画力を上げる基礎訓練の一つとして、時間をかけて目の前にある実物を描くデッサンがあります。鉛筆や木炭などを用いて濃淡で平面の紙に立体物があるかのように表現するデッサンは、「見る力」を鍛えるにはオススメの方法です。
今回は背景イラストレーターの有馬憲吾さんによる『デッサンって必要なの?個人的に思うデッサンのメリットを紹介します!』の動画を元に、イラストに活かせるデッサンの魅力を解説します。
▼目次
デッサンで見る力を鍛えられる
光と影の関係を意識できる
質感の違うモチーフ
デッサンで見る力を鍛えられる
デッサンをしていなくても絵を描くことはできますが、絵のアドバイスなどで「デッサン力が足りない」「デッサンの狂い」といった指摘があるとおり、デッサンは絵の根幹を支える基礎になります。
土台の基礎が崩れていると、絵全体の違和感にも繋がってしまいます。そのため、基礎を固めることが重要です。
コップを描く場合、フチが楕円になるように、底面も少し湾曲しています。記憶だけでコップを描くと、つい直線で描いてしまう方もいるのではないでしょうか?
物を正確に描けるかどうかで絵の説得力が増します。最初は気付きにくい部分ですが、デッサンを続けることで見る力が鍛えられ、角度の歪みにも気付けるようになります。
光と影の関係を意識できる
物には必ず、光が当たる部分と影になる部分があります。
明るい場所に置いた物であれば、光源から光が当たる部分が明るくなり、反対側に濃い陰ができます。そして、地面にできる物体からの落ち影や、地面からの反射光などが存在します。また、暗い場所でも光があれば物を見ることができ、陰影を捉えられます。
物の形や光が当たる方向、素材により、影の見え方も変化します。イラストを描くときにも光と影の描き方で印象が大きく変わるため、何となくのイメージで描いてしまっていた方はデッサンを通して光と影の付け方を意識してみてください。
質感の違うモチーフ
質感の違うモチーフデッサンをご紹介します。
金属製のモチーフを描く場合は光と影をはっきりと分けて硬質感を出しています。(参考 動画:1分7秒参照)
ガラス瓶の場合は光と影でガラスの透明感と厚み、映り込みなどを表現し、手の場合はグラデーションで明暗の差をつけて描き表しています。このようにデッサンは、モチーフの特徴を光と影で描く訓練になります。モチーフごとに質感を意識して取り組んでみてください。
あとがき
今回はデッサンの魅力について解説しました。デッサンには、見る力を鍛えて「物の形を正確」に「光と影を意識」して描けるようになるメリットがあります。
見たものを正確に描くだけではなく、デッサンの途中で得た形や光と影の気付きをイラストに反映することで、イラストの説得力を高められます。
デッサンは画力を上げるための基礎訓練ですが、継続することで習慣と知識が身につきます。デッサンに興味を持っていただけた方は、書籍やインターネットなどの情報を元にして自分に合う方法で是非チャレンジしてみてください。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!
さらに詳しく学びたい方は解説動画をチェック!
こちらの動画では、詳細な解説を聞くことができます。より理解を深めたい方は是非ご覧ください。
記事元の作者:有馬憲吾
背景イラストレーターとしてYouTubeにてお絵描きに役立つ情報を発信しています。
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