基本から徹底解説! 正面顔と横顔の描き方
2016.11.23
今回は顔のアタリの描き方がテーマ。
顔のアタリの描き方に関しては今までもいくつか同様の講座がありましたが、今回は特にリアルな人物像を描くコツを、アタリから詳しく説明していきます。
リアル(本物らしく)描きたいなら、とにかく写真を見て描けばいい、と思っていませんか?
資料としてはとても大切ですが、最初から写真などの資料に頼りすぎると行き詰ってしまいます。
それは、基礎的な構造の理解を飛ばして、表面の人相・表情などばかりに目をとられてしまうからです。
まずは、アタリを通して構造を理解し、「何を・どこに描けばいいのか」を考えてみましょう
そうすることで、リアルな絵を描くときに目立ちやすいプロポーション(比率)の狂いに早い段階で気が付き、自力で修正することが可能になります。
「アタリの取り方」から「男女の描き分け」までを、リアルな人物を描くために覚えておくべきいくつかの比率も交えながら解説します。
実際の頭蓋骨は卵型に近く、とても複雑な形をしています。しかしアタリでは解剖学的に正確な頭蓋をいきなり描こうとするのではなく、シンプルな図形から実際の構造に似せて組み立てていくと理解しやすいです。
まずボール真ん中に極軸を通します。
次にボールに縦横の中心線を引きましょう。この縦の中心線は顔面の中心線に、横の線は眉の高さの目安となる線(眉線)になります。
ボールの両端を軽くそぎ落としましょう。顔のパーツはこの範囲内に収まります。
眉線の高さから顔の中心線を下におろし、鼻下とあごの位置を決定しましょう。
鼻~眉の距離を上に一個分伸ばすと髪の生え際の位置が決定します。
耳は眉線と、鼻下のラインを横に伸ばしたラインの間に収まります。
耳の位置からあごを通るように、▽(逆三角形)を頭蓋の球形に接続します。
補助的にこの▽のアタリを挟むことで、最終的なあごのラインを手癖ではなくより意識的に描くことができると思います。
▽に肉付けをするようにあごを描き足します。
男性:下あごの骨を感じさせるよう、やや角を意識して描くと良いでしょう
女性:あまり角ばらせず、まろやかな輪郭を意識します。
目の高さの目安となる線(目線)は頭頂からあごまでの距離の1/2位置が目安です。
両目の間の距離は、およそ目一個分と覚えましょう。
リアルな顔を描くとき、鼻からあごまでを1/3した位置に口が、唇の下の影の位置は
男性:鼻からあごまでの1/2
女性:鼻からあごまでの2/3
と覚えておくと、唇の厚みを意識したリアルな口元になります。
頭蓋骨は本来、上から見たとき縦に長い楕円形をしています。
髪を描き足す際に生え際と後頭部のガイドを描くと、頭部のボリュームに説得力が出ます。
これで完成です!
最後に改めて顔の中心線を描いてみましょう。一本線でうまく繋げますか?
中心線が歪む、一本で繋がらない、中心線を挟んで右と左でパーツに不自然さを感じるなどは、どこかで比率や形の取り方を誤っているのかもしれません。
あきらめず、粘り強く見直してみることをオススメします。
「よりリアルさを感じる絵」とは、単に資料そっくりに描かれたものでなく、今まで気が付いていなかった手癖が減らされ、意識的に描き分けられ、情報量を増やされた絵、ともいえるかもしれません。
やみくもに描きこむのではなく、まずはしっかりと自分の手癖と向き合い、どこにリアルさを感じているのか、どう描き分ければいいのかを考えましょう。
リアルな顔パーツの比率は、デフォルメのベースにもなるので基礎知識としてしっかり覚えておくことがオススメです。
次回は、正面、アオリなど様々な角度のついた顔のアタリの描き方と、よりリアルに見える描きこみのヒントについて説明します。
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皆さんのお絵かきの、「できた!」と思える一瞬のお手伝いができれば幸いです。