現役イラストレーター直伝! 宝石(球体)っぽく見える塗り方
2015.01.20
武器はゲームや漫画など様々なコンテンツに登場する重要なアイテムです。ですが、人物イラストと違って、いざ描こうとすると描きなれないこともあり四苦八苦することが多いのではないでしょうか。
そこで今回は武器の描き方講座。武器の代表格のひとつである「大剣」を例に、武器の描き方をメイキング形式でご紹介します。
▼目次
様々な武器がありますが、重要なのはパッと見の印象を決めるシルエットです。刀や槍、ハンマーなど基本的なシルエットはどれも決まっているので、シルエットを決め込んでから描き始めましょう。
さらに整合性を持たせるのも大切です。現実にあってもおかしくないデザイン、ディテール、質感、それがしっかり説明されているとより良い武器デザインに繋がります。
大剣を例に武器の描く方を紹介していきます。
まずは、大剣のバランスを決める為にシルエットのアタリを取ります。そして、アタリに沿うように武器のシルエットを描きましょう。シルエットが取れたら内部のデザインを描き込みます。内部のデザインは装飾なので、様々な武器イラストを資料として読み込み、デザインアイデアをストックしておくと良いかもしれません。
色ラフを作って武器の配色を決めます。ここでざっと完成のイメージを作り上げておきましょう。
配色の決め方の例として「属性」という考え方があります。ゲームには「火・水・風・土・闇・光」などありますよね。これらの色味をベースに考えてあげるとテーマ性のある配色にできます。
ラフが完了したら線画を描き、下塗りを行います。
線画は細かなディテールまでしっかり描き、下塗りはムラのない様にベタでしっかり塗り分けます。
金色の装飾を仕上げていきます。
暗い部分を足す形で描いているので焼き込みツールなども使って、光の方向(今回は右上)を意識しながら金属の質感、ツヤを表現しました。影色の照り返しには紫を使って色幅を増やしています。
刀身を仕上げていきます。こちらは鉄なので、荒々しい重厚感を表現する為に筆跡を残して描いています。
柄と宝玉を仕上げていきます。今回は柄の配色のように、差し色を活用することで武器デザインに締まりを与えています。
宝玉の塗り方はこちらを参考にしてください。
刀身に模様をつけます。模様のラインを複製して白っぽい色で塗り、微妙にずらすと掘った文字っぽくなります。
線が真っ黒だと浮いてしまうので色トレスで線の色味をなじませます。隣り合った色と同系色の暗めの色で塗りましょう。線を塗るときにはクリッピングマスクを使用しました。
最後に、覆い焼きカラー(紫系)で剣全体を光らせます。
全てにべったり塗るのではなく、ぼかした筆で部分的にふわっとかけるのが良いでしょう。特にキワと宝玉部分には多めに塗ると輪郭が際立って視認性が高まります。
以上が、基本的な武器の描き方でした。ファンタジーの世界には切っても切れない武器、是非チャレンジしてみてください。
フリーのイラストレーター。主に広告系イラストとソーシャルゲームイラストを制作させていただいております。
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