セオリーとパターンを覚えよう!色の選び方(前編)
2018.07.31
前回講座では、ある程度のセオリーに沿った迷わない色選びの方法を紹介しました。今回はそれを活用し、より見栄えが良い色選びを解説していきます。
前回の「セオリーとパターンを覚えよう!色の選び方(前編)」を併せて読むとより理解が深まりますので、興味があれば是非ご覧下さい!
<目次>
差で目立たせる
無彩色
明度による配色を行う際の注意
ポイント「背景色から決める」
まとめ
色が目立つのは周りと大きな差がある時です。明度(色の明るさ)、彩度(色の鮮やかさ)、色相(色の種類の違い)で差をつけるのが分かりやすいです。
例えば暗い色の中に一つだけ明るい色があると目を引きます。このように自分のイラストのどこを注目させたいかによって色に差をつけてメリハリを出しましょう。
白や黒、グレーなど、彩度の低い色の事を無彩色と言います。無彩色はその他の彩度のありとあらゆる色と相性が良く、アクセントやそのほかの色のバランスを取る色として重宝されます。
ただ、無彩色を多用しすぎると色彩の無い単調なイラストになってしまうので注意しましょう。
特にグレーは、色相と明度の影響を受けやすく、微妙な色彩を出しやすいです。ただの無彩色なグレーとして使うより、少しだけ赤や青、黄色が混ざったグレーとして使うと、より着色にバリエーションが増え、魅力が一層引き立たせます。
色の明るさによって配色を行う時に注意したい点が2つあります。一つは、明るい場所では光らないということ。
覆い焼きレイヤーや発光レイヤーによって、どこかを光らせる演出をしたいという人にありがちなのですが、光らせる場所以外の部分も明度が高い色を使っており、光の演出が目立ちにくくなってしまっていることが多いです。
昼の晴れた空に花火を打ち上げても目立たないのと同じで、明度の高い場所を光らせても効果は薄い事を覚えておきましょう。
もう一つは、明度の低い色は彩度と色相の違いがわかりづらいということ。暗い場所だからといって、明度の低い色を多用しても、単に「見えづらい」だけになってしまいます。
極端に言ってしまうと明度60以下は全部黒です。明度0と60を並べればさすがに違いが分かりますが、そういう演出でもない限りは避けましょう。
先にキャラクターの色を決めて、後から背景の色を決めると、なぜか背景無しの時よりキャラの色に違和感が残った経験がある人も多いと思います。
これは、キャラクターを描いている時の背景色が白なので、背景に別の色を乗せるとマッチしない状態になってしまっているからです。
この場合は、背景の色から先に決めてしまうと違和感なくキャラクターの配色ができます。これに限らず、すべてのイラストは背景から色を決めてしまえば手間が省け、スムーズに色を選べるのでオススメです。
以上の点をまとめると、
以上のことに気をつけて描いてみてください。
なお、人物やキャラクターの描き方については私の著書『デジタルイラストの「身体」描き方事典身体 -パーツの一つひとつをきちんとデッサンするための秘訣39-』の方を参考にしていただければと思います。
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目下”SCPの人”と化しているフリーランスのイラストレーター。
様々な絵柄を駆使し、カードゲーム「マジンボーン・データカードダス」「ディスク・ウォーズ:アベンジャーズ」のイラストや、4コマ漫画「BIOHAZARD THE TOON」の執筆、小説の挿絵などを手がける。また、絵の描き方本『デジタルイラストの「身体」描き方事典身体パーツの一つひとつをきちんとデッサンするための秘訣39』を執筆し、活動の幅を広げている。