前回は背景イラストレーターの有馬憲吾さんによる昼間のビルの描き方をご紹介しました。
今回は昼間のビルをベースにして夜景のビルに変更する方法をご紹介します。昼間のビル本体と窓、背景レイヤーの色味をそれぞれ変えていくため、レイヤーごとに分けた状態で作成します。
▽昼間のビルの描き方の記事
使用しているのはiPadと有料のイラスト制作アプリのProcreateです。ご紹介する夜のビルの描き方はCLIP STUDIO PAINTやPhotoshop、無料のお絵描きアプリでも応用できます。街中の背景イラストで活用できる方法となっていますので、是非参考にしてみてください。
▼目次
背景とビル本体の色味を変える
ビルに影を入れる
窓の色の入れ方
グラデーションと光を入れる
仕上げの加工
窓から漏れる光を乗せる
ネオンで光る色味を乗せる
背景とビル本体の色味を変える
背景色は暗い青のグラデーションにし、月明かりや街灯のネオンなど夜の要素を含ませた色味に変えます。夜の空は黒で塗らずに、周囲の明かりを取り入れるようにしましょう。
そして、ビル本体も上を暗くして、下は街灯に照らされている雰囲気を出すために明るい色のグラデーションにします。
ビルに影を入れる
ビル本体の上に「乗算」の新規レイヤーを作成し、ビルの立体感が分かる程度に軽く影を描き足します。
窓の色の入れ方
窓はおおまかな色を乗せた状態から始めます。
電気の色に変化を出したり、電気のついていない無人の室内にも非常用の赤い表示灯などを描き、ビル内の生活感を滲ませます。
商業ビルを描く際は、いくつもの会社が入っていることを意識して複数の窓ごとに色を混ぜながら乗せるのがポイントです。遠景のビルを描く場合も、窓ごとに色味を変えることで商業ビルらしさを表現できます。
グラデーションと光を入れる
窓ごとに上を暗く下を明るくするグラデーションを入れ、電気のついている室内の上部に蛍光灯の細い光を描き込みました。
仕上げの加工
窓から漏れる光を乗せる
影を描いたビル本体のレイヤーの上に「ソフトライト」の新規レイヤーを作成し、窓から漏れ出る光を柔らかく乗せます。
ネオンで光る色味を乗せる
ビル本体と窓のレイヤーの上に「スクリーン」と「ハードライト」の新規レイヤーを作成し、ビルが街並みのネオンに照らされていることを意識してビルの下半分に柔らかく明るい色を乗せました。
「スクリーン」で明るくし、ビル側面の暗い部分は「ハードライト」でコントラストを強めて雰囲気を出しています。
事前に描いていた木を表示して完成です。
まとめ
今回は昼間のビルを元にして夜景のビルに変更する方法をご紹介しました。
昼間のビルをベースにして
- 背景とビルの色味を変更
- ビルに影を入れる
- 窓に光を入れる
- ビル本体の加工
この4ステップで夜景のビルを描くことができます。是非昼間のビルの描き方の記事と合わせて、街中の背景イラストを楽しんで描いてみてください。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!
さらに詳しく学びたい方は解説動画をチェック!
こちらの動画を見ると、ブラシでの描き込み過程を含めた詳細な解説を聞くことができます。より理解を深めたい方は是非ご覧ください。
記事元の作者:有馬憲吾
背景イラストレーターとしてYouTubeにてお絵描きに役立つ情報を発信しています。
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