今回は立体感のある髪の塗り方をテーマにご紹介します。
髪は塗りは複雑に見えますが、イラストにするときは、いくつかのパーツに分け簡略化して考えると楽だと思っています。みなさまのイラスト制作にお力添えできれば幸いです。
▽目次
頭の位置と光源を捉えよう
産まれたままの頭部のモデルに登場してもらい、光源と頭蓋の位置を把握していきます。
光源は左側、モデルからみると前方からのライトを想定しています。
次に頭蓋の上部を8分割ほどに分割します。
見える部分では5分割ほどと思いますので、その部分に一番明るい部分と一番暗い部分、反射光の領域をとっておくと後々に立体感を出しやすいです。
束で髪を生やす
分割した部分を基準に髪を生やしていきます。
このとき、生え際や分け目がどこかを明確にしておくと自然な髪に見えやすいです。今回は少し風になびいている設定にしてみましたので、風の流れも意識してみます。
先ほど分けた5段階の明度で束を色分けしてみました。
おおよその光の当たり方が把握できたので、次はなじませていきます。
明部は一番明るい部分を基点に隣接する束の色、暗部も一番暗い部分を基点に隣接する束の色を置いていきます。
一番明るい、または暗い部分の色は適所色を選択します。
下地が出来たので、毛束の動きを意識しつつ頭蓋の丸から大きく外れないように塗り込んでいきます。
束と束が重なる部分を濃くしたり、光源からの光は光源から遠ざかるにつれて減退していくの狙っていきます。
最後にふんわりとエアブラシで頭部の丸みを意識して塗り足したものを乗算30%ほどで被せました。
基本の髪はこれで完成です。
遊び毛で柔らかさを加える
もう少し髪の柔らかさが欲しいので遊び毛を加えます。
髪の束の流れから大きく外れないように、生え際を基準として細めの束を生やしていきます。
遊び毛の位置が決まったら少し影を落とすといい感じになるかもしれません。
以上で完成です。
今回は単色での工程になりましたが、上から色を被せたり、いずれも明部と暗部を把握しておくことがポイントかと思いますので応用してみてください。
最後に簡単ではありますが行程をまとめてみましたので置かせていただきます。
ありがとうございました!
著・画 米野ヌキ
絵の勉強をしながらお仕事をしています。