キャラクターデザイナー。それはゲームやアニメの顔となるキャラクターを創り出す仕事。ただ自由にキャラクターを描くのではなく、世界観やストーリーから設定を読み取り、それをビジュアルとして表現するキャラクターを描いていく必要があります。
その作業に必要なテクニックや考え方を、ゲームならではのキャラクターデザイン論をもとにご紹介します。『ゲームキャラクターイラスト上達講座』からの特別掲載です。
▼目次
指示書に沿ってキャラクターを考える
指示書とはクライアントが求めるイメージを、図や文章で示したものです。仕事としてゲームイラストを描く場合は、ポイントを的確に押さえ、絵に落とし込むことが求められます。
▽例:乙女ゲームのキャラクター指示書
- 無口でクールな上司キャラ
- 名前:賀正院 寿
- 性別:男性
- 年齢:20代前半
- 性格:無口でクールな上司
- 必須項目:眼鏡をかけさせて下さい
ざっくりと、上記のような指示書がクライアントから来たとします。イメージ資料として写真が添えられている場合もありますが、細かい部分は作家の想像力で補う必要があります。
指示書からの連想法
ゲームジャンルから連想する
「乙女ゲーム」の指示書なのでターゲットなるプレイヤーは10代~30代の女性です。その層が好むような男性像を考えます。今回は清潔感ある中性的なイケメンをベースに想定しました。
名前から連想する
苗字が豪華なので、名家やお金持ちであることが連想できます
性格から連想する
「無口」というキーワードから、口を大きく開けない、表情があまり変化しないなどの、表情レパートリーが考えられます。さらに「クール」という言葉から寒色系の色合いが連想されます。そして「上司」という言葉から、会社、スーツ姿、髪型はきっちりめなど、も考えれますね。
必須項目から連想する
「眼鏡」は知的さを感じさせるので、知的な表情を付けることにします。立ち姿の場合は、眼鏡を活かしたポーズが良いでしょう。
以上のように、指定=制作意図として捉え、指示書から制作者のこだわりポイントを汲み取りましょう。ポイントを押さえることで、イラストの採用率が上がります。指示書の必須項目が複数ある場合、要素の抜け漏れがないかイラスト提出前に必ずチェックしましょう。
画面に密度を与えて、豪華さを演出
ソーシャルカードゲームでは「豪華な印象を与えるイラスト」が求められます。豪華さを演出する方法のひとつが「イラストの密度を上げる」ことです。要素が詰まった印象に仕上げるにはどうしたらいいのか、そのコツについて解説します。
衣装を豪華にする
シンプルな無地の衣装ではなく、柄や模様を追加して衣装を豪華にし、密度を上げてみましょう。金属の衣装を入れるとそれだけで豪華な印象に見えます。
透け感のある布など、同じ布でも素材感の違うものを入れると要素が増えて密度がアップします。
隙間を埋める要素やモチーフを増やす
髪の毛を風になびかせてみたり、リボンなど動きの出る装飾を付けるのも良いでしょう。余白を埋めつつ動きをプラスしましょう。
衣装やマントなどもなびかせることで余白が埋まりキャラクターの迫力を出してくれます。またエフェクトを入れることで画面を華やかに盛り上げることもできます。
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