初めまして、koutetu yarouです。フリーでコンセプトアーティストをしています。
今回のテーマは「難しい・めんどくさい・大変そう」と言われがちな「メカ」。実際、そういう側面もありますが、私はかなり自由度の高いジャンルだと考えています。ですが、闇雲に描くだけでは効果的な演出は得られないかもしれません。
これからメカを始めようという人の最初の一歩を踏み出すのに必要なポイントをご紹介します。
▼目次
ラフ・まずはシルエットを意識する
こちらが大ラフの段階になります。どんな絵でも、ラフはとても重要な骨子の部分です。
特にこの段階で意識しているのが全体のシルエットです。
サイボーグにおいて大事なのはシルエットと考えています。人間な部分がありつつも機械の部分もあるので、機械の部分を大きく描くことによりシルエットを強調できます。
こういったデザインはサイボーグならではの方法ですので、効果的に強調部分を作れると印象に残りやすいです。
今回はオーソドックスに、全体が三角形のシルエットになるようを意識しています。サイボーグパーツとして、腕と足の強調を行いました。胴体部分はディティールを盛らず、情報の多い手足とのギャップを狙っています。
また、キャラクターの内面的な描写として、肩と腰に角度を加えて女性的ポーズを意識。片手を手前に出しつつ、全体的にアオリの構図を取り、女性的なかわいい顔と対照的な挑発的なキャラクター性で、こちらでもギャップを演出していきます。
全体のディティールアップをする
ディティールアップした段階です。
大ラフの段階で意識したパーツに情報を盛り込んでいきます。全体のバランスを整えつつ、アームやレッグのディティールアップをしました。
ケーブル・ボルト・装甲・アンテナなど現実のデザインを参考に盛り込んでいくと説得力が生まれるかもしれません。関節部分等のデザインもこの段階で盛り込んでいきます。
重機等のデザインは非常に参考になります。ぜひとも調べて見てみることをおすすめします!
線画を作る
大ラフ・ラフと固めたイメージを、そのまま線画にしていきます。ここでの線が最終的なデザインになりますので頑張りましょう。
正直、メカの絵に関しては、ここが一番手間がかかる段階です。メカは線画多くなるので、根気との闘いになります!!
影を付ける
グレースケールで描いていきます。
カラーリングを決める
下地の色を塗っていきましょう。今回のテーマはギャップです。生身の部分を青にしたので、機械部分は赤にすることにします。
こういった機械は通常ペイントされていますので、外装部分は金属光沢よりも、ペンキで塗ったような質感がマッチします。また、材質を考えて描くことも一つの手段です。カーボンなどの素材で作られていることを想定して描写するなどすれば、よりディティールのあるデザインになるでしょう。
しかし関節部分は「擦れ」ますのでペイントすることは少ないです。その為より金属らしい描写を行うと効果的でしょう。
今回の機械部分はペイントされたような赤と白、関節部分にあたるパーツは金属らしい色合いにしています。
ライティングを入れる
ライティング・シェーディングは非常に重要なフェーズです。今回はクッキリとつけることにしました。
完成
最後のフェーズです。
ほとんど変わらないので非常にわかりにくいですが、全体の色調やバランスを整えたり、少しだけスクリーンなどで効果を入れています。
ほんの少しの差ですが、やることでかなり違いが出ると思います。
最後に
以上で完成となります。
メカやサイボーグはとっても楽しいので非常にオススメです!しかも絶対数の少な目のジャンルであるため、お仕事につながりやすいという強みも……!ぜひガンガン描いていきましょう!!
著・画 koutetu yarou
フリーランスコンセプトアーティスト・イラストレーターとして活動中。