視線誘導がポイント! 主役が引き立つ構図の作り方
2015.06.12
多くのモバイルゲームではイラストの魅力を上げるために「豪華な印象」が求めらます。イラストの密度を上げるのも有効ですが、描き込み過ぎると画 面がゴチャつき、見せ場が伝わらないことも。
そんなときは「粗密感」をコントロールして、スッキリと魅せどころを整理しましょう。
今回は、「粗密を使った視線誘導」をテーマに、ワンランク上のイラスト制作テクニックをご紹介します。作品が持つ魅力を最大限に伝えるポイントを学びましょう。
あまり日常生活では使いませんが、イラストでは頻出の「粗密」。
例としてドットの画像を使って理解しましょう。
粗密が一定の場合
△平均的に並んだドット(サンプル画像)
サンプル画像はドットが平均的に並んでいます。パッと見た時に平坦に見え、とりわけ目を引くところがない画にですね。
画面中央にドットをたくさん配置し、密度の高い部分を作りました。
先程の画像と比べ、視線が自然に中央に集められる感じがしませんか?
画像を比較すると、点の密度が高いところへ視線が誘導されることがよくわかりますね。
この点が集まった箇所を「密」と呼びます。
逆に「粗(密度の低い部分)」を使っても、視線を誘導をすることができます。
画面右下のドット減らし、描写の少ない「粗」の部分を作りました。
パッと見た時に右下の部分に視線がいったのではないでしょうか?
これが「粗」による視線誘導です。
このように「密」と「粗」をうまくコントロールすることで、イラストの中で見せたいポイントへ視線を誘導することがができます。
上図の右の画像では、「密」以外の箇所にあるドットの数を減らし、
画面を全体的に「粗」にしてその中に「密」のポイントが存在するようにしました。
画面中央の「密」の部分により目線が行くようになったと思います。
同様に、密度の高い部分にあえて「粗」の部分を作ることでも、より強く視線を誘導することが可能です。
覚えておきたいポイントとしては、「粗にしても密にしても、比率が少ないほうに視線が行く」ということです。
これを上手く使って見せたいポイントに視線を誘導させることがイラストレーターとしてレベルアップするために知っておきたい技術のひとつになります。
この粗密による視線誘導はラフ時の描き込み以外に、塗り込みの軽重でも表現することができます。
粗密による視線誘導を使ったイラストの例です。
女性キャラで、顔やバスト、おしりなどを見せたいと思った場合、顔やバスト、おしりは線や要素を増やしたりして「密」を作ることが難しかったりします。
そこで上のイラストでは、顔の周りの髪の毛の描き込みを増やしたり
胸の周りにネクタイなどの衣装の要素を増やして「密」をつくり、
顔やバストなど「粗」の部分に注目が行くようにしています。
このように、構図やキャラクターデザインを考える場合は、粗密を踏まえて画面の情報量を整理すると良いでしょう。