メイキングで学ぶ!失敗しない武器の描き方
2019.10.11
ファンタジー作品の必須アイテムである武器や防具。ゲームやマンガなど様々なコンテンツに登場する重要アイテムです。
今回は失敗しない武器・防具の描き方シリーズ、第一弾の「武器(大剣)の描き方」に引き続き、第二弾「盾の描き方」をテーマにメイキング形式でご紹介します。
▼目次

盾は一見平らな印象を受けますが、裏側で腕を通したり手で持ったりするため、湾曲していることが多いです。それを意識しながら形を決めていきましょう。
常に奥行きや湾曲の意識を持ちながら描くことによって、立体的で実際に存在していてもおかしくない、見やすいデザインになります。

大まかな輪郭を取りシルエットを決めたら、内部のデザインを決めていきます。
前回紹介した武器の描き方と同様に内部のデザインは日頃から様々なデザインを資料として読み込み、デザインアイデアをストックしておくと良いでしょう。

コツとして盾単体で描く場合、輪郭は気持ち太めにすると見やすいシルエットになります。

下塗りです。金色は明るめに塗りました。

今回の盾は金属の設定なので「金属の塗り方」で解説していきます。
まずは、大雑把に全体の陰影を決めていきます。はじめに全体の明暗をぼかしたブラシをかけましょう。

濃い色味を使って凹凸をつけていきます。

明るいところは消しゴムで色味を抜いて調整します。

ここからは細部の塗り込みをしていきます。
まずはバランスを見ながら焼き込みツールで、盾の左側の色味を暗くしました。

金属に深みを出す為、影色部分に赤みを足します。
今回はソフトライトを使っていますが、様子を見ながらオーバーレイなどでもいいでしょう。

スクリーンで紫を足します。これは全体の統一感を出す為で、仕上がりを大きく左右します。

細かいところに影を落として、ディテールをハッキリとさせます。
更に、線を茶系で色トレスをして馴染ませました。

盾の下部の着色に移ります。こちらは少し荒れた金属と設定します。
まずは全体的な影を落としましょう。

1段階暗い色で凹凸を作っていきます。

ハイライトを入れます。

スクリーンを使って、上部の金属に入れた紫と同じ色で差し色をします。こうすることで盾全体の仕上がりに統一感が生まれます。
特にハイライト部分、照り返し部分に差し色を入れると効果的です。

まずは濃い目の色で影を落とします。

立体感をつけるために明るい色を足します。

宝玉の透き通った感じを維持したいので覆い焼きカラーを使って、石の模様を描きました。

石に白でハイライトを入れます。

最後に仕上げです。
統一感を出すために「盾の塗り」で使用した紫を使い、オーバーレイで光感、スクリーンで空気感を出して完成です。

以上が金属の盾の描き方でした。描く時は厚み、重さ、質感に気をつけることを忘れずにしましょう。盾は面積が広く、描きにくいところをもありますがぜひチャレンジしてみてください。

フリーのイラストレーター。主に広告系イラストとソーシャルゲームイラストを制作させていただいております。
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