今回は初心者が陥りがちな描き方を原因から突き止めて、解決を目指す講座。教えてくれるのはイラストレーターとして活躍しているyaki*mayuさんです。
テーマは髪の描き方です。キャラクターイラストに興味を持ったら、まず描く箇所である「髪」ですが、いざ描こうとすると上手くいかなかったり……
そんな初心者にありがちな失敗例を元に、「上手に描くには?」に迫ったテクニックをご紹介します。
▼目次
なぜ髪が描けないのか
初心者の頃はアニメや漫画のキャラクターの髪を,、見まねで描いていませんでしたか。
描きはじめの頃は髪のかたちが歪になってしまい、上手く描けない経験をお持ちの方は多いのではないでしょうか。
髪は「初心者かどうかの印象」が大きく別れるポイントのひとつです。では、どのような髪が初心者の印象を与えがちなのでしょうか。
例えば、こんな感じのイラストです。一体何がいけないのでしょう?
今回はそんな「なぜか上手く描けない!」の「なぜか」をハッキリさせて、解決する方法をご紹介します。
髪が上手く描けない理由1:「髪の流れを意識していない」
この「なぜか上手く描けない!」イラストは、なぜ上手く見えない印象なのでしょう。
こちらのイラストは、髪の毛先のギザギザを描くことに集中してしまい、全体的に歪なシルエットになっています。
髪は「つむじを中心に生えているイメージ」を持ちましょう。
これが意識できていないと、立体感がなくなり、どこか不自然な髪に仕上がりやすいです。「ギザギザ」に集中せず、「髪の流れ」を意識して描くことが大切です。
髪が上手く描けない理由2:「髪の太さに強弱がない」
次の「なぜか上手く描けない!」イラストを見てみましょう。
こちらのイラストは、髪の流れは意識しているけど、なぜか初心者っぽい印象があります
理由は、似たような形の毛束が並んでいて、単調になっているからです。
同じ形の毛束が並んでいるよりも、強弱をつけたほうが「上手な印象」を簡単に出せます。
子供向けアニメなど、わざと単調な髪を描く表現もありますが、それで上手な印象を出すのはかなりの作画技術が必要です。なので、毛束を大中小の様々な形で描くことをオススメします。
解決!髪が描けるテクニック
「髪の流れを意識していない」のと、「髪の太さに強弱がない」場合に、不自然な印象を与えてしまうことがわかりました。では、どうしたら解決できるのでしょうか?
オススメは「髪の分け目から描いていく」方法です。
まず、大まかな髪の外枠を描きます。
大きな分け目がある場合は、分け目を描きます。
ざっくりとした分け目を描きます。このとき「つむじからの流れ」をしっかり意識しましょう。
「もみあげ」や「結んだ髪」などがある場合はここで付け足します。
分け目の中をつなぐイメージで、毛先をギザギザで埋めます。このとき「大中小の様々な毛先を混ぜる」ことを意識してみましょう。
「跳ね毛」や「アクセサリー」などを付け足して、清書します。
完成です!
最後に
以上で、今回の記事はおしまいです!
初心者の頃は、どうしてもギザギザや毛束に目が行きがちで、髪全体のフォルムや毛の流れが疎かになってしまいがちです。
ですので、あえてギザギザから描かず、シンプルな「髪の分け目の線」から描くことで「髪の流れ」や「毛先の遊び」に集中できると思います。実際に私が絵を描くときは、この方法に近い描き方をしています。
まとめ
「なぜか上手く描けない!」の「なぜか」は
- 髪の流れを意識していない
- 髪の太さに強弱がない
「解決方法」は
- 髪の分け目から描いていく
これからも頑張って、いちあっぷしていきましょう!それでは、ありがとうございました。
著・画 yaki*mayu
web: http://yakimayu.com
Twitter: https://twitter.com/yaki_mayu
pixiv: https://www.pixiv.net/member.php?id=1689995
フリーランスのイラストレーター。萌系イラスト中心で主にソーシャルゲームなどのキャラクターデザイン、スチル、カードイラストなどのお仕事をいただいております。晋遊舎「デジ絵の文法」「イラストレーションスーパーテクニック」での執筆、ホビージャパン「スーパーデフォルメポーズ集 ラブラブ編」でのコラムの担当など、絵の講師としても活躍させていただいています。