今回は、主に背景イラストレーターとして活躍しているオチカさんによる、木の描き方をご紹介します。それではどうぞ。
「楽」をすることは悪いことではない
絵を描く工程で一番手間を省きたい箇所、それは「ラフ」を描くときではないでしょうか。
例えばクライアントから指示書が来たとき、アイデアのラフをいくつも用意します。
そうしておけばクライアントがどんな絵をほしがっているか把握がしやすくなり、結果として作業全体がスムーズになるからです。
ラフである以上、時間を多くはかけられません。かといって雑すぎると情報が上手く伝達できません。そんなときに私がよく使う極力手間を省いて「それらしく』見せる方法をいくつかこっそりと紹介します。
今回は、背景イラストの定番要素である「木」をお手軽に制作する方法をご紹介。皆さんもこっそり使ってみましょう。
使用ツール:Photoshop
専用ブラシを作るのが秘訣
1本の木に対し、細かに葉を生やすのは手間のかかる作業です。
そこで、葉っぱのブラシを作って作業効率を図ります。
このように葉っぱの集合体に見えそうなブラシサンプルをちゃちゃっと作ります。
設定はこちら。
大きいキャンパスサイズでも使用できるように、500×500pxで作っておくと扱いやすいです。
こちらから葉のブラシをダウンロードできます
幹と枝を描く
適当に幹と枝をそれっぽく描きます。
枝を描く際、いくつも枝分かれさせておくとよりそれらしく見えますよ。
葉を描く
作った葉のブラシでベースとなる葉をササっと描いていきます。
このとき、いくつも葉の塊があるように塗るのがコツ。あっという間に木らしく見えてきます。
葉を一枚一枚で考えるのではなく、「塊」で考えるのが塗りのコツです。
葉に影を入れて立体感を出す
葉に影を付けて、立体感を付けていきます。
まずは、葉を描いたレイヤーの上に新しいレイヤーを一枚作り、オプションメニューから「クリッピングマスクの作成」を選択してマスクを適用します。
その状態で光源を決め、一段階彩度の高い緑を影になりそうな場所に重ねるように塗ります。
ハイライトを入れると、「木」らしさがUP!
これだけでも十分木らしく見えますが後少しだけ手を加えます。
太陽光の一番あたりそうな部分に、彩度の高い緑をハイライトとして上から重ねて塗ります。
影と相まって、葉の立体感がグッと上がります。
「幹の塗り方」
最後に、木の幹にもそれらしく見える工夫をします。
方法は少し彩度を落とした色を使い、歪んだ線を引くように影を入れることです。
すると、樹皮のゴツゴツとした質感を表現することができます。
まとめ
これだけ手間を省いて木を描く重要なポイントは、
・葉をブラシ化して工数削減
・葉を1枚ではなく塊として捉える
ことです。
それらを踏まえ、
1.ベースとなる色を最初にはっきり決めておく。
2.影を入れる
3.ハイライトを入れる
の手順で描くことにより、貴方の絵は格段にスピードアップするはずです!
ぜひお試し下さいね。
著・オチカ
pixiv http://pixiv.me/otika0519
Twitter https://twitter.com/Mohawkhairstyle
フリーランスの背景イラストレーター。彩度高めのファンタジー系イラストを得意としています