キャラクターを描くうえで欠かせない衣装、そして避けて通れないのが服などのシワの表現です。
人体のように決まりがなく、パターンもまちまち、苦戦する人は多いのではないでしょうか。しかし、いくつかあるコツさえ押さえてしまえばそれらしく見せることが可能です。とにかく小難しいことは排除してシンプルに考えましょう!
▼目次
シワができる場所
人間の体の構造上、服のシワが多くできる位置はだいたい決まっており、多くは肘、膝など関節に集中します。一部例外もありますが、ほぼすべてのシワは、関節から流れています。その流れに逆らったシワを描くと違和感として残ってしまうので注意しましょう。
また、例外ではありますが、ボタンの付近とおっぱい付近も、よくシワが描かれる部分です。この2つはイラストとしても描かれる機会が非常に多く、目にすることも多いと思います。
詳しく述べると引っ張られるシワというものに当たるのですが、理屈を説明するとややこしくなるので、何も考えずここにシワができる!と覚えてしまった方が楽です。
さらに、シワにはメインとして目立つ大きなシワ、あまり目立たない小さなシワがあります。その描き分けができると、もっとそれらしく見せることができます。
関節にできるシワはだいたいが大きなシワになり、さらには関節が曲がっているほどそのシワは大きくなります。そのほかは小さなシワとして、立体感や重力を表現するものとして存在します。
「X・Y・V」で描く、シワの形
シワの形は“X”“Y”“V”の字をしており、どのパーツの、どの部分のシワであろうと全てその組み合わせで表現できます。
肘などの関節部分のシワが集中した部分にはXのシワが多くなり、多少スペースができるとYのシワが多くなります。Vのシワはズボンなどに多くできます。
あと注意すべき点としては、一つの部分にシワは2~3つで十分です。それ以上になるとごちゃごちゃしてしまい、シワに見えなくなってしまいます。
シワの塗り方
服のシワは、塗りで影を付けることによって、よりリアルに表現できます。
シワは布などが凸凹になって山と谷になってできます。谷の部分は影になるのでそこを塗ればリアルな表現が可能になります。
まずは下地の影を大まかに塗り、谷の部分に影を付けます。その後、山の部分の影を削り立体感を出して完成です。山と谷の影を塗る際に混乱しないように光の元である光源の位置はしっかり定めて、どちらの方向から光が当たっているか分かるようにしておきましょう。
まとめ
以上の点をまとめると、
- シワができる位置を把握する
- シワには大きなシワと小さなシワがある
- シワの形は“X”“V”“Y”
- 服の種類や生地によってシワの大きさや厚みは変わる
以上のことに気をつけて描いてみてください。
なお、もう少し詳しい情報は私の著書『デジタルイラストの「身体」描き方事典身体パーツの一つひとつをきちんとデッサンするための秘訣39』の方を参考にしていただければと思います。
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目下”SCPの人”と化しているフリーランスのイラストレーター。
様々な絵柄を駆使し、カードゲーム「マジンボーン・データカードダス」「ディスク・ウォーズ:アベンジャーズ」のイラストや、4コマ漫画「BIOHAZARD THE TOON」の執筆、小説の挿絵などを手がける。また、絵の描き方本『デジタルイラストの「身体」描き方事典身体パーツの一つひとつをきちんとデッサンするための秘訣39』を執筆し、活動の幅を広げている。