イラストの見せ場を作る!『粗密』で目線を誘導するテクニック 基礎編
2016.01.19
いちあっぷ講座を運営している株式会社MUGENUP(https://mugenup.com)がイラスト制作をしている会社であることを知っていましたか?
メインの事業であるイラスト制作では、年間200タイトル以上のゲームに携わっています。中にはみなさんが知っているようなタイトルがたくさんありますよ。
イラスト制作といっても、単に絵を描いているだけではありません。
クライアントから頂いた資料をもとに、ゲームの世界観を想像し、キャラクターを制作する「アートハウス」としての役割を果たしています。
そのアートハウスの中心となっているのがアートディレクター(以下、AD)です。
イラストレーター(以下、IL)の仕事についてはイメージがつくけど、ADの仕事については中々イメージが付いていない人が多いのではないでしょうか。
そこで今回は、2016年5月に行われたMUGENUPのADが教える『MUGENUP流アートディレクションセミナー』のレポートを含め、アートディレクターの仕事についてとイラストを1UPさせるテクニックをご紹介します。
そもそもADとILの違いはなんでしょうか。
映画制作で例えてみましょう。アートディレクターはその名の通り監督、イラストレーターは役者です。監督が役者に指示して、作品を作っているのはご存知ですよね。ADとILの関係も同じで、ADはクライアントが求めるゴール地点までILを誘導する役割があるのです。
絵がとても上手なILが、発注者の希望どおりの絵を描けるとは限りません。
イラストのクオリティは95点でも、クライアントが設定した世界観から大きく外れていると、仕事絵としては30点になってしまいます。このようなILが「その案件の合格点」に達するように誘導することがADの役割です。
それでは具体的に何をして合格点まで導いているのでしょうか。
例えば、最近のモバイルゲームでは人気漫画がゲーム化されたり、決まった世界観があったりとキャラクターイラストのテイストを統一されていることが多いです。
実は、それらのイラストはたくさんのILが決められた世界観に合わせ、テイストを似せて描いています。
その為、いくら絵が上手なILでも世界観が合っていなかったらアウトです。
そこでADは「テイストが合っていないからダメ」ということが起こらないように、蓄積した案件ノウハウをもとにチェックリストを作るなどして、ILが間違った方向に進まないようにしています。
ADのお仕事は、蓄積した案件ノウハウをチェックリストに当てはめているだけではありません。絵のクオリティを上げるために、技術的な観点からもILを支えています。
例えば、モバイルゲームイラストでは、イラストを見る画面が小さいので
になるようディレクションしています。
今回はラフ段階でできる、あなたの絵をグッと良くするディレクションの一部をご紹介します。
シルエットが整っているとキャラクター造形が分かりやすくなり、絵の見どころが伝わります。
確認方法は簡単です。キャラクター全体をベタ塗りにしてみましょう。
要素が多すぎるとキャラクターのシルエットがひとつの塊に見えます。
塊に見えると、キャラの見せたい(魅力的に見せたい)箇所が目立ちにくく、動作も分かりにくいです。
そこで魅力的に見せたい箇所を目立たせるために全体のシルエットから「抜く」箇所を考えます。そうすることで、見せたい箇所やキャラ動作が分かりやすくなります。
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イラストを迫力あるものにするためには、画面内に奥行きを感じるような構図にすることが効果的です。
この奥行き感を出すためのテクニックとして、画面の中に「近景・中景・遠景」という3枚のレイヤーがあると仮定します。3つのレイヤーにそれぞれ要素を配置することで画面に奥行きを感じさせることが出来ます。
3つのレイヤーにどの要素を入れるかある程度決めたら、どこにカメラを置くか考えてみましょう。
同じキャラクターでもどこにカメラを置くかによって、構図のインパクトや要素の見え方が変わってきます。キャラクターをフィギュアのような立体物として頭のなかに描いて、画面映えするカメラ位置を想像すると良いです。
例えば、①にカメラを置くと剣先が大きく映り、ダイナミックな構図になります。②であれば、飛んでいるモンスターやキャラの顔に焦点があたったイラストになります。
このようにカメラを意識するだけで構図が大きく変わり、印象が全く異なるのが分かりますね。なので、画面の中で「強調したい部分はどこなのか」を考えて、そこが映えるカメラ位置を探してみましょう。
今回はラフまでのディレクションを一部ご紹介しました。
今後もMUGENUPではADが教えるセミナーを開催する予定ですので、セミナーに参加して体験してみてください。
ADのお仕事は、
が向いています。ピンっと来た方は次回の予定のセミナーに参加してみてくださいね。
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