剣をはじめ武器を持ったキャラクターを描く機会はあると思います。ですが、いざ描こうとしたとき、どこかポーズがぎこちなく感じてしまうことはありませんか。
そんなときは実際にそのポーズをとってみて武器の持ちやすさや、重さなどを考えると説得力のあるポーズが描けます。ということで、今回は武器をもったポーズについて考えてきます。
▼目次
武器を構えるポーズ
剣士を描く基本的なポーズの一つです。
右と左の例を見比べてみましょう。
左の例は剣を構えて両足を広げるまでは良いですが、腰が入っておらず重心が高いです。さらに上半身は垂直気味ですね。
この剣士の絵の目的を考えると、このポージングは敵を倒すためのポーズです。実際に敵が目の前いることを想像すると分かりますが、敵を倒すには素早く反応することが重要です。しかし、腰が高く重心が高いとなると、素早い反応は難しいですよね。
つまり、右の例のように剣士が剣を構えるときは、腰を落として前傾気味にすると自然なポーズになります。
斬りかかるポーズ
こちらは構えると異なり、動きがあるポーズです。
右と左の例を見比べてみましょう。
左の例は重心が高く、腰が入っていません。力が上に逃げており、斬りかかりたい方向への勢いがありません。また、剣の重みもあまり感じられません。
対して、右の例では重心が低く、前進しているように体の傾きがあります。このように動きのある表現は矢印を使って力の向きを捉えることで描きやすくなります。
さらに剣は重みがあるので、後からついてくるように描くとリアリティが増します。
合わせて、マントの描き方についても紹介します。
マントはキャラクターの動きに合わせて描きましょう。説得力のある描写になります。ただ、体を隠すとキャラクターの動きは伝わりにくくなるので、意図がない限り、あまり体の隠さないようにすると良いです。
重さを伝えるポーズ
ポージングによって重みも表現ができます。
左の例は比較的軽めの剣(小剣、レイピアなど)を持っているイメージです。姿勢良く、スッと立っている感じにすることで重みを感じないポーズになります。
右の例は重めの武器(大剣、棍棒など)を持っているイメージです。重さにより体が前傾するように描くと重みを感じるポーズになります。
ポーズの誇張表現
剣を片手に立っているポーズです。
左の例は実写に近い表現です。対して、右の例はイラストでよく描かれているポーズです。実際に右のポーズをするのはかなり無理があるのですが、キャラクターイラストとして単に直立するだけだと立ち絵姿としては物足りないこともあり、誇張表現として使われています。
まとめ
基本的なポーズは、実際の人を参考にするのが良いです。写真を撮ったり、資料集を見本に練習してみましょう。ただ、イラストとしての完成度や魅力を上げるには、その状況にあったデフォルメが必要です。色々なポーズを何度も描いて、アレンジしてみましょう!
著・画 なぎかわみん
フリーのイラストレーター。主に広告系イラストとソーシャルゲームイラストを制作させていただいております。
Twitter:https://twitter.com/utauta721