今回はお腹の塗り方メイキングです。
ゲームのグラフィックチーフなど、十数タイトルの作品のグラフィックを監修してきたmignon(みにょん)さんが、お腹の塗り方を教えてくれました。
この講座を読んで、魅力的なお腹を描けるようチャレンジしてみよう!
[画像1] 今回はこちらの塗りを解説していきます。
▼目次
塗る前に覚えてほしい考え方
本題のお腹の塗り方に入る前に、塗り方の基本について押さえておきましょう。
ここでは胴体を筒状のものとして説明します。
[画像2]
覚えておきたいのは光源に対する塗り方です。
体が右向き=体が左側のカメラに向いている場合、光源は左上に設定しましょう。これは手前側を明るく、奥側を暗くするのが、一番見栄えが良く、影付けも簡単なのでそうしています。
左上光源で塗る場合、上図のように、
- 左をぼかし、右はくっきり
- 上はぼかし、下はくっきり
が基本の考え方になります。
お腹を塗るときのイメージ
次に、お腹を塗る前のイメージをご紹介していきます。
[画像3]
お腹のパーツは、[画像3]の①のように、筋肉や脂肪の付き方にあわせて塗っていきます。簡略化しているので、筋肉や骨の位置などは美術解剖学の書籍をご参考ください。
[画像4]
まずは、へその中央ラインから、[画像4]のように影を入れます。左はぼかし、右はくっきりの流れです。さらに描き込み、②の形をイメージしながら影を入れます。
お腹の塗り方メイキング
では、ここからお腹の塗り方メイキングとなります。
レイヤー構造について
[画像5]
最初にレイヤー構造について紹介します。
今回はベタ塗りレイヤーを使い、マスクで彩色しています。基本、影はレイヤー2枚、濃いオレンジ1色で塗ります。
お腹の塗り方
[画像6]
肌を塗る際のブラシの使い方ですが、「影を描いて、ぼかす」を繰り返して塗っていきます。
[画像7]
まず、1つ目のレイヤーに、「必ず暗くなる場所」の影を描いていきます。
影面積は狭めにし、「線のそばに影を入れる」のがメインです。
[画像8]
2つ目のレイヤーには、筋肉、脂肪を意識して広い範囲に影を描いていきます。
まずはへその中央ラインに影を置いて――
[画像9]
お腹のパーツの形を意識しながら細かい影を入れていきます。
いつもここでお腹の影の付き方がわからなくなるので、写真などの実物資料を見ながら塗ります。
[画像10]
個人的には赤い部分である、ヘソ周りのお腹のふくらみがふんわり描けると艶っぽくなります。
[画像11]
1つ目のレイヤーはそのままで、先ほど描いた2つ目のレイヤーの影をぼかしていきます。
[画像12]
影のぼかしのイメージはこちらです。冒頭でもお伝えしたように、
- 左はぼかし、右はくっきり
- 上はぼかし、下はくっきり
で塗っていきましょう。
[画像13]
消しゴムでふんわりと消しながら色を薄くしていきます。
※ 1つ目のレイヤーの影色は消えないので、影を濃くしておきたい場所はそのまま残しながら調整できます。
[画像14]
個人的にマッシブなお腹はあまり好みではないので、さらに柔らかく、ぼかしたり消したり足したりしながら調整しました。
落ち影の追加
[画像15]
新規レイヤーを作って、服の落ち影とごくごく一部の2影(茶色の影)を描き加えます。
[画像16]
青い範囲が落ち影の部分です。
ハイライトの追加
[画像17]
ハイライトを追加します。
光源に合わせて左寄りの影を入れていない部分の頂点、輪郭のキワ、骨の出っ張っているところに入れていきます。
[画像18]
青の範囲にハイライトを追加しています。
赤みを追加する
[画像19]
おへそに、薄い赤を追加します。すると、ちょっと艶っぽくなります。
[画像20]
青い範囲に赤みを追加しています。
色味調整
[画像21]
最後に、色味調整をして完成です。
[画像22]
参考までに完成時のレイヤー構成はこんな感じです。
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著・画 mignon
彩色・イラスト(一般・R18)のお仕事をしています。
グラフィックエディット観音堂 http://cannondo.biz