可愛い赤ちゃんはイラストや漫画のキャラクターモチーフとしても魅力的です。しかし、いざ描こうと思うと頭身からシルエットまで大人と違い、うまく描くことが難しいと思ったことはないでしょうか。
今回は赤ちゃんを描くコツをご紹介。前編では「顔」をテーマに描くテクニックを取り上げていきます。
▼目次
赤ちゃんの顔の描き方
赤ちゃんの正面顔を描くポイント
赤ちゃんの横顔を描くポイント
赤ちゃんの後ろ姿を描くポイント
赤ちゃんの表情の描き分け
「喜」の表情の描き方
「怒」の表情の描き方
「哀」の表情の描き方
「楽」の表情の描き方
「泣」の表情の描き方
赤ちゃんの顔の描き方
赤ちゃんの顔のシルエットは、円形に近いので丸を意識して描くとそれらしくなります。
まずは真円のアタリを取って十字線を描きます。この際、横の線は中心より下方に取るといいでしょう。輪郭が角丸四角形になるように、円の下半分にアタリの線を描き足します。
赤ちゃんの顔を描く際に一番ポイントとなるのはアゴの表現です。円だけだとデフォルメ感が強いですが、輪郭にアゴが足されると一気に人間らしさが出せます。
横線のラインをアタリにして目蓋を描きましょう。耳の上部の付け根もこのライン上に来ます。顔のパーツはやや中央に寄せる感じにするとふっくらと見えてかわいい印象を与えます。
赤ちゃんの正面顔を描くポイント
後述しますが「頭頂結節」という部分を意識すると子供らしさが出ます。
更に特徴を述べると、赤ちゃんの鼻は低く小さいです。さらに髪や眉は薄く毛質も細いため、明るい色になります。眉の間や眉と目の間を離すとあどけない印象になります。
顔の大きさに対して黒目が大きく、頭蓋骨は大人よりかなり小さいですが、眼球は大人並みの大きさがありまつげも長いです。
小さくてもあごをしっかりと表現することで、デフォルメ低頭身キャラクターっぽくなりづらいです。
口はミルクを強く吸うため、あひる口(富士山型)になります。首は細く肩に埋まって見えません。
頭頂結節とは?
「赤ちゃんの正面顔を描くポイント」で取り上げた頭頂結節とは、おでこの部分、眉毛からこめかみの辺りの上部、髪の生え際近くの頭蓋骨の2箇所の出っ張りのことを指します。
頭蓋骨が胎内で作られ成長していく中で現れ、頭蓋骨の成長とともに消えていく特徴です。女性ははっきり残る場合がありますが、男性は消えてしまう場合が多いです。
ラファエロ・サンティが描く絵画の天使の額などでも、この頭頂結節がしっかり表現されていて、美術的にも幼さを表現するのに使われていたるのが伺えます。
赤ちゃんの横顔を描くポイント
横から見るとおでこが広くやや出っ張っているのが分かります。襟足は髪の毛がまだ生えていないことが多く、フェイスラインは丸いので、あご下のラインを鋭角にしないように気をつけましょう。
首から下は猫背で肩が内転しているため内側に巻いています。
赤ちゃんの後ろ姿を描くポイント
斜め後ろから見るとマンガチックに頬のラインが丸く飛び出ます。
赤ちゃんの髪の生え方に迷ったら「こけし」の画像を参考にするのもオススメです。おでこ、こめかみだけしか髪が生えていない赤ちゃんも多いです。
赤ちゃんの表情の描き分け
次に代表的な表情の描きわけを見ていきます。
「喜」の表情の描き方
楽しい雰囲気を大事にしましょう。
眉は上げ、目尻は下げます。体や表情をリラックスさせて、頬のラインはやや下に垂れるイメージです。頬を上気させるとさらに可愛い印象を与えられます。
「怒」の表情の描き方
怒っているイメージを出すため、表情や体に尖った部分を作りましょう。
眉間にしわを寄せ、眉と目を近づけます。体が緊張するため肩が怒り、頬のラインもやや上がり硬い雰囲気になります。不満そうな表情をするため口をへの字に曲げて尖らせたり、つり目や半目にするのも効果的です。
「哀」の表情の描き方
落ち込んで弱っているような表情にしましょう。涙を堪えるため、眉尻が下がり眉間にしわが寄ります。
泣くと頬や、鼻頭が赤くなります。目を潤ませ、目尻はやや下げましょう。唇を噛んで涙を堪えるような表情をイメージします。
体はややこわばりますが、頬のラインは力なく下がります。髪の毛をへなへなとしおれさせると全身で哀しい雰囲気を出すことができます。
「楽」の表情の描き方
ウキウキして浮かれた雰囲気を出します。体はリラックスしていたりリズムを刻ませてもいいでしょう。
表情が緩むため、眉が優しく下がり眉間がやや広くなります。目尻も下げ、口元は柔らかく微笑ませましょう。
「泣」の表情の描き方
赤ちゃんの特徴的な感情表現です。体が緊張するので、手はぎゅっと握らせてグーの形にしましょう。
顔のパーツも緊張で真ん中に集まるようなイメージで描きます。眉間にしわをよせ、口は横に大きく開いて泣いている様子を表現しましょう。
負の感情表現は描画のポイントが似ていますが、眉尻の上下で感情を差別化することができます。不満・痛み・怒りなど緊張を伴う感情は眉を上げ、寂しさ・不安などの感情は眉を下げましょう。
以上で赤ちゃんの顔の描き方講座前編を終わります。
次回は赤ちゃんの体の描き方についてフォーカスしてご紹介します。
著・画 エルbee
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