フォロワー数40万人の人気イラストレーターが考える「映えるイラスト」とは? 灸場メロさん『映え作画』出版記念インタビュー!~前編~

フォロワー数40万人の人気イラストレーターが考える「映えるイラスト」とは? 灸場メロさん『映え作画』出版記念インタビュー!~前編~

6月3日、いちあっぷ初の書籍レーベル「いちあっぷブックス」が誕生しました!  そしてその刊行書籍第一弾となるのが、イラストレーター向けの技術書『映え作画 ~プロ100人が教える魅力的なキャラ作り~』です。現在各種書店や通販サイトにて絶賛発売中となっています。

 

本書の発売を記念し、書籍内で「映えるイラスト」のレクチャーをしていただいた人気イラストレーター・灸場メロさんに「映えイラスト」についてインタビューを行いました。

 

映えるイラストにはどんな特徴があるのか? いいねがたくさんつき仕事につながるイラストを描くために今、絵描きさんがすべきこととは? 具体的なテクニックやメロさんが普段感じていることなど、具体例を挙げながら忌憚なくお話を伺っています。

 

今、「映えイラストレーター」になりたい方必見のインタビューです。ぜひご覧ください!

 

▽目次
イラストレーターは「1枚の絵で世界観が表現できる仕事」
「映え作画」に一番重要な要素、それはライティング!

 

映え作画

 

イラストレーターは「1枚の絵で世界観が表現できる仕事」

――Twitterフォロワー42万以上、『呪術廻戦』や『第五人格』、『荒野行動』など様々な作品やゲームタイトル、バーチャルシンガーなど様々なアーティストのイラストを手掛ける灸場メロさんですが、イラストレーターになろうと思われたきっかけは何ですか?

 

メロ:学生の頃は漫画が読むのも描くのも大好きで、盲目的に漫画家になりたいと思ってマンガ・イラストの専門学校に進学しました。その在学中に「1枚の絵で物語や世界観を表現できる仕事がある」ということを知り、イラストレーターを志すようになりました。

 

――学生の頃、影響を受けた作品やクリエイターは?

 

メロ:『ジョジョの奇妙な冒険』や『東京喰種トーキョーグール』、『HUNTER×HUNTER』など少年漫画が多いです。中でも中学生の頃に読んだ『バクマン。』には大いに影響を受け、それがきっかけで漫画用原稿用紙を買ったりしました。漫画は今も大好きで、よく買って読んでいます。

 

――専門学校ご卒業後の進路は?

 

メロ:ゲーム会社で社会人としてお仕事をしつつ、個人の活動としてイラストを描いてはSNS上に公開していました。

 

社会人1年目の後半頃にTVアニメ『アトム ザ・ビギニング』の応援イラストを描かせていただいたことをきっかけにイラストのお仕事もお請けするようになりました。

 

 

メロ:3年ほど前に独立して、今はフリーのイラストレーターとして活動しています。

 

――これまでさまざまなイラストを発表されていますが、最近印象的だったお仕事は何ですか?

 

メロ:昨年から今年にかけて、葛葉さんなどVTuberさんのCDジャケットを担当させていただいたお仕事は特に刺激的でした。自分の描いたイラストが宣伝トラックに使われて渋谷の街中を走るなど広く使っていただいていると知って、後になって「大きなお仕事だったんだな」と実感しました。

 

――渋谷には実際に見に行かれたりしたんですか?

 

メロ:いいえ、恐れ多くて「ひえーっ」って感じで家にいました。

「映え作画」に一番重要な要素、それはライティング!

――メロさんにとって、ズバリ「映える作画」とはどんなイラストだと思われますか?

 

メロ:私自身が思う映え作画は、光が当たっている部分と影の部分をしっかりと描き分け、リアリティを陰影で生み出しつつ、全体的にはアニメイラストテイストなのが近年の映え作画なのかな、とSNSなどを見ていて思っています。

 

――陰影によるリアリティとアニメテイスト、2つの要素を内包しているんですね。

 

メロ:今トレンドを牽引している指標の一つがモ誰さん(@jeonghee1414)だと思うのですが、イラストを拝見しているとそんな傾向があるのかな、と思っています。

 

 

△モ誰さんのTwitterのメディア欄を見ると、より理解しやすい

 

メロ:しかもこの方は、1枚のイラストをわずか5、6時間で描かれているそうです。

 

――すごい早さですね!

 

メロ:2年ほど前に、Twitterで1日1枚イラストを投稿する「#100日チャレンジ」という企画でハイクオリティのイラストを毎日描いて公開されていました。

 

今も同じ企画で再度描かれているのですが、この手の速さ、少ない手数でパッと見を良くして反応をもらえる絵にするという技術も、今のイラストレーターに求められている技術かなと思います。

 

これだけ目を引くイラストに仕上がっているということは他にも映えるイラストのコツが詰まっているはずなので、特に研究させてもらっていますね。

 

――具体的にはどんなところに映える要素を感じますか?

 

メロ:モ誰さんの絵には本当にたくさんの推しポイントがありますが、まず前提として共通しているのは、スマホで見られることを想定したサイズや画角で描かれていることです。

 

――確かに「映える!」と思ってもらいたい相手の視聴環境を想定することは重要ですね。先ほど仰っていた、光と影についてはどうでしょう?

 

メロ:たとえば背景が明るい絵であれば一番見せたいキャラの顔や瞳にしっかり影を落としたり、逆に背景が暗いのであれば顔に光を当てるなどしてコントラストを強めにしているケースが多い印象です。

 

また、見せたいパーツ、たとえば指先や服のディティールなどに光を当てたり、逆に目立たせる必要のないところはボカしたりもされています。

 

――目立たせたいからといって一様に明るくしたりクッキリさせたりするのは、逆にあまり映えないんですね。

 

メロ:はい。私は映え作画に一番重要なのはライティングの工夫だと思っています。

 

―― 次回、後編では灸場メロさんから「映え作画」のトレンド変化や、映えるイラストを描くためのスキルについてお伺いします。

 

聞き手・文:いしじまえいわ
編集:いちあっぷ編集部

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