koutetu yarouです。これまで「メカ」をテーマに様々な視点で講座を紹介してきました。第4回目となる今回は「メカ・ライティング・シェーディング」がテーマです。
「メカ」と題されてはいますが、今回の講座はメカ以外にも様々なあらゆる絵に応用できる内容です。
光と影の演出を効果的に用いることができれば、あなたの絵をより魅力的に演出できる強力な武器になります。是非、読んでいただければ幸いです!
▽目次
貴方が見せたい部分はどこ? 見せたい部分を考えよう!
ではまずラフから行きましょう。
今回は「流れ」を意識したラフを作りました。
ラフ時点で、閲覧者に「推し」たい部分について考えておくとよいでしょう。
今回の絵については、「女性的ボディライン」と「表情」のふたつになります。そのふたつに対して「魅力的に伝える光の位置」、「光と影の色の方向性」を考えておくと良いでしょう。
光と影を入れるところ
では、いつも通りにラフを清書していきましょう。
次に、グレースケールで陰影をつけていきます。
この段階でのグレースケールは「アタリ」のようなものです。
後々全体を見ながら調整を入れますが、しっかりと描き込むと修正場面で苦労しないで済むことが多くなります。
メカ部分である腕はカッチリと影を取っていきます。
金属パーツは強めの「照り返し」を入れたり、ラバー質を意識した胴体、大腿部分はなめらかな影を付けています。影は付けるペンの硬さを変えていくことにより、材質に説得力を持たせることができます。
今回はボディラインと右腕を強調したいので、そこが際立つようにライティングをしました。
光というのは一方向からだけでなく、地面や、キャラクターそのものからの反射光などありますので、それらを意識していくと、キャラクターの絵に深みが生まれてきます。
特に「照り返し」を意識するとメカは特にそれらしく塗ることができます。
ライティング色(影色と光色)を与えよう
全体のカラーを決め、着色したあとに影と光の色を付けていきます。
この時点では影や光そのものに色はついていませんので、これからライティング色を付けていきます。光や影にも色があるのです。
オーバーレイで青色の影を乗っける
青い影は、奥行を作り出し、更にキャラクターにクールなイメージを与えます。閲覧者に与えたい印象を意識しつつ色を選ぶと良いでしょう。
オーバーレイでハイライト部分に黄色の光を乗っける
黄色い光は、有機的な部分をやわらかに演出してくれます。
光の境界部分にビビットなカラーを挟むことにより、光の温かさを出すこともできます。
こうしてボディラインと武器・そして表情を強調することで、閲覧者に自分が見せたい部分の印象を強めることを意識しています。
ライティング色で意識していること
これは他の絵ですが、特にメカ部分を塗る際に意識していることを簡単にまとめてみました。
全体バランスを見ながら細部を仕上げる
[画像
最期に全体のバランスを見ながら、細部に手を入れていきます。
顔・バストアップ付近はよくみられる部分なので特に気合を入れています。ズームアップで見ても大丈夫なようにディテールアップを行いました。
以上で完成です。
最後に
今回の講座はライティングについて紹介しました。光と影は演出は、あなたが見せたい絵のグレードをきっと上げてくれると思います。
メカだけでなく、様々な絵で応用ができますので、是非練習してみるとよいと思います!閲覧ありがとうございました。
著・画 kotuetu yarou
フリーランスコンセプトアーティスト・イラストレーターとして活動中。