立体的に描くことは、画力向上するうえで必要なスキルです。
ですが、いざ立体的に描こうとしても、
- 奥行きを出しているつもりなのに伝わらない
- パースとかよくわからない
- エフェクトをつけても平面的になってしまう
など、悩んだ経験はありませんか?
今回は駆け出しのイラストレーターとして活動している、りんござかまりこさんの経験談をもとに、
- 絵が平面的になる原因
- 絵が平面的にならないための方法
をご紹介していきます。考え方のひとつとしてご参考ください。
▼目次
絵が平面的に見える原因は画面を平面で捉えているから
平面的に描いてしまうのは、見た画面をそのままの「平面」として認識しているからです。
その為、顔や身体に何となく角度がついているのは分かるものの、モチーフの側面がどうなっているかは曖昧です。
原因はモチーフを頭の中で立体(3Dモデル)へと変換できていないからと考えます。
この立体的に捉えて描く技術は、イラストを上手に描くための重要なスキルです。活躍しているイラストレーターの多くは、このスキルをあたりまえのように使いこなしています。
しかし、立体の認識が弱い人は「奥行き」や「空間の出し方」「近景・中景・遠景」などを説明してもらっても、ピンっと来きません。それは平面的に見るのが癖になっているからだと考えられます。
立体イメージを掴むためには
では、平面的に見てしまう癖を解消する2つの方法をご紹介します。
1.アオリやフカンで描いてみよう
正面や斜めなどの構図を封印し、なるべくアオリやフカンで描くように心がけましょう。角度がつく為、強制的に空間を意識した描写になります。
2.画面を球体で捉えてみよう
画面を「面」ではなく「球体」でとらえましょう。これだけでは意味が伝わらないので、下図をご覧ください。
まず、ラフ絵を面で見たときの認識です。
次に、ラフ絵を球体で捉えます。球体で画面を見ることで、強制的に空間を感じることができると思います。
この状況を簡単に述べると、公園の回る遊具「グローブジャングル」の中に、キャラクターとオブジェクトが入っている認識です。
一度描いてみたラフ絵に、球体のガイドラインを貼ってみると、
- 球体特有の中央から端に寄るにつれ空間が詰まってくる感じ
- 手前に来る赤線と奥の青線
で球体の中の空間を感じることができるのではないでしょうか。
球体のガイドラインに合わせてエフェクトを描けば、空間を演出しやすく、奥行きや前後感も出しやすいかと思います。コツとしては、地球の周りに雲を描く感覚です。
空間作りテクニックのまとめ
今回の講座でお伝えした2つのポイント
- アオリやフカンをつけて描く
- 画面を球体でとらえる
これを踏まえて、先ほど紹介したラフイラストを完成したものがこちらです。
△右:最新イラスト 左:過去イラスト
過去イラストと比べて、奥行きや空間が出ており、平面さは解消されたと思います。
絵をある程度描けるようになったら、このような考え方で空間を意識するのも、画力のいちあっぷにつながることでしょう。
著・画 りんござかまりこ
Twitter|@mariko_0913
pixiv|http://www.pixiv.net/member.php?id=6199553
2015年に専修大学を卒業と同時に絵を本格的に描き始めました。
2017年現在、某専門学校に1年だけ在籍中。ガールズモードの新作やマリオオデッセイが楽しいです。