「何かがおかしいけど、どこを直していいのかわからない」ということありませんか? 一人で勉強しているとなかなか気づきにくいものです。
そこで描くための役立つポイントをご紹介します。今回は脚・足にテーマです。イラストを描く際の簡易的なものとしてご参考ください。
▼目次
脚を描くのにチェックしたい骨格
まずは代表的な骨格を覚えておきましょう。脚を描く基本となります。特にヒザやくるぶしは脚のシルエットに影響してくる部分なので注目です。
これらを元に脚を描くときに役立つ、2つのポイントをご紹介します。
描くときに役立つ、膝の描き方
ヒザを曲げると上図のような骨の配置になります。
大腿骨、膝蓋骨、脛骨、それぞれの影響で3つの段差ができます。
描くときに役立つ、くるぶしの描き方
くるぶし部分は骨が出っ張っているため、コブが出ています。正面から見ると「ハの字」のようについていることを覚えておきましょう。
脚を描くときにチェックしたい筋肉
次は、描くときに役立つ筋肉をチェックします。
筋肉は複雑に絡み合っているので、今回はシルエットに影響しやすいものだけをピックアップしてご紹介します。
描くときに役立つ、脚の描き方
太ももは、縫工筋[ほうこうきん]の影響で内側が二段になっています。また、下腿[カタイ](ヒザから下)は、腓腹筋[ひふくきん]が顕著に出っ張っているため、内側が高い位置で膨らみ、外側は緩やかなカーブです。
ヒザと足首の辺りは、筋肉量が少ないため直線に近いシルエットです。
描くときに役立つ、ヒザの描き方
ヒザやヒザ裏の筋を描くことで、よりリアルな脚が描けます。
描くポイントはハの字です。以下を参考にしてみましょう。
- ヒザの表側→「逆ハの字」
- ヒザ裏→「ハの字」
まとめて見ると、おおよそ太ももは「逆ハの字」に、膝下は「ハの字」にそって凹凸ができています。細かい筋肉を覚えて描くことがベストですが、慣れるまではシルエットで覚えてしまうのも良いと思います。
立体的に脚を描くコツ
脚の形状は複雑で、奥行きがつくと難易度がさらに上がります。そんなときに便利なのが、「シマシマの靴下」を履かせてチェックする方法です。
シマシマの靴下を履かせることで、筒状の意識を持ちやすくなり、シルエットや奥行きの歪みを確認しやすくなります。
人物を地面に立っているように見せるコツ
脚を描いていて、ぶつかる大きな壁のひとつに「地面に立つような描写ができない」があります。
形状は間違っていないはずなのに、なぜかつま先立ちのように見えてしまう……ジャンプしているように見えてしまう……などの経験はないでしょうか? そういった場合は、下記の方法を試してみてください。
1.足場を想定する
まず、円を描き足場を想定します。この円の奥行はカメラの位置によって変わってくるので、自由に配置してみてください。
2.足首までを描き入れる
次に足首までを描き入れます。
3.奥行きを意識して足を描き入れる
最後に足を描き入れますが、ここで重要なのが底辺の形状です。上図の足は、奥の足がほぼ「直線」、手前の足が「曲線」を担っています。
これは、足にパースがかかっているからです。物体は手前にあるほど奥行が広く、奥に行くほど奥行が狭くなります。
これを足にも利用しましょう。
この現象は、カメラの角度が変わっても発生します。
※もちろんレンズの画角によって、細かい奥行の差は変わってくるので注意が必要です。
ゼロモモ
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参考文献
『スカルプターのための美術解剖学 -Anatomy For Sculptors』著:アルディス・ザリンス、サンディス・コンドラッツ
『モルフォ人体デッサン 形態学による人体を描くための新テクニック』著:ミシェル・ローリセラ