肉食獣の口の描き方

肉食獣の口の描き方

皆さんは「肉食獣」といえば何を思い浮かべるでしょうか?狼や虎など強そうな生き物はもちろん、実は身近にいる犬や猫も肉食獣です。

 

そして、肉食獣の象徴と言えば「牙」。口は肉食獣のかっこよさを演出するためには欠かせない要素ですし、少しリアルに描くだけで生物らしさもグッとアップします。しかし、歯や舌を正確に描くと怖くなってしまったり、ごちゃごちゃして汚くなってしまったり…。


今回は生き生きとしてイラストとしても見栄えがいい「肉食獣の口の描き方」を解説します。

 

<目次>
口の形
歯と歯茎


塗り
まとめ

 

  

口の形

まずはじめに、動物の口はどんな形をしているのでしょう。「ω」のような形で描かれることが多いですが、なぜそう見えるのでしょうか。
 

主な理由は鼻から口へつながる切れ込み(人中)と、マズルの膨らみがあることです。これは人間以外のほぼ全ての哺乳類も同じです。


種類や表情・角度によっては「ω」っぽくないこともありますが、上に挙げたことを考慮するとこのラインが隠れていることがわかります。


さらに口角が上がっていたり口の上部の肉が垂れている場合にはこの形が強調されます。


口を開くときは頬のあたりにある顎関節から動くことを意識しましょう。口周りの肉はひだのようになっていてやわらかく、口角は意外と動きます。 

歯と歯茎


歯の本数は動物によって差はありますが、おおまかな形は共通しています。

 

前歯は小さく上下に6本あり、そのすぐ横にあるのが犬歯(牙)、その後ろには少しの隙間を開けて小さな歯、そこから少しずつ大きな歯になってゆき、一番大きな奥歯のさらに奥には目立たない小さな歯があります。上の歯は普段は口の肉に隠れて犬歯以外見えにくいです。

 

絵柄によっては歯をきっちり一本一本描くとグロテスクになってしまったりするので、歯の本数を減らしたり、隣接する歯をつなげて描いてしまうといいでしょう。

 

当たり前ですが歯は歯茎から生えています。歯の根元や舌を描くと歯茎の存在が自然と現われるので、ほとんどの場合は歯茎を描こうとしなくても大丈夫です。

 

大きく開いた口は、舌で隠れていなければ下顎の歯茎がはっきりと見えます。怒って牙をむき出しにする表情などは上顎の前歯あたりの歯茎が見えることもあります。 

普段は見えづらいですが、動物にも唇はあります。歯茎と一体化しているように見えることもあります。

 
口を閉じた状態では鼻の下あたりに下唇がほんの少し見えていることが多く、口を開くと歯茎と毛皮の間に黒かピンクのツヤツヤの肉があります。これが唇です。

 

口と鼻の間の毛は薄くなっていたりするので、ここに唇の色をほんのり乗せると生き生きとします。

 

唇を描くと途端にリアルになるので、デフォルメされた画風の場合には省略したほうがいいかもしれません。


 舌は薄い板状に見え、とても柔らかいので犬歯などの大きな歯を避けるように変形したり、歯に覆いかぶさったりします。

 

見た目はペラペラですが実は中央の方が分厚くなっている筋肉の塊です。舌の根元は下顎から喉のあたりまで続いています。 

塗り

口の中は常に唾液で濡れています。ツヤツヤと濡れた感じを出すと生々しい生き物らしさを演出できます。まずは暗めの色でベースに、軽く影などを入れ、小さくはっきりしたハイライトを要所に入れるとツヤツヤに見えます。

 

ハイライトの使い方次第で滴る唾液も描けます。白などハイライトに使っている色で輪郭の一部を描き、小さく強いハイライトを入れると効果的です。
 
ハイライトはたくさん描き込むとごちゃごちゃして見えてしまうので使いどころを吟味しましょう。

まとめ

自然な状態では奥歯や上顎の歯がはっきりと見えることは滅多にないと言っていいでしょう。見えやすい犬歯やその周辺の数本をそれっぽく描けさえすれれば、よほどこだわりがない限り本数や形は曖昧でも大丈夫です。

 

口の中は複雑な形をしているので描き込みすぎると線が多くなり、他の部分との差が出て浮いてしまうかもしれません。引きの絵やデフォルメされた画風の場合は細かく描き込まず、大胆に省略してしまいましょう。

 
正確さより絵としての見栄えを優先することも大切です。基本の形をふまえて、ご自身の画風に合った省略の仕方などを工夫してみてください。

著・画 山羊ヤマ

WEB:http://arcadia-goat.tumblr.com/

 

筋肉と獣人と少女が好きなフリーのイラストレーター。PBWやソーシャルゲームでモンスター・人外・筋肉・男性を中心に描かせていただいております。

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