簡単にイラストを上手く見せるテクニック -ポーズ編-
2018.07.27
前回から始まったyaki*mayuさんの新シリーズ、「簡単にイラストを上手く見せるテクニック」。この記事では一枚絵のメイキングを通して、イラストを上手に見せるテクニックを紹介していきます。
「イラストをもっと華やかにしたい!」「SNSでもっと“いいね”がほしい!」と思っている方は、是非読んでみてください。
今回は、基本だけど重要なテクニック「構図」についてご紹介します。
▼目次
テクニック使用前のイラスト
構図を変えて上手に見せよう!
1. 余白を考える
2. カメラを構えてみる
比べてみよう!
あとがき
前回講座で、無事ポーズが決定しました!引き続き、「ベンチに腰掛けて、誰かと待ち合わせをしている少女」のイラストを描いていきます。
前回の記事をまだ読んでいない方は、是非ご一読ください。
こちらが前回までの状態です。ポーズは良くなりましたが、これだと少し物足りない印象です。
それでは、今回のテーマである「構図」を変えることで、イラストを上手に見せていきましょう。
まず元のポーズを、そのままイラストとしてカットしてみます。
頭の先から足の先まで、上手に全身がおさまっていますが、バランスが良すぎるため「キャラクター紹介」や「イラスト素材」のような、少しつまらない一枚絵になってしまいました。
また、散漫な印象になってしまい、イラストとしての見せどころや注目すべきポイントがわかりません。
それでは、余白を考えてみましょう。まず、余白を大きく取ってみます。
このように余白を大きく取ると、そちらに目が行くようになります。この余白に背景を入れて世界観を強調したり、夏祭りなどのシーズナルイベントを置いて季節感を演出することができます。
次に余白を小さくし、イラストをキャラクターでいっぱいにしてみましょう。
今度は余白が減ったことで、よりキャラクターに目が行くようになりました。キャラクターの可愛さや格好よさ、表情や仕草、セクシーさなどを強調したい場合は、このように余白を減らすと良いでしょう。
今回はキャラクターの可愛さを表現したいので、余白は少なくしてみました。
キャラクターと余白のバランスは決まりました。次は、カメラを構えたつもりでそのキャラクターを撮影してみましょう。
撮影と言っても、絵の中に自分が入ることはできませんので、カメラマンになったつもりでアングルを考えます。
今回はアングルをフカンにすることで、女の子の幼さと、上目使いで可愛さを強調させます。また、待ち合わせ場所に着いた人の目線になるようにもしています。
そのままラフ画まで描きました。
テクニック使用前後を比べてみましょう。はじめは構図が考えられていないため、イラストが少しつまらない印象でした。
ですが、今回の「余白を考える」テクニックと「カメラを構えてみる」テクニックを使用することで、イラスト枠内のキャラクターのアングルと配置がまとまり、イラストとしての完成度が高まったかと思います。
以上で、今回の記事はおしまいです。構図はイラストの印象が大きく変わる重要なものです。時間をかけてアタリを描いた後でも、一度構図を考え直して、もし「つまらないな」「バランスが悪いな」と思ったら描き直すくらいに大切だと私は思っています。
作品の中には、あえてこのようなテクニックを使わず全身を真ん中において、ポーズや行動、また、キャラクターのデザインなどを強調するケースもありますので、自分が描きたいイラストに合わせてテクニックを使っていただけたらと思います。
次回も引き続き、このイラストにどんどん「上手く見せるテクニック」を加えて少しずつ一枚絵を完成させていきます。
これからも頑張って、いちあっぷしていきましょう!それでは、ありがとうございました。
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フリーランスのイラストレーター。萌系イラストを中心に主にソーシャルゲームなどのキャラクターデザイン、スチル、カードイラストなどのお仕事をいただいております。晋遊舎「デジ絵の文法」「イラストレーションスーパーテクニック」での執筆、ホビージャパン「スーパーデフォルメポーズ集 ラブラブ編」でのコラムの担当など、絵の講師としても活躍させていただいています。