説得力のある背景が描ける! 玄関の描き方講座 -後半-

説得力のある背景が描ける! 玄関の描き方講座 -後半-

今回は前編に引き続き、「玄関の描き方」について紹介します。前編については下記よりご覧ください

後編では玄関でのシチュエーションを踏まえて、開いた玄関のドアの描き方や、雰囲気がよくなる玄関の演出について紹介していきます。

 

▽見出し

開いた玄関ドアの描き方

 玄関ドアらしく描く、細部のポイント

 開いたドアの描き方

玄関空間の演出

 雰囲気を良くする室外の演出

 雰囲気を良くする室内の演出

 

 

開いた玄関ドアの描き方

玄関の描き方

室内の扉ではなく、パッと見て玄関と判別させるために、少々手間ですが細部を描きこむことをオススメします。

 

細部のポイントは「ドアクローザー」「蝶番(ちょうつがい)」「戸と枠の隙間」「ドア枠の金具」です。

 

アップで見せたいときはドアが開いている時が多いかと思いますが、そこでこれらの細部が省略されているとやや画面が寂しく、安っぽく、室内ドアのように見えてしまいがちですので、細部を描きこんで上げましょう。

玄関ドアらしく描く、細部のポイント

ドアクローザーはドア枠上部と戸上部についています。玄関らしく表現するために忘れずに描いてあげましょう。

 

蝶番は様々な形がありますが、上下二箇所か、上中下三箇所にあることが多いです。ドア自体が厚く大きめの蝶番がつく玄関戸は、開くと吊元(蝶番がある方。戸と枠の間)に隙間ができます。戸はドア枠にぺったりくっつきません。

 

またラッチなどの金具類を描くとリアルさが出ます。

開いたドアの描き方

玄関の描き方

開いたドアは吊元を中心に軌跡を補助線として引き、その補助線上に描きます。

玄関の描き方

引き戸には蝶番などはありませんが、戸同士の間に少しの隙間ができます。引手が出っ張るタイプのものは完全に引き込まれません。また戸の上下にレールがありますので、これらを忘れず描きます。

玄関空間の演出

玄関ドアのディテールまで描けたらあとは周囲です。玄関らしい特有アイテムというのがあります。以下の特徴的な小物を描くことで、より雰囲気が出てきます。

雰囲気を良くする室外の演出

玄関の描き方

  • 玄関灯:壁付のものやダウンライトなど。デザイン豊富なので家の雰囲気に合わせます。
  • 屋外灯:アプローチのサイドなどに。夜間の足元を照らすもの。
  • 表札:ドア横や門柱などに。
  • ポスト:壁に設置されたものや独立したタイプなどあります。
  • インターホン:ドア横に設置します。高さは床から1200mm程度。
  • 防犯カメラ、ステッカー、植木鉢、フラワーリース等:家の個性を出すアイテムです。

雰囲気を良くする室内の演出

玄関の描き方

  • 玄関タタキ:屋外アプローチと同じタイルで敷くと連続感が出ます。タイル一枚は300×300mmもしくは600×600mmサイズが一般的。
  • 玄関かまち:フローリングとタタキとの境に設置する見切材
  • 靴収納:幅450毎×高さ900×奥行400mm程度
  • 傘立:玄関を入ってすぐの角などに。
  • 照明:かまちの上部あたりにダウンライトやシーリングライトを。訪問者と家人の顔が照らせます。
  • スイッチ:玄関戸ハンドルの横に設置。高さは床から1200mm程度。帰ってきて真っ暗のなかでも手を伸ばしてすぐに点灯できる位置が良いです。
  • 小窓:(玄関窓は明り取り目的で、引違などの大きな窓は防犯面で不向きです)
  • 玄関マット、スリッパ、アートなどの飾り物、観葉植物、階段等:玄関は家の顔といいます。その家に住む人の好みを反映した小物を飾ります。

他にも新聞や郵便物、印鑑、芳香剤、スリッパ、ベビーカーや三輪車、蚊取り線香や灯油缶(季節アイテム)などを置くと生活感が出せます。

 

玄関の最小幅はドアと同幅、多くはワンルーム賃貸などですが、その家の広さに合わせて玄関空間も大きくしていきましょう。

おわりに

演出したい雰囲気によってドアだけでも様々に描くことができます。

 

ぜひイラストの密度や説得力をあげつつ、自由に作画できるようになりましょう。

著・画 mig

Twitter:@to_to_i

pixiv:https://www.pixiv.net/member.php?id=7040194