少し傾けるだけで見違えるほど変わる!映える立ちポーズの描き方

少し傾けるだけで見違えるほど変わる!映える立ちポーズの描き方

SNSで自分の描いた作品を大勢の人に見てほしいと思いませんか?

 

大勢の人の目を止めるには、一瞬で良さが伝わる見栄えが必要です。特に全身をみせる立ちポーズのキャラクターイラストでは、いかにしてバランスを意識して描くことができるかが「映える作画」のポイントではないでしょうか。

 

映える立ちポーズのキャラクターイラストを描く表現のポイントは「バランスと傾き」です。バランスと傾きを適切に描くことでキャラクターの動的様子がより伝わりやすくなり、見る人の目に留まりやすくなります。

 

今回は、技法書レーベル「いちあっぷブックス」から、新発売の『映え作画 キャラクターの魅力を引き出す 心を動かすイラストの描き方』より、「少し傾けるだけで見違えるほど変わる!映える立ちポーズの描き方」をご紹介します。

 

▼目次

全身の比率と形状を知ろう

頭部の幅と肩幅の比率

上半身と下半身の長さ

ウエストの高さ

腕周り のバランス

素体の描き方

1.アタリを取る

2.厚みを持たせる

3.身体的な特徴を持たせる

コントラポストを意識して魅力的なポーズを描くポイント

コントラポストの基本

軸足の位置

ポーズにキャラクター性を反映させよう

 

 

いきなりディテールにこだわった人体を描こうとしても上手くいきません。まずは人体を簡易的に表現した素体を描き、徐々にポーズをつけて動かしてみましょう。

全身の比率と形状を知ろう

頭部の幅と肩幅の比率

・女性

頭部の幅を1とすると肩幅は0.5になります(①)。

・男性

女性とは異なり、頭部の幅を1とすると肩幅は1になります(①)。男女で変わる骨格の違いです。

上半身と下半身の長さ

・女性

 

上半身と下半身の長さは1:1として描きます(②)。

男性

女性と同様に上半身と下半身の長さは1:1になるよう描きます(②)。

ウエストの高さ

・女性

肋骨の下部が狭く、骨盤のサイズが男性よりも大きいため、くびれができやすくなるのが特徴です(③)。

・男性

肋骨の下部がやや広がる形になっており、骨盤との間に溝ができにくいため、くびれも目立たないように描きます。

腕周り のバランス

腕を体の横に下ろしたとき、手首の位置と股の高さはほぼ同じになります(④)。

手の長さと顔の大きさはほぼ同じになります(⑤)。

素体の描き方

簡単な線と図形でアタリ を取り、段階的に肉付けしていくことで素体を描きます。前ページで学んだ比率や形状を常に意識するようにしましょう。

1.アタリを取る

地面を設定します(①)。頭の位置・角度を決めます(②)。足の位置を決めます(③)。胴体部分の中心を決め、中心線を引きます(④)。
骨盤(お尻)の位置・角度を決めます(⑤)。胸部のアタリを取りつつ、頭から骨盤までをつなぎます(⑥)。このとき肩の位置も決まります。手の位置を決めます(⑦)。肩の可動域、前腕と上腕の長さを考えながら肘の位置を決めます(⑧)。手から肘、肘から肩をつなぎます(⑨)。

 

前ページの斜線部をイメージしながらアタリを取ると、肩の位置も調整できます。また、台形のような直線的な線でアタリを取るとパースもとらえやすくなります。

2.厚みを持たせる

胴は肋骨の厚みをイメージして立体感を出す(①)。骨盤はお尻の厚みをイメージして肉付けをする(②)。

3.身体的な特徴を持たせる

頭部は後頭部を大きく描きます(①)。性別や体型、細身なのか中肉中背なのかといった身体的な特徴をイメージしながら肉付けしていきます。

コントラポストを意識して魅力的なポーズを描くポイント 

コントラポストとは、片足に体重をかけて立ち、左右の肩や骨盤を傾けたポーズです。コントラポストを意識すると魅力的な立ち姿のキャラクターを描くことができます。

コントラポストの基本

片足に体重をかけて立たせる際は、身体の中心を通る線の流れが直線ではなくS字になるように意識します。そうすることでゆったりとした自然で柔軟、動的な印象になります。

 

片足重心の場合、肩と腰の傾きは相反します。重心をかけた側の腰が上がり、肩は下がります(①)。

 

へそを地面に対して垂直に下ろした位置に軸足が来るように描くことで、重心のとれた安定したポーズになります。
ただし、動作の途中や動きの大きなポーズについてはこの限りではありません。

 

軸足の位置

重心から軸足が離れていると不安定な印象になります。軸足は重心の近くになるように描くのが自然です。

 

ポーズにキャラクター性を反映させよう

キャラクターのポーズで行き詰まったときは、性格やシチュエーション、見せたい要素などを挙げてイメージを膨らませてみましょう。まずは具体例をみてみましょう。

・少女

性格:元気、少々やんちゃ

場面: テンションが上がっている

   友人を遊びに誘っている

見せたい要素:ハツラツさ

 

・青年(男性)

性格:クール

場面:ぼーっとしながら人を待っている

見せたいパーツ:脚の長さ

 

・青年(女性)

性格:自信に満ちている

場面:胸を張り、颯爽と歩いている

見せたいパーツ:プロポーション

 

まとめ

  • 身体の全体のバランスや比率を覚えて描きましょう
  • 身体は傾けて描くと動的な印象を持たせやすく「映えるポーズ」に近づけることができます
  • キャラクターの性格を意識しながら描くとよりキャラが立って魅力的に見えるようになります

 

続きは、『映え作画 キャラクターの魅力を引き出す 心を動かすイラストの描き方』(著・いちあっぷ編集部)にてお読みください。

 

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