はじめまして、こめのと申します。
この度はゲームキャラクターをテーマに、キャラクターイラストを描くコツや考え方をメイキング形式で紹介していきます。独学なりの自己解釈なども多々あると思いますが、少しでもご参考になれば幸いです。
作業ツール:
【線画、塗り】CLIP STUDIO PAINT PRO
【エフェクト】Photoshop CC2018
▽目次
ラフや構成の考え方
今回はゲームキャラクターイラストをテーマに竜族の少女とドラゴンをモチーフに描いていきます。
ラフを詰めていくにあたり、ある程度どんな特色(性格、職業、属性など)でどういう関係性かを決めておくとデザインの方向性が見えて、進めやすいです。
作例では「竜族の少女は少し内気だけどドラゴンと一緒なら頑張れる子」という設定にしました。内気な設定なので表情や静的なポージングにすることで、そのような印象を与えています。さらに、少女は大人しい感じでありつつも、しっかり前を向いてドラゴンが翼で囲っている感じにしました。
槍戦士という設定なので「槍」に視線を集めてから槍→少女→ドラゴンと視線誘導も狙っています。視線誘導することで、イラストを見た人に最初に与える印象をコントロールでき、イラストの魅力を伝えやすくなります。
ラフはこのへんにして線画を描いていきます。
線画のコツと考え方
大まかに光源とアイレベルを決めます。
光源を決めて光の当たる部分の線画は細め、暗い部分の線画は太めを意識して描いていきます。この手法を取り入れることで線画でも立体感を与えることができます。
全てのモチーフに言えることですが、甲冑や装飾などはアイレベルを決めておくと描きやすいです。
ご存じの方も多いと思いますが、このパース上で円柱を輪切りにするとアイレベルより上は底面が見え、アイレベルより下は上面が見えます。
この法則(パース)に則って鎧のパーツを意識するとまとまりがよくなります。
装飾は形そのものに囚われすぎないで、ベースになる元の形を把握して描くのを忘れずに描いていきます。
線画ができましたので、次は色を塗っていきます。
塗りのコツと考え方
下塗りとパーツ分けをします。
立体を把握しやすいように、下塗りは大体の光加減をざっと足します。パーツ分けは透明度を調節したいときなどに不便なのでフォルダに分けてレイヤーマスクをかけました。
ここからの塗りの考え方は上図のようになります。基本的にベース色、影色、反射光の繰り返しです。奥行きやバランスに応じて明暗の際に色やハイライト・リムライトを足します。
塗り方の手順として、手前は固有色を濃く、奥は背景の色と馴染むように塗り進めます。中間色パレットで上図のように色を混ぜておいて、適宜固有色を変えながら塗りました。
※CLIP STUDIO PAINTの中間色パレットの使い方:[ウィンドウ]→[中間色パレット]
そのあとに背景の色をスポイトしてふんわり乗算で被せます。細かなパーツ一つひとつにとらわれやすいので全体の塊をみて塗るが自戒です。
塗りが終わりました。次はエフェクトを足していきます。
エフェクトのコツと考え方
以降Photoshopで作業をします。
槍にキラキラとドラゴンの口からブレスを足します。
シンプルなエフェクトが好みなのであまり描き込まず、ブレスは発生源の口からどの方向に伸ばすかバランスを見ながら透明度100%のブラシでザクザク足していきます。大体の輪郭が決まったらブレスに少しだけ炎っぽさを足しました。
ブレスのレイヤーを複製し、レイヤー効果で周囲をぼかす効果を追加します。
※Photoshopのレイヤー効果の使い方:レイヤーをダブルクリック→[レイヤースタイル]→[レイヤー効果]
レイヤー効果を適用したレイヤーの「塗り」を0%にして効果のみにします。ブレスのレイヤーを再び複製し、色調補正「色相・彩度」で明度をあげて白くした後オーバーレイで重ねます。
複製元のレイヤーをハードライトで重ね、反射光をいれて終わりです。
完成
色が濁りすぎたのでトーンカーブ他オーバーレイを数色重ねて完成です。
どこかみなさまのイラストに落としこめる部分があれば幸いです。最後まで読んでいただきありがとうございました!
著・画 米野ヌキ
絵の勉強をしながらお仕事をしています。