さを強調する正面からのアングルで描いています。そのキャラクターを象徴するようなアイテムを持たせるのも、個性を表現するのに効果的です。
演出の違いと狙い
ゲームの立ち絵
ゲームの立ち絵では複数のキャラクターを並べて客観的に表現することを想定するので、強いアオリやフカン、強いパースのついた見せ方は不向きです。
ゲームの立ち絵を想定したイラスト
パースや角度はほとんどつけていませんが、表情とジェスチャーで激しい怒りを表現しています。
一枚絵を想定したイラスト
こちらは前のめりで怒鳴る様子を強調するために横からのアングルで描いています。また、画面奥へ向かってややパースをつけて、画面に迫力を持たせています。
一方、イベントシーン用の一枚絵などの用途で物語への没入感を出したい場合には、上のイラストのようにアオリやフカンの角度を適切に取り入れるのもよいでしょう。
野球少年のシーン
野球少年のワンシーン。勝負に対して真剣であるキャラクター像と上半身の力強い動きを見せたかったので、バストアップ構図を選びました。少年の体とバットがX字になるように配置することで、画面に動きを持たせています。
バストアップ構図は、表情・ジェスチャー・服装や小物でキャラクターの感情や世界観を豊かに表現できる構図です。構造を理解し資料を活用しながら、意図に応じた構図を選んで描いてみましょう。
まとめ
- キャラクターの表情や個性を伝えたいときに使用される。
- バストアップ構図を描くときは、頭・首・肩の繋がりを意識しよう。
- 手はそのキャラクターらしいポーズを取ることで個性を強調することができる。
続きは、『映え構図 センスに頼らず思い通りのイラストを描く方法』(著・いちあっぷ編集部 )にてお読みください。
※本記事は発売前の記載内容であり、WEB向けに一部調整しております。
その為、本書では一部内容が異なる場合がございます。
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