こんにちは!フランスの漫画出版社Ki-oon(キューン)東京オフィス代表のキムです。
弊社は様々なオリジナル作品を刊行していますが、その中で、欧米人の作者による漫画も含まれています。漫画家になったスイス人女性が送るデジタルカラー講座をご紹介します!
▼目次
漫画「グリーンメカニック(Green Mechanic)」:テレパシー少女、変身ロボット。SF漫画の最強のコンビ誕生!
ヤミ・シン流 Clip Studio Paintでのイラスト制作過程
漫画「グリーンメカニック(Green Mechanic)」:テレパシー少女、変身ロボット。SF漫画の最強のコンビ誕生!
▲6巻表紙
ヤミ・シンは、スイス人の人気漫画家。現在弊社で漫画『グリーンメカニック』を連載しています。シリーズ6巻目の発刊記念にCLIP STUDIO PAINTを使ったデジタルカラー講座をシェアしてくれました。
『グリーンメカニック』はどんな話?
人間の狂気によって地球を廃墟と化し、唯一残った居住可能地域メガロポリスは、人間とロボットがひしめき合っている。その闇に潜む、人々から恐れられ、忌み嫌われる謎の生命体エルザッツ。
この混乱した世界にたった一人で生きている、テレパシー能力を持つ孤児の少女ミシャは自分の超能力を制御できずに、他の人間と暮らすことに苦悩していた。そんなある日、ミシャは記憶のない捨てられたロボット、リボーンと出会う――。
彼の力を借りて、ミシャは10年前エルザッツに襲撃され、行方不明になっている親友ミカエルを捜す決意。テレパシー少女と最強のロボットは、エルザッツの秘密を暴くために立ち上がる!
▼第一話の無料お試し読みはこちら(フランス語)
http://www.ki-oon.com/preview/greenmechanic/index.html
ヤミ・シン流 Clip Studio Paintでのイラスト制作過程
ステップ1:ラフを描く
まず、構成を考えながらいくつかの色を使って、イラストのラフスケッチを作成します。
ステップ 2:線画を描く
線画作業を行います。
Gペンだけではなく、いくつかのブラシを使用します。CLIP STUDIO ASSETSからダウンロードできる、以下のブラシを使用しました。
■植物を描くブラシ:
https://assets.clip-studio.com/ja-jp/detail?id=1625015
https://assets.clip-studio.com/ja-jp/detail?id=1713348
https://assets.clip-studio.com/ja-jp/detail?id=1724801
■星を描くブラシ:
https://assets.clip-studio.com/ja-jp/detail?id=1709356
https://assets.clip-studio.com/ja-jp/detail?id=1743159
線画に統一感が出るように、ブラシの調整を行います。ペンで描く主線にブラシの線の太さを合わせるほか、自分の画風と比べてディテールが細かすぎる場合や、逆に不足している場合などです。
いくつかのブラシについては、それをベースにして、自分の画風に合うように作り直すことがあります。
線画が完成したら、色のレイヤーを、[合成モード]スクリーンで重ねて、線画の色を変更します。
ステップ3:配色
ふんわり色を乗せます。前景のキャラクターなどの要素はべた塗りで、背景にはグラデーションで色を乗せています。
光源は上から来ているので、前景の要素の上に黄色など明るい色を重ねます。全体に統一感が欲しいので、影と光のコントラストはあまりつけすぎないようにします。
着彩のほとんどに、以下の色が混ざるブラシを選びました。
https://assets.clip-studio.com/ja-jp/detail?id=1382966
一部には水彩ブラシを使用して、水彩風の質感を与えます。
https://assets.clip-studio.com/ja-jp/detail?id=1805552
大体の色は決まりましたが、雰囲気が物足りません!ここからさらに、いくつかのフィルターと、塗りのレイヤーを追加していきます。
ステップ4:色味の調整
コントラストを抑えて、ノスタルジックな側面を与えるための効果を追加します。不透明度を低く下げた濃紺色のレイヤーを重ね、[合成モード]を[除外]に設定します。イラストの明るい色は黄色く、暗い色は青くなります。
色味を強調して、より質感のある水彩風のブラシで着彩を仕上げます。(以下の四角いブラシや、濡れた効果を与える別のブラシを使用しました)
https://assets.clip-studio.com/ja-jp/detail?id=1682349
髪に「ウェット効果」のブラシを使い、アナログの水彩紙のような効果を与えました。
ステップ5:レイヤーを統合する
気に入った雰囲気になったら、一度作品ファイルを複製して2つ保存します。1つはすべてのレイヤーが分かれた状態のままで保管し、もう1つのファイルはすべてのレイヤーを統合して、作業を進めます。
こうすることで、途中で問題が発生した場合、レイヤー構成を維持したファイルに戻って作業できます。注意しすぎることはありません。
レイヤーを統合することで、輪郭に加筆して、線画と装飾を馴染ませることができます。背景には特に効果的です。
ステップ6:画面に雰囲気を与えていく
さらに、小さな輝きの効果を与えるためにダストブラシを使用しました。
https://assets.clip-studio.com/ja-jp/detail?id=1583768
色調が満足いくものになったら、イラスト全体に少しだけ「ノイズ」の効果を加えます!
【POINT】仕上げにノイズ効果を追加する方法
CLIP STUDIO PAINTで、イラストの仕上げにノイズの効果を追加するには、以下の方法で行います。
①完成したイラストのclipファイルを複製して、バックアップを取っておきます。
②[レイヤー]パレットで、イラストの一番上に[新規ラスターレイヤー]を作成します。
③[フィルター]メニュー→[描画]→[パーリンノイズ]を選択し、ダイアログで[スケール]を「1」に設定して、OKをクリックします。
④[レイヤー]パレットで、合成モードを[オーバーレイ]、不透明度を20%ほどに変更します。
イラストに、ノイズの加工が合成されました。
ステップ7:仕上げ
仕上げに、小さな輝きの効果を追加して、[編集]メニュー→[色調補正]のコマンドで、コントラストと彩度をやや強調します(ノスタルジックな効果を失わないように、あまり強くしません)。
これで、「グリーンメカニック」第6巻のカバーイラストが完成です!
次回では、インタビューを通して、ヤミ・シンの漫画家になるまでの道のりをご紹介します!お見逃しなく。
ヤミ・シン先生のプロフィール
名前:Yami Shin
Blog : https://linktr.ee/Yamishin
Twitter : @yamishinoficial
Ki-oon出版について
Ki-oon公式ウェブサイト(フランス語のみ) : http://www.ki-oon.com/
東京オフィス公式TWITTER(日本語):@Kim_Ki_oon
東京オフィス連絡先:
住所:c/oフランス商工会議所
〒103-0023 東京都中央区日本橋本町2-2-2 日本橋本町YSビル、2階
メール:mochikomi@ki-oon.com
電話番号:03-4500-6668
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