壁・床・天井の塗り方講座 これでノベルゲーム背景イラストが描ける!~彩色編1~

壁・床・天井の塗り方講座 これでノベルゲーム背景イラストが描ける!~彩色編1~

ノベルゲーム背景イラスト講座です。「主人公の部屋」のような”ゲームでよく登場する室内の背景”をモチーフに、制作手順や描き方のポイントをご紹介するシリーズ。前回のレイアウト編に引き続き、制作手順や描き方のポイントを解説していきます。

 

 

彩色編では壁や床、窓、家具といったモチーフの塗り方を全4回に渡って紹介していきます。第一回は壁・床・天井の塗り方がテーマです。

 

室内背景イラストを描く上での基礎的な力が付きますので、ぜひご参考下さい。

 

▼目次

壁や床、天井をパーツごとに塗り分け

明暗をつけて部屋全体に立体感を出す

床の材質の表現方法

ドア・幅木などの描き方

 

壁や床、天井をパーツごとに塗り分け

壁や床など、それぞれのパーツの色を決め、塗り分けていきます。

 

ブラシツールを使うより、選択範囲を作成してから塗りつぶしツールで塗りつぶすのをオススメします。

室内の塗り方

半透明にならないように、100%の不透明度でしっかり塗します。

 

室内のようなモチーフの場合は、壁や床などの奥側(外側)にあるものから塗り分けていくようにしましょう。

室内の塗り方

明暗をつけて部屋全体に立体感を出す

全体の雰囲気を確認するために、先に壁・天井・床を塗り進めて、奥行感を出します。

明暗を付けて立体感をつける

壁や天井の隅が暗くなるように、ソフト円ブラシなどのフチがぼけたブラシを使い、ムラにならないように明暗をつけていきます。

 

先に、塗りつぶしておいたレイヤーに使用したクリッピングマスクを作成しておくと、余計なはみ出しが防げます。どの部分にどの色が塗られているかもわかりやすくなるので活用するとよいでしょう。

 

壁と天井の明暗をつけたら、床の質感を入れていきます。床はフローリングの設定なので、壁や天井とは質感が異なります。

床の材質の表現方法

床の質感を表現するためには、光沢感と表面の木目を描く必要があります。

 

まずは、光沢感を出すためにブラシをキャンバスに対して縦の方向に動かして、明るい部分を作ります。また、奥行を出すため、床の奥や隅が暗くなるようにフチのぼけたブラシで暗くグラデーションを描きます。

床の塗り方

光沢感を入れただけではのっぺりしたままなので、材質が分かるように木目を描き込みます。

 

木目を描くときは、ブラシの形状を変更するとよいでしょう。Photoshopには絵筆ブラシというアナログの筆を模したブラシがあります。その中にある「丸筆(ファン)」を調整して使用するのがオススメです。

ブラシ設定

線画で描いたフローリングの溝の線に合わせて、板ごとの木目を描いていきます。木目は乗算モードのレイヤーに描いておけば、下地の色合いよりも暗くなり目立たせられます。

床の塗り方

ドア・幅木などの描き方

ドラ・幅木の描き方

壁・天井・床を描いたら、ドアなどの建具を描いていきます。

 

壁と床の間にある幅木(はばき)は、薄い横板ですが、少しだけ上の面を作って明るくすると、簡単に立体感を出せます。

ドアを描くコツ

ドアは外側の枠部分とドア自体を分けておくと作業しやすくなります。その場合はより手前にある枠部分がレイヤーの上側に来るように配置していきましょう。

 

フローリングの木目を描いたブラシは、ドアの表面の木目を描くときにも使えますので、設定を保存しておくとよいでしょう。

完成

今回はここまでです。次回は窓をテーマに描き方をご紹介します。お楽しみに!

これら背景イラストは自著である『背景CG上達講座』(翔泳社)に詳しい解説がありますので、よろしければそちらもご参考下さい。

 

▼『背景CG上達講座』

https://www.shoeisha.co.jp/book/detail/9784798137568

著・画 bcd

pixiv https://pixiv.me/bcd

twitter https://twitter.com/poskara

 

フリーランスのイラストレーター。専門はゲーム・アニメの美術設定、背景イラスト制作を手掛けています。イラスト制作業務のかたわら、専門学校で背景イラスト・アートワークの講義を担当。

 

著書に「背景CG上達講座」(翔泳社)。講師としては、岩崎学園横浜デジタルアーツ専門学校 非常勤講師、専門学校東京ネットウエイブ 非常勤講師、バンタンゲームアカデミー 講師を勤めています。