いつもキャラ絵が棒立ちになっていませんか?
躍動感ある自然なポーズを描くには、秘訣があるのです。
それは「コントラポスト」と呼ばれる視覚芸術を知ること!
この講座ではコントラポストの要素を使った、より躍動感のある立ちポーズとその発展について説明します。
基礎知識とポーズの練習の方法を学んで、魅力あふれるキャラクターイラストを描けるようになりませんか?
コントラポストとは
コントラポストとは、重心の大半を片足にかけて立っている人物を描いた、視覚芸術を表す用語です。人物が美しく見えるポーズと言われています。
コントラポストには決まりがあって、肩と腰の傾きが相反。
そして、重心がかかる方の腰が上がり、重心は片側に偏ります。特に肩と腰の傾き、背骨の曲がり方(S字)、重心の位置に注目しましょう。
肩と腰の傾きでポーズの印象が変わるのが分かりますね。
肩と腰の傾きでポージングによる印象をコントロールできる
傾きが同じでも、傾きの角度(重心の偏り具合)によって印象が異なります。
例として「休め」と「モデル」のポーズを用意しました。
■休めのポーズ
- 重心がかからない脚は投げ出されるようになる
- 片側に重心が偏ることにより、ゆるい力の抜けた印象
■モデル立ち(モデルポーズ)
大きく体をくねらせることにより、セクシー、スタイリッシュなどといった、より印象的なポージングに導くことができます。
2つを比較すると、モデル立ちの方が腰と肩の傾きが大きいことがわかりますね。
「腰と肩の傾きが大きくなる→胴の動きがより大きくなる→体全体がS字状に曲がりくねる」というふうに捉えると良いでしょう。
これを応用してさまざまな立ちポーズが描けます。
後ろ姿を描くときも肩と腰の傾きをつけるだけで動きのある印象になります。
緩やかなポーズも重心を少し傾けるだけで印象的になります。体格に違いがある場合も、基準となる肩と腰の傾きの捉え方は一緒です。
肩の傾きに連動した腕の描き方
腕に動きを加える場合、肩が上がっている方の腕を上に持ってくるとより自然な流れとして魅せることができます。
逆に肩が下がっている側の腕を上げるとぎこちない印象になり、自然に見せるには上図右のような腕の角度までが限界です。
腰、肩の傾きからポーズを導く方法
腰の傾きが決まれば、自ずと肩の傾きも決まりますので、重心の位置、腕の位置なども決めやすくなります。
上の図の場合、左足に重心がかかりますので、自ずと右肩が上がります。それに沿って胴体の曲がり方、腕のポーズなども導くことが出来ます。
コントラポストの練習の仕方
まずは筋肉の厚み、動きなどを無視してください。
はじめのうちはいきなり3,4の段階から描くことは難しいので、まずは1、慣れてきたら2の段階から練習を始めましょう。
必ず体全体の大まかな動きを捉えるようにするのがコツです。
最初のうちは筋肉の動きや手足のパース感にとらわれて上手く描けないと感じることが多いと思います。
そのポイントよりもまずは全体で見たときどのように動くのか、重心がどこにかかるのか、そこに注目しましょう。
体に厚みをつける場合も、まずは大まかに考えましょう。
手足は円柱、胴はこんにゃくのように動くと考えるとわかりやすいです。
上図のような物体を練習することによって、胴の曲がり方、手足のパース感を身につけることが出来ます。
まずは簡単なアタリで描き出してみましょう。
その後、ひねり、かがむなどの動きを加えたり、脇の下や股間のつながりを考えたりするときに初めて筋肉のつながりが必要になってきます。
まとめ
- コントラポストは、肩、腰の傾きに気をつけよう
- 体全体の動きをイメージしてから描こう
- 練習をするときは、まずは簡単な形でイメージしよう
この3つを押さえれば、動きが大きいポーズを描く際も複雑になりにくく、よりスムーズにイメージがしやすくなります。
ポーズを練習するとき、筋肉の動きなどがどうしても気になるかと思いますが、ポーズの要は「体全体の動き」です。
まずは全身がどのように動いているかをイメージできるようにしましょう。
著・画 kyachi
pixiv|http://pixiv.me/pepepo
Twitter|https://twitter.com/chipepepo
イラストレーター。
現在は主に書籍での執筆、挿絵を担当。専門学校講師としても活動中。
主な著作物
執筆
- 超描けるシリーズ ドレスの描き方
- キャラクターの色の塗り方
- 動きのあるポーズの描き方 東方project編 東方描技帖
- 動きのあるポーズの描き方シリーズ
メイキング製作
- 東方秘技帖
- 東方色技帖
(すべて玄光社刊)