簡単にイラストを上手く見せるテクニック -空気の層編-

簡単にイラストを上手く見せるテクニック -空気の層編-

yaki*mayuさんの新シリーズ、「簡単にイラストを上手く見せるテクニック」も5回目。この記事では一枚絵のメイキングを通して、イラストを上手に見せるテクニックを紹介していきます。

 

「イラストをもっと華やかにしたい!」「SNSでもっと“いいね”がほしい!」と思っている方は、是非読んでみてください。

 

今回は、「空気の層」を使ったテクニックをご紹介したいと思います。

 

▼目次
テクニック使用前のイラスト
空気の層を加えて上手に見せよう!
 1. 背景に空気の層を重ねる
 2. キャラクターにも空気の層を重ねる
比べてみよう!
あとがき

 

 

テクニック使用前のイラスト

前回の「飾り編」でイラストに飾り付けを行いました!引き続き、「ベンチに腰掛けて、誰かと待ち合わせをしている少女」のイラストを作成していきたいと思います。

 

前回の記事を未読の方は、是非一度ご覧ください。

こちらが前回までのイラストです。全体的に賑やかになりましたが、周囲の情景や空気感を描ききれていない印象です。

空気の層を加えて上手に見せよう!

それでは、今回は「空気の層」を加えることで、イラストを上手に見せていきましょう。

1. 背景に空気の層を重ねる


まず簡単に背景を描いてみましたが…なんだかのっぺりとした印象になってしまいました。

キャラクターと背景の間には空気の層があります。

またこの空気の層は、キャラクターから背景までの距離が遠ければ遠いほど、厚くなります。

この空気の層を「白色」や「薄い青色」で表現し、塗り重ねてみました。距離感が表現され自然な印象になりました。

2. キャラクターにも空気の層を重ねる

このままではキャラクターが少し浮いてしまっているので、キャラクターにも空気の層を薄く重ねて馴染ませていきます。

奥側の手足に「薄い青色」を重ねていきます。


ほんの僅かなので分かりづらいですが、「薄い青色」を重ねてみました。情景とも馴染み、また、キャラクターに新しい色が加わったことでこなれた感じを演出できました。

比べてみよう!

テクニック使用前後を比べてみましょう。最初は空気の層がないため、イラスト全体がのっぺりとした印象でした。

 

ここに今回の「背景に空気の層を重ねる」テクニックと「キャラクターにも空気の層を重ねる」テクニックを使用することで、イラストに空気感が加わり、絵の中に小さな世界が生まれ、イラストの完成度が高まったかと思います。

 

また、遠くにあるオブジェクトの印象が薄まることで、キャラクターに目が留まりやすく、イラスト全体のまとまりも良くなりました。

あとがき

以上で、今回の記事はおしまいです。空気の層は、簡単にイラストをまとまりよく見せることができるおすすめテクニックです。


ただ背景を書き込むと、情報量が多くなって視線が分散してしまいますが、空気の層を加えるだけで「背景はあるのにキャラクターに目が行く」まとまりのあるイラストを描くことができます。その上、背景も無駄に描き込まずに済むので時間の短縮にもつながる、非常に便利なテクニックです。

 

作品の中には、あえてこのようなテクニックを使わず、平坦な印象にするケースもありますので、自分がどのようなイラストを描きたいかを考えてテクニックを使っていただけたらと思います。

 

次回はシリーズ最終回になります。このイラストに「上手く見せるテクニック」を更に加えて一枚絵を完成させますので、是非楽しみにお待ちください。これからも頑張って、いちあっぷしていきましょう!それでは、ありがとうございました。

著・画 yaki*mayu

web: http://yakimayu.com
twitter: https://twitter.com/yaki_mayu
Pixiv: https://www.pixiv.net/member.php?id=1689995


フリーランスのイラストレーター。萌系イラストを中心に主にソーシャルゲームなどのキャラクターデザイン、スチル、カードイラストなどのお仕事をいただいております。晋遊舎「デジ絵の文法」「イラストレーションスーパーテクニック」での執筆、ホビージャパン「スーパーデフォルメポーズ集 ラブラブ編」でのコラムの担当など、絵の講師としても活躍させていただいています。