目はキャラクターの印象を決める重要なパーツ。皆さんもキャラクターを描くときに、試行錯誤している要素だと思います。その中でもお気に入りのクリエイターの塗り方を参考にしている人は多いのではないでしょうか。
今回はその中で、『放課後のプレアデス』や『ファンタジスタドール』などに参加し、今、大きな注目を集めているイラストレーターのAnmiさんの目の塗り方テクニックについて迫りました。
CGイラストの手法に正解はありませんが、一流のプロイラストレーターがどのような塗り方をしているのか是非参考にしてみてください。
※こちらの記事は株式会社ビー・エヌ・エヌ新社より発行の『Let's Make ★ Character CGイラストテクニックvol.9』の一部を再編集したものです。
▼目次
ご紹介するメイキングイラストの完成形
使用するブラシ設定
瞳の塗り方の基本
はじめに瞳を塗る基本についてご紹介します。
上図は瞳を描く際に分かりやすく塗り分けをしたものです。アウトラインの下と赤い点線より上に描画したグレーの部分は、まぶたの影として描いています。
使用ツールはSAI。描画するツールは、「筆」とカスタム「ペン」ツールで、広い面積は「筆」ツール、狭くて鋭い部分は「ペン」ツールで描いています。
ここでは今回のイラストに合わせてブラウン系の色を使いました。描き順は、その時々で前後することもあります。
1.筆ツールでベタ塗りに
「筆」ツールを使い、基本色で瞳の中を塗りつぶしました。
2.瞳孔を描き入れる
「筆」ツールを使い、基本色より濃い色で明暗を表現し、瞳孔も描き入れました。まぶたの上はカスタム「ペン」ツールを使います。
3.瞳に色味を入れる
「筆」ツールを使い、明暗の境界線をより暗くし、暗い部分(まぶたの影)は彩度を落とした色で塗ります。瞳孔もはっきりとした色で描画しました。
4. 瞳の色味に差し色を
「筆」ツールを使い、まぶたの影の中に、ブラウン系とはあまり関係ない色味を少し加えても面白いです。
5.ハイライトを強調
「筆」ツールを使い、ハイライトを強調しました。
6.まぶたの影を描き入れる
カスタム「ペン」ツールを使い、白目の中にもまぶたの影を描き入れ、肌にも影を描画しました。
瞳の塗り方の手順まとめ
以上が基本編です。次の章では、この手順を元にメインとなるイラストの瞳を塗っていきます。
目の塗り方-メインイラスト-
瞳の塗り方
まぶたの上のアイライン部分の色は、1色だけでなく髪の毛や瞳から色を取ったりして色を重ねて描画しました。アイラインの端はカスタム「ぼかし」ツールで少しぼかし、左右1つずつ瞳の暗いほうの色で、上へ跳ね上げるようにラインを加えています。
さらに、瞳の明暗と境界線、アイラインを塗ります。
瞳に明暗の境界線を暗めの色で描画しました。
瞳に赤い差し色と、白いハイライトを描画します。
眉の描き方
ここで、眉毛も描いておきます。眉毛は髪の毛から色を取り、シンプルに描きました。
肌に馴染む、白目の描き方
白目を描画し、不透明度下げます。
少し濃いグレーを使って白目の中に、まぶたから落ちる影を描きます。
まぶたと白目が接する部分は、少し明るめのグレーで描画し、反射光のような表現を加えました。
合成モードを「乗算」にすると、下のレイヤーに表示されている色と掛け合わさるため、肌と白目の色が馴染みます。
キャラが生き生きする、チークの入れ方
ほほにチークを入れます。描画にはピンクの「エアブラシ」ツールを使用します。チークがないとキャラクターの顔に生気が生まれないため、元気がよかったり、動きのあるイメージのキャラクターを描くときは必ず描き込んでいます。
さらに、チークの線画をピンクに塗りました。線画レイヤーに「不透明度保護」のチェックを入れているので、線画以外の部分には色が塗られません。チーク以外の線画の色まで塗らないようにするのが目的です。
以上で、目の着彩が完成です。
完成イラストまでメイキングを知りたい方は『Let's Make ★ Character CGイラストテクニックvol.9』をご覧ください!
今回はAnmiさんの目の塗り方を特集しました。完成までの手順を知りたい方は株式会社ビー・エヌ・エヌ新社より発行されている『Let's Make ★ Character CGイラストテクニックvol.9』で読むことができます。
ラフ画の作り方や線画の描き方、そして肌や髪、服の塗り方など学びたいところが盛り沢山です。他にも人物と背景描写にフォーカスしたメイキングもありますよ。
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