身体の仕組みから考える! 動物の描き方に役立つ知識
2017.02.22
獣人と一口にいっても様々なパターンがあります。
人間に動物の特徴を加えたものから、モンスターや二足歩行の動物キャラ、可愛らしいマスコット風のキャラクターまで。
ここでは動物の基本的な知識を交え、特に違和感が出やすい「ヒトの骨格」に「リアルな動物の頭」を融合したタイプをメインに解説します。
▼目次
実在しない空想生物を描くといっても、モデルになっている生物を知らないと説得力のあるものは描けません。
まずは「人間」と「描きたい動物」の基本を知りましょう。作例は人間と犬の構造を描いたものです。
手足や頭部の他に、胴体の形も違います。頭から見ると、人間はヨコに長く、動物はタテに長いです。この違いによって他の構造も変わり、立ち姿のシルエットが大きく変わります。また、動物は前に突き出た頭を支えるために首が太くなっています。
骨格の違い・共通点についてもっと知りたい方は、こちらが詳しく解説されているのでご覧になってください。
普段、人間キャラクターを描いている方は、人間の描き方を応用して、動物の顔を描くと違和感を抱くのではないでしょうか。
人間の顔に動物の突き出たマズル(鼻・口)を加える描き方もありますが、マズルが長くなると違和感が出てきます。
デフォルメが強ければいいのですが、リアルさを求めるとちょっと難しくなります。
平面的な人間の顔と、立体的に突き出た動物の顔は、全く違うバランスだからです。また、人間は「首に頭が乗っている」感じですが、動物は「頭と首が一体である」と考えると描きやすくなります。
少しだけ唇を描くと生き物っぽさが増します。
目の形は肉食動物と草食動物でも変わりますが、三角形を基準にするとわかりやすいです。
動物の形は千差万別なので、描きたい動物の写真をしっかり観察してみましょう。トラとライオンにも模様やタテガミ以外の違いがありますよ。
次は、キャラクターとしての表情のつけ方を考えてみましょう。
動物は観察してみると意外と表情豊かです。ポイントは「眉を動かす筋肉の凹凸を描く」ということです。実際よりもデフォルメして大げさに描きましょう。
動物にも人間同様「白目」があります。本来はほとんど見えないですが、この白目を見えるようにすると「人っぽさ」を感じられる顔になります。逆に、白目を見えなくすると動物らしい顔に見えるかも知れません。
顔が描けるようになったら、いよいよ「獣人」として人間の体と融合してみましょう。
最初に述べたように、人間と動物ではシルエットか大きく違います。動物の多くは首が太いので、なで肩にすると馴染みやすくなります。人間と動物のつながる部分をグラデーションにするように、少しずつ馴染ませましょう。
そして忘れてはいけないのが、獣人の醍醐味とも言える「モフモフ」です。
獣人は外から見えるシルエットがそのまま肌とは限りません。毛の長さは部位によって異なります。服を着せた際には襟元に毛が乗っているようにするとモフモフ感を維持できます。
ここまでくると、手足も獣っぽくアレンジしたくなりませんか?
人間の手足を毛で覆うだけではなく、元の動物と融合させてみましょう。
動物界でも物がつかめる猫やクマの手は人間と似ている部分があるので参考になります。
生活様式やファッションをイメージして獣人をデザインしてみるのもいいかもしれません。この動物の足に履かせる靴はどんなデザインかな、と考えるのも楽しいですよ!
今回紹介したのはあくまで個人的な一例です。
獣人は実在しない生物なので「これが正解」というものはありません。融合する箇所や度合いを組み合わせたり、複数の動物の特徴を盛り込むのも自由です。あなた好みのバランスを探してみてくださいね。
WEB:http://arcadia-goat.tumblr.com/
筋肉と獣人と少女が好きなフリーのイラストレーター。PBWやソーシャルゲームでモンスター・人外・筋肉・男性を中心に描かせていただいております。