コラムでは執筆者のイラストにまつわる経験に基づいた個人的な論説をお届けします。
昨今、ゲーム・漫画・アニメなどのコンテンツが文化として定着し、それに憧れて自分も業界に関わりたいと志す人も増えてきました。イラストレーターを目指す人が増えるとライバルも増え、その道が険しくなるのも事実です。
今回は、そんな「イラストレーター業界戦国時代」をどう生き延びるか、美大にも専門学校にも通わずにイラストレーターとして活躍中の松(A・TYPEcorp.)さんに解説していただきます。
<目次>
1. イラストレーターになる方法
2. 絵の練習は「あたりまえ」
3. イラストレーターとして第一線で活躍するには
4. イラストレーターを諦める理由
1. イラストレーターになる方法
イラストレーターになる為にまず必要なことは、「私はイラストレーターです!」と宣言し、仕事を募集することです。
特別な資格は必要ありません。あなたの絵に魅力があればいずれ仕事がやって来るでしょう。
仕事を貰うために必要なのはなんといってもアピールです。自分がどんな絵を描けて、どんなことが得意なのか、なるべく沢山人がいる所でアピールしましょう。現在だとpixivやTwitterなどのSNSが最適です。
黙っていても仕事が来ることはありません。絵が一枚も投稿されていないpixivを見ても絵が描けるとは思われないのです。まずは絵を描き、投稿することが重要な第一歩です。
2. 絵の練習は「あたりまえ」
そもそもの話になってしまいますが、すべてのイラストレーターは絵の勉強や練習をしています。逆に言えば日常的に絵を描くことはイラストレーターにとっては「あたりまえ」のことです。これからお話する内容は、全て「絵の練習は毎日している」という前提で進めていきます。
「アピールに重きを置けば画力はそこそこでいい」などの思考は論外です。この業界は実力主義です。向上心が無い人間はすぐに置いて行かれるでしょう。
3. イラストレーターとして第一線で活躍するには
現在この業界で活躍している第一線のイラストレーターの人達には共通点があります。それは
「今、絵の仕事をしている」
ことです。当たり前のことですが重要です。どんなに絵が上手く実力があっても、イラストレーターとして積極的に活動していない人に仕事の話は来ません。
絵の上手さ・個性・人柄よりも、諦めずに絵を描き、仕事をし続ける姿勢が何より重要です。
4. イラストレーターを諦める理由
ではなぜ、イラストレーターを諦めてしまうのか。理由は大きく分けて次の3つです。
- お金がない
- 時間がない
- モチベーションがない
以上の理由が当てはまることが多いです。
どんなに絵が上手くてもお金が無ければ家賃も払えませんし、食べ物も買えません。絵を描く時間が無ければ絵の仕事もできませんし、アピールのための絵を描くこともできません。逆にお金や時間が有り余っていようと本人に絵を描くやる気が無ければ、活動すらできません。
絵が上手くてもアピールが下手だと仕事が来ない。仕事が来ないからお金が無い。お金が無いから絵を練習する時間を満足に作れない。絵を練習できないから画力も低く、モチベーションも無くなるのです。
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といった感じでまずはさわりをお話しましたが、次回は「活動の土台を作る(金、時間、モチベーション)」の話をしていこうと思います。
なお、人物やキャラクターの描き方については私の著書『デジタルイラストの「身体」描き方事典身体 -パーツの一つひとつをきちんとデッサンするための秘訣39-』の方を参考にしていただければと思います。
人物の描き方だけでなく、色の塗り方も解説しています!重版も何度か重ね、大好評を頂いています!!
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YouTubeで毎週金曜22:30より、絵の描き方を教える「お絵かき救命病棟24時!」もやっておりますので興味があればぜひどうぞ!
https://www.youtube.com/user/andabatango
著・画 松(A・TYPEcorp.)
ホームページ http://atipe.net/
pixiv https://www.pixiv.net/member.php?id=18923
Twitter https://twitter.com/atype55
YouTube https://www.youtube.com/user/andabatango
目下”SCPの人”と化しているフリーランスのイラストレーター。
様々な絵柄を駆使し、カードゲーム「マジンボーン・データカードダス」「ディスク・ウォーズ:アベンジャーズ」のイラストや、4コマ漫画「BIOHAZARD THE TOON」の執筆、小説の挿絵などを手がける。また、絵の描き方本『デジタルイラストの「身体」描き方事典身体パーツの一つひとつをきちんとデッサンするための秘訣39』を執筆し、活動の幅を広げている。