骨格や筋肉をチェック! 腕と手の描き方講座

骨格や筋肉をチェック! 腕と手の描き方講座

「何かがおかしいけど、どこを直していいのかわからない」ということありませんか? 一人で勉強しているとなかなか気づきにくいものです。そこで描くためのチェックポイントを用意しました。

 

今回は腕・手がテーマです。イラストを描く際の簡易的なものとしてご参考ください。 

 

▼目次

腕の描き方

 腕を描くのにチェックしたい骨格

 腕を描くのにチェックしたい筋肉

 腕の描き方メイキング

手の描き方

 手を描くのにチェックしたい骨格

 手を描くのにチェックしたい筋肉

 手の描き方メイキング

 

 

腕の描き方

腕を描くのにチェックしたい骨格

まずは腕の骨格を大まかに覚えておきましょう。腕を描く基本となります。

 

骨格は複雑なので、絵を描く上で特に必要になる部分、シルエット化しやすい部分をデフォルメしています。

腕の描き方

覚えておきたいのは、手首は輪切りにすると楕円であること。そのため、見え方によって太く見えたり、細く見えたりします

腕を描くのにチェックしたい筋肉

腕の描き方

腕を描く上で注目したいのは下記の5つです。

  • 三角筋(肩の筋肉)
  • 上腕二頭筋
  • 上腕三頭筋
  • 腕橈骨筋[わんとうこつきん]
  • 長橈側手根伸筋[ちょうとうそくしゅこんしんきん]

これらは腕を伸ばしたり、曲げたりする筋肉なので描くときにシルエットして現れます。つまり、5つの筋肉の意識することで腕のシルエットが分かりやすくなり、腕が描きやすくなるのです。

腕の描き方メイキング

骨格と筋肉の内容を踏まえて、メイキング形式で腕の描き方を押さえていきます。腕の描き方は様々ありますが、その中の1つとしてお考えください。

 

メイキングでは、

  • 正面を描いたAパターン
  • 構図を効かせたBパターン

で進めます。

1.腕の動きを決める

腕の描き方

まず、腕の動きを決めます。

肩・ひじ関節・手首の3点の位置を決め、アタリを取りましょう。肩~ひじ:ひじ~手首はおおよそ1:1の比率です。

2.ひじの見え方を算出する

腕の描き方

ひじの見える角度は、

  • 身体の角度
  • 手首の角度

に左右されます。

 

ひじ裏は手首より回転が遅れるため、細かい角度を導き出すのは念入りな観察が必要ですが、大まかにこの方法で算出できます。

 

  1. 肩の手前部分(画像の青い点)から、「親指」にかけて線を引きます。
  2. 肩の裏部分(画像の赤い白点)から、「小指」にかけて線を引きます。このとき、2本の線はリボン状だと想定しながら引くと良いでしょう。
  3. この2本の線の幅が、ひじ裏の幅になります。

3.腕の筋肉を描く

腕の描き方

 

「腕を描くのにチェックしたい筋肉」をもとに筋肉を描いていきます。

  1. まず、三角筋を描きます。
  2. 三角筋の付け根(上腕二頭筋と上腕三頭筋の境目)は、おおよそひじ裏を描くときに使用した2本線の真ん中に位置します。
  3. 青い点~ひじ裏にかけて、上腕二頭筋を描きます。
  4. 赤い白点~ひじにかけて、上腕三頭筋を描きます。
  5. ひじ~親指にかけて腕橈骨筋&長橈側手根伸筋を描きます。

手の描き方

手を描くのにチェックしたい骨格

手の骨格も大まかに覚えておきましょう。

手の描き方

ここで覚えておくべきポイントは2つあります。

  • 指の骨が手首を起点に生えている
  • 指の第二関節のシルエットは大きい

手を描くのにチェックしたい筋肉

手の描き方

目立って見えるのが、親指の付け根の筋肉群と小指の筋肉群です。この部分に注目すると描きやすくなります。

手の描き方メイキング

骨格と筋肉の内容を踏まえて、メイキング形式で手の描き方を押さえていきます。手の描き方は様々ありますが、その中の1つとしてお考えください。

 

メイキングでは、

  • 正面を描いたAパターン
  • 構図を効かせたBパターン

で進めます。

1.手のひら・手首のアタリを取る

手の描き方

指を描く前に、「手のひら」と「手首」の形状を大まかに決めた方が描きやすいです。

2.指を描く

手の描き方

指の形状は複雑なのでリボン状に考えます。

 

重要なポイントは2つです。

 

ポイント1:手首を中心に指が広がっている。

指の骨格と同じように、このリボンも手首を起点に扇状に広がっています。

 

ポイント2:握ったときの指の動き

基本的に無理な力を込めていない場合、指は小指側の方から先に閉じていきます。つまり、自然な手の状態では小指が一番曲がった表現となります。

3.指の関節を描く

手の描き方

指の関節のアタリを取ります。ここで重要なのは、第二関節が膨らんでいる点です。

4.手の筋肉を描く

手の描き方

親指と小指の筋肉のアタリを取ります。

 

最後にアタリを元に線画を描いて完成です。

著・画 ゼロモモ

pixiv|https://www.pixiv.net/member.php?id=5764826

Twitter|https://twitter.com/zeromomo0100

参考文献

『スカルプターのための美術解剖学 -Anatomy For Sculptors』著:アルディス・ザリンス、サンディス・コンドラッツ

『モルフォ人体デッサン 形態学による人体を描くための新テクニック』著:ミシェル・ローリセラ