動物と人間の骨格や肉付きの違いは、動物を描く上で最初に学ぶ重要なポイントです。
骨格を捉えようにも、骨は筋肉や皮膚、毛皮に隠れてしまうので、骨格だけで体の形をイメージするのは至難の技です。さらには、四足歩行の動物は人間よりも奥行きがあり、人間と同じアタリでは通用しない部分もあります。
そこで今回は骨格だけではない、動物のアタリの取り方を紹介します。
▼目次
人間と動物の違いを考える
まずは人間と動物の違いを確認します。
人間は肩が体の側面に付いて出っ張っているため、比較的四角い印象です。さらに、胸郭(肋骨)は横長になっているのが分かると思います。
動物の肩も体の側面から始まりますが、動物はなで肩なので人間のように横に飛び出さず胸に向かっており、丸っぽい印象です。胸部は四足歩行なので縦長になっているのが分かると思います。
さらに肘や踵の位置が人間とは異なり、動物の肩〜肘までは胴体と一体化しているように見えます。ちなみに胴体から突き出した腕や脚の中間くらいにある関節は手首・足首です。
動物の「胴体」のアタリの取り方
動物のアタリは「肩(胸)・胴・お尻」で分けて捉えると、角度を変えたりひねったりしても把握しやすいです。
胴周りのアタリは動物によってシルエットが異なっており、例えば馬のお尻は丸々としていますが、犬猫は若干スリムでサイドが潰れたような形をしています。もちろん、同種でも毛皮や体型などで見た目の形が変わったりもします。その際は、肉付けの際に好みの形に整えるといいでしょう。
動物の「首~頭」のアタリの取り方
胴体のアタリを取ったら、頭のアタリを「丸」で取ります。頭のアタリは胴体のアタリに繋ぎましょう。繋いだ線は首のアタリになります。首のアタリはカーブがかかった台形(側面)や円筒(前面)のような形にします。首の付け根は筋肉があるのでV字になることを意識すると自然な肉付けになります。
頭のアタリにはマズルや耳など大まかなパーツを加えて肉付けして、バランスを確認しましょう。
動物の「脚(腕)」のアタリの取り方
続いて、腕と脚のアタリを取っていきます。アタリの「丸」を取るところは関節部分です。ポーズをイメージできたら、膝(肘)・手首(足首)・手先(足先)付近の部分にアタリを取りましょう。
腕や脚と胴体の接続部は筋肉や毛皮などで見え方が変化しやすい箇所です。大雑把に両脚(腕)の空間をアーチ型で捉えるとポーズのイメージを掴みやすくなります。
動物の「手(足先)」のアタリの取り方
続いて、手先・足先です。
接地する指とそれ以外を分けておくと柔軟なポーズに対応できます。犬猫なども馬の蹄のようなつもりで指とそれ以外を別けて形を取ってから、指同士の境界線を描き加えると良いでしょう。
アタリの段階で「犬の指先は先細り」「猫の指先は丸い」「大型の動物は手先が大きい」などを踏まえて形を取っておくことで、細かく描き込む際の目安になります。
蹄を持つ動物とそれ以外では地面に着ける部分が違うことから、関節の位置や見た目も異なってきます。
肉球などを持つ動物は手のひらや指の付け根あたりから地面につく姿勢が多いですが、蹄を持つ動物は指先を地面に着けるような形になっていることを覚えておきましょう。
まとめ
アタリを取る際には細かな部分を省略してできるだけ単純な形を使いましょう。実際の形よりも印象を重視して単純化するのがコツです。
手足を畳んだりすると毛や肉で関節が分かりづらくなりますが、そういったポーズを描くときでも大まかなアタリを取った後、骨と関節の位置をしっかり確認すると違和感が少なくなります。
また、動物は種によって体の比率や可動域が異なるので思い込みは厳禁です。
著・画 山羊ヤマ
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筋肉と獣人と少女が好きなフリーのイラストレーター。PBWやソーシャルゲームでモンスター・人外・筋肉・男性を中心に描かせていただいております。