背景イラストを描くときにはパースを引いて消失点に向かって収束させますが、このときに複数の消失点を用いるとリアリティのあるイラストになります。
今回は背景イラストレーターの有馬憲吾さんによる『【パース応用】1枚の絵に複数の消失点を置いてもよいの?消失点を増やしてイラストのリアリティを上げる方法!【Procreate】』の動画を元に、複数の消失点を置く方法をご紹介します。
使用しているのはiPadと有料のイラスト制作アプリのProcreateです。ご紹介する複数の消失点の置き方はCLIP STUDIO PAINTやPhotoshop、無料のお絵かきアプリでも応用できます。
どんな背景イラストにも活用できる方法となっていますので、是非参考にしてみてください。
▼目次
消失点について
消失点とは、イラストに遠近感を出すために置く点です。
一点透視の消失点とは
一点透視の消失点はアイレベルに一つです。アイレベルに対して水平に置き、消失点に収束するように線を引いていきます。
二点透視の消失点とは
物体を横向きに角度を変えて描く場合は二点透視を用います。アイレベルに消失点を二つ置き、消失点に収束するように線を引いていきます。
アイレベルは固定しよう
イラストの基準となるアイレベルを上下に動かすと、物体が斜め上や斜め下を向いてしまいます。角度が必要ないときにはアイレベルを固定して消失点を置くようにしましょう。
角度が必要なアオリ・俯瞰を描くときには三点透視を用います。それぞれ二点透視と同じようにアイレベルに消失点を二つ置き、さらにアオリの場合は画面上・俯瞰の場合は画面下に消失点を一つ置き、収束するように線を引いていきます。
複数の消失点のイラストの描き方
今回は一点透視の机とランプに、二点透視の本を置いたイラストを描きます。
一点透視で机とランプを描く
まず一点透視の消失点を決めておき、アイレベルと水平に机と紙の上辺を引きます。そして、消失点から机と紙の頂点を放射線状に引き紙の底辺を描きました。
同じ方法で机の上にランプを描き加えました。
二点透視で本を描く
次に、二点透視を用いて斜めにした本を描きます。
アイレベルに消失点を二つ置き、本の手前側の頂点から消失点に向けて線を引きました。
描画ガイドとパース
Procreateの場合は左上のアクションツールから描画ガイドをオンにし、「編集 描画ガイド」>「遠近法」で一点透視・二点透視のパースをそれぞれ作成できます。
線画と色塗りをして完成です。
あとがき
今回はイラストに複数の消失点を置く方法についてご紹介しました。日常の風景でも一点透視と二点透視が混在しています。そのため、イラストを描くときにも複数の消失点を置くことで、よりリアルな背景になります。
ご紹介した複数の消失点を置く方法を参考に、楽しんで背景イラストを描いてみてください。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!
さらに学びたい方は解説動画をチェック!
こちらの動画では詳細な解説を聞くことができます。より理解を深めたい方は是非ご覧ください。
記事元の作者:有馬憲吾
背景イラストレーターとしてYouTubeにてお絵かきに役立つ情報を発信しています。
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