簡単にイラストを上手く見せるテクニック -風の表現編-
2018.10.02
yaki*mayuさんの新シリーズ、「簡単にイラストを上手く見せるテクニック」第4回。この記事では一枚絵のメイキングを通して、イラストを上手に見せるテクニックを紹介していきます。
「イラストをもっと華やかにしたい!」「SNSでもっと“いいね”がほしい!」と思っている方は、是非読んでみてください。
今回は、よく多用されるテクニックの一つ「飾り」についてご紹介します。
▼目次
テクニック使用前のイラスト
飾りを加えて上手に見せよう!
1. オブジェクトを描いて余白を埋める
2. 絵の枠に沿ってオブジェクトを映り込ませる
比べてみよう!
あとがき
前回の「風の表現編」ではイラストに風を吹かせてみました!引き続き、「ベンチに腰掛けて、誰かと待ち合わせをしている少女」のイラストを描いていきたいと思います。
前回の記事をまだ読んでいない方は、是非ご一読ください。
こちらが前回までのイラストです。キャラクターは良くなりましたが、これだと少しさっぱりした印象です。
それでは、今回はテーマである「飾り」を加えることで、イラストを上手に見せていきましょう。
このイラストを観察してみると、多くの余白が目立ちます。
この余白を、オブジェクトで埋めていきましょう。今回は紅葉の木を、フレームの中に納めてみます。
実際に紅葉を描いてみました。この時、手前にあるものは大きくしっかり描画し、遠くにあるものは小さく、細かく描き込まないようにすると遠近感がでます。余白が埋まり、絵が賑やかになりました。
次は、絵の枠に沿ってオブジェクトを映り込ませていきます。こちらでも紅葉を描いてみます。
単調だったり余白が多い部分に、紅葉を描いていきます。この時紅葉が凄く手前にあるイメージで大きく描くと、絵に面白みを出すことができます。
これで先程の紅葉の木と合わせて、イラストの枠に沿ってオブジェクトが加わり、イラストとしてのまとまりが良くなりました。
テクニック使用前後を比べてみましょう。はじめは飾りがないため、少しさっぱりした印象でした。
ですが、今回の「オブジェクトを描いて余白を埋める」テクニックと「絵の枠に沿ってオブジェクトを映り込ませる」テクニックを使用することで、絵に華やかさが加わり、イラストの完成度が高まったかと思います。
また、手前にあるオブジェクトや遠くにあるオブジェクトを加えることで、空間の奥行や立体感を感じられるイラストになりました。
以上で、今回の記事はおしまいです。飾りは、簡単にイラストを上手に見せることができる重要なテクニックです。これは写真加工で言う「スタンプ」のようなもので、イラストに加えるだけで全体のバランス調整にもなりますし、簡単に華やかになります。
ですがあまりにシチュエーションに関係ないオブジェクトを置くと、イラストのイメージを損なう場合もあります。そんな時はその状況でカットインしそうなものを上手く利用して飾り付けを行っていくと良いでしょう。
作品の中には、あえてこのようなテクニックを使わず、シンプルにすることでおしゃれ感を出したり、キャラクターに目が行くようにしたりするケースもあります。自分がどのようなイラストを描きたいかを考えた上で、上手く生かしていただけたらと思います。
次回も引き続き、このイラストにどんどん「上手く見せるテクニック」を加えて少しずつイラストを完成させていきますので、是非楽しみにお待ちください。これからも頑張って、いちあっぷしていきましょう!それでは、ありがとうございました。
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フリーランスのイラストレーター。萌系イラストを中心に主にソーシャルゲームなどのキャラクターデザイン、スチル、カードイラストなどのお仕事をいただいております。晋遊舎「デジ絵の文法」「イラストレーションスーパーテクニック」での執筆、ホビージャパン「スーパーデフォルメポーズ集 ラブラブ編」でのコラムの担当など、絵の講師としても活躍させていただいています。