話題の8インチ液晶タブレット『raytrektab』で本格イラスト制作はできるのか? ポスター作りに挑戦してみた。

話題の8インチ液晶タブレット『raytrektab』で本格イラスト制作はできるのか? ポスター作りに挑戦してみた。

5万円以下で購入できる8インチ液晶タブレット『raytrektab』

 

スペックは以下の通りです。イラストのラフ制作や漫画のネーム制作では存分に活躍できますが、本格的なイラスト制作だとどうでしょうか?

 

 

CPU

インテル Atom x5-Z8350 プロセッサ(クアッドコア, 定格 1.44GHz, キャッシュ2MB)

デジタイザ

Wacom feel IT technologies デジタイザ4096階調, スキャンレート180Hz

メモリ

4GB DDR3L

ディスプレイアダプター

インテル HDグラフィックス400 (CPU内蔵)

ディスプレイ

8インチ液晶 (1280×800ドット表示/ マルチタッチ対応)

ストレージ

64GB eMMC

 

スペックの詳細はこちら

 

今回は、お菓子メーカーの20周年プロジェクトで「2020年に日本の主役となる20代、20組のプロジェクトリーダー」に選ばれ、今注目を集めているイラストレーター、上倉エクさんにご協力いただき、本格的なイラスト制作に挑んでみました

 

▼目次

『raytrektab』で本格的なイラストが描けるか挑戦してみた

 ラフスケッチで衣装デザインを作る

 raytrektabを使いやすくする制作環境を作る

 raytrektabで構図ラフから線画を描く

 raytrektabで彩色する

上倉エクのイラストメイキング

実際に印刷してみた

 『raytrektab』のレビューまとめ

 

『raytrektab』で本格的なイラストが描けるか挑戦してみた

今回の企画ですが『raytrektab』のスペックでポスター制作に挑戦し、本格的なイラストが描けるのかに迫る内容です。仕様は以下となります。

▽ 制作開始時の仕様

  • A2(420mm×594mm)
  • 300dpi
  • 使用ソフト:ペイントツールSAI2
チャレンジ企画ですね。ポスターサイズとなると、動作が重くなるといった影響が出やすくなると思うのですが……途中でソフトの動作が止まったりなど。
動作が重くなったり、ソフトが止まったりした場合はサイズを1段階下げてご制作ください。

今回の企画ではポスター作成を通して、どのくらい大きなサイズでイラストが描ききれるかというのも確かめていきましょう。
わかりました。

ラフスケッチで衣装デザインを作る

こちらがraytrektabです。
ありがとうございます。
早速ですが、描き心地はいかがでしょうか?

raytrektab

想像以上に軽いですね。

前評判を見ていたのですが、確かに紙に描いている感覚に近いです。
ペンタブレットで有名なWacomの技術協力もあるので、描き味はプロイラストレーターの感覚でも問題ないようですね。
ちなみに、今描いているのはデザイン画でしょうか?

raytrektab_上倉エクラフデザイン

そうですね。私はイラストを描き始める前に、テーマを決めて衣装デザインをしています。そうすることでコンセプトがしっかりと固まりやすくなります。

今回のテーマは「マリン」なので、海らしい要素をもったデザインをラフスケッチしてみました。

raytrektabを使いやすくする制作環境を作る

デザイン画ができました!ポスターイラストの制作に入っていきます。
……
どうしましたか?
普段はデザイン画を画面内に置くのですが、画面が小さい分、表示範囲がちょっと厳しいですね……
では、本格的に描くために、raytrektabをPCディスプレイに繋げてデュアルディスプレイで取り組んでいきましょう!

設定はこちら

raytrektabの制作環境

サブディスプレイ

作業スペースが小さいのでサブディスプレイを使ってデュアルディスプレイに。スペースを拡張できます。

 

イラスト作成はraytrektab、資料確認やイラスト全体のプレビューなどはサブディスプレイといった役割分担ができますよ。

キーボード

Bluetooth対応のキーボードです。

 

raytrektabだけだとショートカットが使えないので、キーボードを用意。作業効率アップできます。

マウス

Bluetooth対応のマウスです。

 

デュアルディスプレイにする際に、マウスなしでは隣の画面にウィンドウが移動出来ないので必須です。

変換ケーブル

raytrektabとサブディスプレイをつなげる際に必要です。あらかじめ、microHDMI(オス)-HDMI(メス)変換ケーブルが付属されています。持っているディスプレイがHDMIに対応していない場合は、対応している変換ケーブルを購入しましょう。

HDMIケーブル

変換ケーブルとサブディスプレイをつなげます。こちらもディスプレイに対応しているケーブルに合わせましょう。

画面を拡張させたので、資料確認もしやすくなりました!
本格的なイラスト制作では描きやすさも重要だと思います。もし環境が作れるのであれば取り組んでみるといいですね。

PCディスプレイがない場合でも、接続端子があればテレビで代用できますよ。

raytrektabで構図ラフから線画を描く

ポスターサイズであるA2でのチャレンジ、どうでしょうか?
A2サイズでも描けますね。細い線であれば問題なく描けます。

ただ、線を太くしたり、早いストロークで描くとペンの遅れが感じられます。
線描はおおかた問題ないようですね。

raytrektab_上倉エクのラフ

大まかな構図ラフが完成しました。ここから詳細を詰めたデザインを考えていきます。
……(カキカキ)
うーん、ラフの詳細を描くのは難しいですね……。
おーっと!どうしましたか?
画面が小さい分、ストロークが短くなってしまい、思い通りの線を描けず……。
なるほど、画面が小さい分、腕全体を使ったストロークが難しいですね。
私は腕全体を使って大きく描くタイプなので、少し苦労しそうです(笑)。

でも、普段から小さいサイズのペンタブレットを使っていたり、ペンタブレットを持っていない初心者の方であればそこまで気にならないと思います。
だとすると、線画作業も苦戦しそうですね。
そうですね。頑張って描いていきます!

raytrektabを使ってみた

……(カキカキ)
しかし、小さいタブレットならではですが、raytrektabを使うとキャンバスを回転せずとも、本体をすぐさま回転できるのはいいですね。ストロークしやすい向きに調整しやすいです。
一般的なタブレットではできないことですね。

raytrektabで彩色する

引き続いて、彩色です。ペン入れ作業は不慣れで多少苦戦されましたが、彩色はいかがでしょうか?
色を置いても動きますね。パーツごとにレイヤーを分けて塗っていきます。

――しばらくして

あぁ……、レイヤーが増えてくると動作が遅れてきますね……B3サイズに変更して動作を軽くします。
レイヤー枚数が多くなるとファイルサイズが大きくなる分、動作の負担が大きいですね。
ついでに少しテクニックについてお聞きしたいのですが、上倉エクさんの魅力のひとつは色彩センスかと思います。配色する際に意識していることはあるのでしょうか?
配色を決めるときは「メインカラー:サブカラー:アクセントカラー」の3種類で描くようにしています。
色数が多いと配色にまとまりがないからでしょうか?
そうですね。服のコーデとかと同じように、色数が多いと見せ方が難しくなります

raytrektabを使用レビュー

アニメ塗りで各パーツに乗算やスクリーンを2~3枚重ねましたが、無事仕上がりました!
お疲れ様です! 最終的にはA3サイズ(297mm×420mm)で、レイヤー数は合計で約70枚という結果になりました。

raytrektab_上倉エクのイラスト

△完成イラスト

上倉エクのイラストメイキング

上倉エク_イラストメイキング

長いストロークを使う詳細ラフや線画作業には時間がかかりましたが、A3サイズで一通り描くことができました。最後に総評としてはいかがでしたか?
思った以上に大きなサイズでも描くことができました。今回はSAI2のみを立ち上げての作業だったので、他のソフトなどを立ち上がり状況によって描けるかも気になりますね。

raytrektabは画面が小さく、画面を自由に回したり、直感的に描けるところが良いですね。場所を選ばないのも長所だと思いますが、描写範囲が狭いとやや苦戦するときがあると思います。
本格的なイラスト制作の一通りの作業はできるのですが、慣れていないとスピード感を持って描くのはちょっと難しいかもしれません。

個人的には、洋服のデザインや漫画のネーム作業といった落書きであれば、かなり有効的に使えるアイテムだと思います。

実際に印刷してみた

ポスター作成をひとつの目的に上げていたので、実際にraytrektabを使用して印刷をしてみました。

 

上倉エク_A3ポスター

 

A3サイズはiPhone7と比べるとこのような大きさになります。フライヤーなどで扱える大きさですね。

 

『raytrektab』の詳細はこちら

 

Amazonで購入する

 

raytrektabのレビューまとめ

以上、上倉エクさんにご協力の元のレビューでした。

 

レビュー内容をまとめると、

  • A3サイズで本格的なイラストを一通り描くことができた!
  • 作業画面が小さい分、制作スピードが落ちがちだが、一通りの制作は可能
  • どこでも気楽に漫画のネーム作業やデザインのラフスケッチができるのも良い

 

印刷する予定もなくSNSなどにアップロードする分には、A3サイズで描く必要はありません。同人誌などを作る場合でも、A3より小さい、B5やA5といったサイズなのでraytrektabで描ききることも可能かと思います。

 

これからデジタルイラストを始めてみたいという方や、どこでも気軽に落書きをしたい経験者の方にはちょうどよいアイテムなので、raytrektabが気になった方は特設サイトをご覧ください。

 
 

『raytrektab』の詳細を知りたい方は以下のボタンからどうぞ!

Wacom feel IT technologiesを搭載した筆圧感知ペン付き8インチタブレット。

4096階調の精細な筆圧感知とレスポンスの良さは、まるで本物の紙に描いているようななめらかな描き心地を感じさせてくれます。

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