一枚絵イラストの魅力をグッと引き上げる詰め構図のポイント

一枚絵イラストの魅力をグッと引き上げる詰め構図のポイント

SNSで自分の描いたイラストを大勢の人に見てほしい、バズりたいと思っていませんか?

 

大勢の人の目を止めるには、一瞬で良さが伝わる見栄えが必要です。特にキャラクターイラストでは、一瞬で目を引く『構図』が映えるイラストのポイントではないでしょうか。

 

映えるイラストを描く表現のひとつとしてイラストのシーンやキャラクターの魅力を細かに伝えられる「詰め構図」があります。詰め構図によってキャラクターの状況やシーンの魅力が伝わり、見る人の目に留まりやすくなります。

 

今回は、新発売の『映え構図 センスに頼らず思い通りのイラストを描く方法』より、キャラクターイラストの魅力を引き出す、「詰め構図」の活用法を紹介します。

 

▼目次

詰め構図とは

詰め構図の基本

連続するモチーフを描く際の注意点

使いやすいモチーフ

抽象的な概念をモチーフにしよう

構図の活用方法

詰め構図の作例(屋内×植物)

詰め構図の作例(まとまったモチーフとデザイン)

 

詰め構図とは

詰め構図とは、色々なモチーフを敷き詰めて画面を埋めた構図です。敷き詰めるモチーフの描写や配置次第で、情報量の多い画面を効果的に作ることができます。

  詰め構図の基本    

詰め構図では敷き詰めるモチーフの選定と描写、詰める部分と抜く部分のメリハリの意識が大事です。

大きく女の子(機械だと一目でわかるように、またモチーフを詰めるために腕を除去しました)を置いて、花と機械のコード類で画面を埋め尽くしました。

 

壁に寄りかかっているということを示すため、画面の下側には花やコードを描かず、壁のヒビ割れを描いて場所の説明をしています。この部分が抜け感を作り、画面が重くなり過ぎることを防いでいます。

連続するモチーフを描く際の注意点

同じモチーフが密集している場合、すべてをコピー&ペーストで済ませると違和感が生じてしまいます。画面の中央や目立たせたい部分のモチーフは一つ一つしっかり描いて、画面の端など目立たない部分でのみコピー&ペーストを使用しましょう。

使いやすいモチーフ

花などの植物は密集していることが多いので、詰め構図に使いやすいモチーフです。中でも藤棚は分かりやすく規則的なモチーフなので、練習にも適しています。風鈴なども同じように上から垂れて密集したモチーフです。

抽象的な概念をモチーフにしよう

幾何学模様や抽象的な概念をイメージしたモチーフで、画面を詰めるのもおすすめです。また、イラストの意図を分かりやすく伝えるために、実際には増えるはずのないものを複数描いて敷き詰めるといった手法もあります。

「彼女にすごく愛されちゃって大変な彼氏」というシチュエーションを描いています。ボールプールのボールを全てハートとして描き、デフォルメした彼女を複数配置しました。彼女からの愛という抽象的な概念を、物理的なモチーフに置き換えて敷き詰めた形になります。

 

ここでも、ハートは角度や大きさをなるべく変えて描写して、彼氏がハートに埋もれている感を出すのが大事です。 

構図の活用方法

上のイラストのように、ボールを使わず女の子だけで埋め尽くしてしまうという手もあります。このような複雑なパーツを持ったモチーフを敷
き詰める場合は、多数のモチーフを赤やピンク、少数のモチーフを青で塗るなど、全体の色数を少なくして、モチーフ同士の色を補色でまとめるのもおすすめです。少数モチーフが抜け感を作り、画面全体が見やすくなります。

詰め構図の作例(屋内×植物)

屋内の観葉植物や花屋など、植物はさまざまなシチュエーションで使えます。すべて別の品種で描き分ける、描き切るのがポイントです。違う品種の植物や花で埋め尽くすことで情報量が増え、メリハリも生まれます。また、敷き詰められた植物の中に、1つ違うモチーフを配置するとそこが抜け感を作ります(このイラストでは窓がその役割を果たしています)。

詰め構図の作例(まとまったモチーフとデザイン)

人や物をデザイン風にまとめるのもオシャレです。線の太さを均一にすることで、大正レトロ風の世界観をまるごと詰め込んだような楽しげな雰囲気になっています。この場合、オシャレな枠やリボンを描き、背景にはパターン柄を置いて抜け感を作るといい感じにまとまります。

 

詰め構図は、敷き詰めるモチーフの選定と描写、詰める部分と抜く部分のメリハリの意識が大事です。構造を理解し資料を活用しながら、意図に応じた構図を選んで描いてみましょう。

まとめ

  • 詰め構図はイラストのシーンやストーリーを伝える時に効果的
  • 詰め構図は植物や抽象モチーフなどを活用し、構図のバリエーションを広げよう

 

続きは、『映え構図 センスに頼らず思い通りのイラストを描く方法』(著・いちあっぷ編集部 )にてお読みください。

※本記事は発売前の記載内容であり、WEB向けに一部調整しております。
その為、本書では一部内容が異なる場合がございます。

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