SNSで自分の描いたイラストを大勢の人に見てほしい、バズりたいと思っていませんか?
大勢の人の目を止めるには、一瞬で良さが伝わる見栄えが必要です。特にキャラクターイラストでは、一瞬で目を引く「構図』が映えるイラストのポイントではないでしょうか。
映えるイラストを描く表現のひとつとして、ドラマチックな演出や、物語性を強調したいシーンの魅力を伝えられる「対比構図」があります。対比構図に大小、明暗、動静など対照的な要素を配置し、互いを引き立てる魅力的な構図でイラストを描くことで見る人の目に留まりやすくなります。
今回は、新発売の『映え構図 センスに頼らず思い通りのイラストを描く方法』より、キャラクターイラストの魅力を引き出す、対比構図の活用法を紹介します。
▼目次
対比構図とは
対比構図とは、大小、明暗、動静など対照的な要素を配置し、互いを引き立てる構図です。ドラマチックな演出や、物語性を強調したいシーンに向いています。
対比構図の基本
異なる要素を組み合わせてモチーフを強調し、視覚的なインパクトを生み出す構図のことです。大小・明暗・色・形・質感・イメージ・描き込み量など、異なる特徴を並べることで、お互いを引き立て合う効果があります。
対比構図のメリット
- インパクトが強く目を引きやすい
- テーマやメッセージを伝えやすい
- キャラクターの物語や個性を強調できる
対比構図のデメリット
- バランスを取るのが難しい
- 過度に強調すると不自然になる
- 見る人に意図しない解釈をされる可能性がある
よく使われる対比
大小の対比
背景に大きいキャラクターがいて、下のキャラクターを威圧しているような印象を与えています。
明暗の対比
剣には特別な力があるような印象を与えています。
イメージの対比
可愛らしい猫とモヒカンやロック感の強い服装のコワモテに見えるキャラクターとの対比です。
描き込み量の対比
お笑いステージのように壇上が主役となり、密集度が高い観客とのコントラストが印象的になります。
色の対比
補色や白黒などで表現します。
質感の対比
降り注ぐ雨が印象的なビルなどの背景と手前の主役の花との対比です。
上記の対比のほかに炎⬅➡氷などの対比も挙げられます。
その他対比の一例
世の中にはたくさんの対比が隠れています。外出中にちょっと意識してみると、普段気づかない面白い発見があるかもしれません。違う質感、形や色、光と影がどんな風に組み合わさっているか探してみましょう。
対比要素を構図に取り入れるには
対比構図は、他の構図と組み合わせることで対比をより効果的に強調できます。例えば、対角線構図と組み合わせると動きや緊張感が生まれ、三分割構図で左右に異なる要素を配置すると、バランスを取りつつ印象的な画面を作れます。
構図同士の相乗効果を意識して、対比を引き立てられるよう色々試してみましょう。
二分割構図と組み合わせる
画面の上半分を現在、下半分の水面には過去の様子が映っているように描くと時間の経過を1枚で表現することができます。
シンメトリー構図と組み合わせる
異なる性格のアイドルを左右対称に配置すると対比が際立ちます。衣装やポーズ、ライトの色を変えることで、さらに個性を強調できます。
他の構図を組み合わせた活用方法
対比構図を活かすには、大きさや色の違いだけでなく、ストーリー性やカメラワークにも意識を向けることが重要です。例えば、巨大ロボットとキャラクターを描く場合、サイズ差だけでは迫力を出しにくいので、アオリ構図と組み合わせたり、陰影を強調することで、より印象的に仕上げることができます。
ただし、アングル変更は大幅な修正が必要となるので、構想段階で簡単なラフをたくさん描いて大まかな形を掴むことが大切です。
作例
三角構図との組み合わせ
自信に満ちた派手な女の子と、控えめで内気な男の子という、キャラクターの対比がテーマになっています。服装や持ち物、表情、ポーズの違いを明確にすることで、それぞれの個性をより引き立たせています。
また、三角構図を使って、手前のキャラを大きく、後ろのキャラを小さく配置し、奥行きを持たせつつ視線の流れを誘導しています。
三分割構図との組み合わせ
花火と人物の明暗差によって、ドラマチックな雰囲気を演出しています。人物をシルエットで表現するときは、ディテールを省く分、どこがどの部分なのかが伝わるよう工夫することが大切です。また、三分割構図を活用し、花火・人・地面をバランスよく配置することで、安定感のある画面に仕上げています。
対比構図は、大小、明暗、動静など対照的な要素を配置することがポイントです。構造を理解し資料を活用しながら、意図に応じた構図を選んで描いてみましょう。構図を複数組み合わせながらドラマチックな演出や、物語性を強調し魅力的なイラストを描きましょう。
まとめ
- 大小・明暗・質感などの対照的な要素を組み合わせた「対比構図」は、キャラや物語性を際立たせます。
- 対比構図は二分割構図や三角構図などと組み合わせることで、さらに印象的でドラマチックな表現が可能になります。
続きは、『映え構図 センスに頼らず思い通りのイラストを描く方法』(著・いちあっぷ編集部 )にてお読みください。
※本記事は発売前の記載内容であり、WEB向けに一部調整しております。
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