可愛さや豪華さを演出する「モフモフ」。
モフモフした毛の質感は、動物はもちろんのこと、コートやアクセサリなどの服飾で必要になることも。
毛の質感を出そうとしてたくさん毛を描き込んだら浮いてしまった、ガサガサになってしまった、なんてことはありませんか?
思わず触りたくなるもふもふの質感を描くコツを、厚塗り、アニメ塗り、デフォルメ(アニメ塗り)で紹介します。
▼目次
毛の性質を考える
毛の性質を考える
毛の長さ、生える向き、質感などを考えてみましょう。
やわらかな毛は細くて一本一本が見えにくく、硬い毛は太くて見えやすいことから、描き方も変わってきます。
横方向に流れる毛だけではなく、放射状に突き出る生え方もあります。遠近法により、こちらに向かって生える毛は短く見えます。
また、動物は毛の長さが生えている部位により異なります。
長い毛は毛束になってなびくように見えたりしますが、短い毛は毛束になりにくく根元から放射状に立っているか、肌に密着するようになっていることが多いです。
厚塗りのモフモフ(毛並み)の描き方
まずはリアル調の厚塗りのモフモフです。
線画は部分的に閉じず、毛が一本一本の生えているように表現しておくと馴染みやすいです。ベースに柔らかく陰影を入れ、陰影のグラデーションを削るようにベースや影の色を使い、毛を描き込みます。
最初は太めのブラシで、全体がまとまってから細いブラシでさらに描き込んでいきます。
毛の方向に注意して、長いストロークと短いストロークを使い分けましょう。
立体を強調したい部分にだけ、毛並みに沿ってハイライトを入れます。最後に輪郭をマスクで削り、毛先を透かし、整えて完成です!
アニメ塗りのモフモフ(毛並み)の描き方
アニメ塗りのモフモフ感は、影が重要です。
線画は厚塗りと同じものを使いますが、太い線の方が映えるので太さを変更しています。
大まかに影を置いて、毛の流れを意識して毛束を太くまとめるように形を整えます。
ハイライトは毛の細さをイメージしながら要所に。はっきり描き込みすぎるとテカテカしてしまうので注意しましょう。仕上げにやわらかいブラシでグラデーションを加えるとモフ感がUPします。
デフォルメのモフモフ(毛並み)の描き方
基本はアニメ塗りと同じ工程です。
細い線だと浮いてしまうので太い線で、大胆に毛の凹凸をつけましょう。
毛先を丸めて描くとやわらかく見えます。
少ない凹凸でよりモフモフ見せるために、影の境界を隣り合う色と馴染ませます。
ハイライトは毛先の丸みに合わせてしずく型で描き込みます。さらに追加するハイライトはほとんど見えないほど控えめですが、意外と毛の存在感を出してくれます。
毛先のかたちを考える
長くまとまる毛束ほど先端に行くと細く尖る傾向があります。また、短い毛束やまとまらずに広がった毛は毛先が丸く見えることもあります。
毛先が鋭利で硬そうな印象になってしまったら、毛先を気持ち丸めてみるとやわらかくなるかもしれません。
最後に
「もふもふ=軽く重力に負けない毛」ではないでしょうか。
軽さを演出するには細い線が有効ですが、細い線で一本ずつ描き込むのは大変ですし違和感が出てしまいます。カメラに近く目立つ部分に細い毛を描き込むだけでも質感は伝わります。
自然にもふもふさせるには、ハイライトを強く入れないことが大切です。ハイライトが強いとトゲのように硬く見えてしまいます。
肌(土台)や毛が密集した根元は光を通さず毛の先端は密度が低く光が透けるので、逆光では毛先が明るくなります。また、毛の生える土台を曲げると曲げた外側の毛は放射状に広がって隙間ができたり、条件によって見え方が異なることも。
動物や服飾などを見て、毛の流れ、重なり方で見え方・描き方がどう変わるのかを観察してみてください。
著・画 山羊ヤマ
WEB:http://arcadia-goat.tumblr.com/
筋肉と獣人と少女が好きなフリーのイラストレーター。PBWやソーシャルゲームでモンスター・人外・筋肉・男性を中心に描かせていただいております。