今回はライティングをテーマに紹介します。色々なライティングを知っておくとイラストの仕上がりがグンッと良くなり、魅力が高まります。皆様のイラスト制作にお力添えできていれば幸いです。
▽目次
フォームの基本
球体で一般的なライトが当たったときの基本的なフォームをみていきます。
ハイライト→センターライト→ハーフトーン→明暗境界線→最暗部の順で濃くなります。
中でも投影、オクルージョンシャドウ、反射光を掘り下げて考えてみます。
投影
ライトの色に投影は影響を受けます。ライトの色が赤だった場合、投影は赤くなるといった具合です。
今回は強い光なので影はくっきりしていますが、曇などの光が弱いところではもっとぼやけた影になります。
オクルージョンシャドウ
ライトが入り込まない濃い影の領域です。
物体がかさなるところや地面と接触するところにできます。
反射光
強いライトを受けた物体が光を反射して光源になるライトです。この場合は床の色を反射しています。
明度が10段階として、太陽光の元では5段階の明度で表現できるようです。曇や光の弱いところでは3段階で環境を表現してみましょう。絵柄と相談しながら色々試してみてください。
ライティングの種類
主なライトの当たり方をみていきます。矢印がライトの光の方向です。
プレーンライト
前方斜め45度付近から当てるライト。
反対側から弱めのライトで影を照らします。その際は強いライトをキーライト、弱いライトをフィルライトと呼びます。
フロントライト
見る人の視線からまっすぐに照らすライト。
影が出来にくく、ライトに対して角度がついたところほど濃くなります。
スポットライト
一部分を照らす円形のライト。
スポットライトを強調させたいところにカッと当てると目を引きます。
逆光
ライトを対象物が遮っている時などに輪郭をほのかに照らすライト。
逆光を当てることで、ソフトな陰影になります。
エッジ(リム)ライト
対象物の後ろから強いライトで側面を照らし、輪郭を浮き上がらせるライト。
実際にライトが当たっていなくても、絵が映えるので使用することがあります。モチーフの前後感を出すときに使ったりと様々です。
アンダーライト
下から照らすライト。呪術的な気配や不吉なイメージを出しやすいです。
まだまだライティングの種類はあると思いますので探してみてください。
映画などの照明ではプレーンライトのように補助光源をいれるようです。これはイラストにも反映できるところだと思います。プレーンライトとエッジライト、アンダーライトとスポットライトなど、いくつか組み合わせてみても面白いでしょう。
次は実際に組み合わせてみます。
ライトを組み合わせる
プレーンライトとエッジライトを組み合わせて描いてみました。
プレーンライトをメインの光源として、目立たせたい部分にエッジライトを入れると視線を集まり、そこから補足として見せたい部分に誘導したり、前後関係の説明にもなります。
また、奥にある物の反射光を背景の色と馴染ませることで奥行きを出せます。
あとがき
ライトは物体の明暗を決める大事な要素ですが、絵を魅力的にみせる効果もあります。実際にできないライトの効果的にいれることも視野にいれていくと、絵の魅力を高めるスパイスになると思います。
今回は『カラー&ライト リアリズムのための色彩と光の描き方』という本を読んだ時に勉強でまとめたものの一部を記事にさせていただきました。知っている方も多い名著中の名著なので読んでみてください。
ありがとうございました!
著・画 米野ヌキ
絵の勉強をしながらお仕事をしています。