今回は「ケーキのデザイン」がテーマ。
イラストで登場させるとなると、可愛く華やかにしたいモチーフだと思います。
実際のケーキを参考にしてデザインを考えるのはもちろんですが、まずは具体的にどのようなデザインがあるのか――という視点で講座をお届けします。ケーキを描く前の考え方としてご参考ください。
▼目次
ケーキの飾り付けを俯瞰して考えよう
ケーキの下地を考える
ケーキをデザインする飾りを考える
果物のデザイン
クリームのデザイン
その他、複雑なデザイン
大きさと硬さを踏まえて、現実的なデザインを考えてみよう
ケーキの飾り付けを俯瞰して考えよう
こちらはケーキのデザインをするときの飾り付けの例です。朱色の部分はクリームなどがのる位置となります。パッと描き出すだけでも、これだけのバリエーションが考えられます。
デザインを考える上でのポイントは“余白”です。まずは俯瞰図を思い浮かべて飾りを配置するところを描き出してみましょう。
さらには飾り付けのデザインとして、果物がのる場所を決めます(図の紫部分)。そうすることで、デザインのバリエーションをより多く出すことができます。
ここまで大まかな配置を決めてから、実際の見る角度でケーキを描き出すことで、ケーキが描きやすくなります。
ケーキの下地を考える
ケーキのデザインをおおよそ決めたら、スイーツの下地を考えます。
ケーキの周りを覆うのは“クリーム”、というイメージもありますがチョコレートを使用する場合もあります。この例ではチョコレートで考えます。
チョコレートはクリームと違って、ツルツルとした艶があったり、粉をふりかけてあったり、砕いたスポンジ生地をまとわせていたりと様々。半分にツヤを持たせ、半分は粉っぽくマットな質感にしたり、これも飾り立てる手段として使うことができますね。
ケーキをデザインする飾りを考える
続いて、ざっくりと決めたデザインをもとに具体的にどのような飾り付けをするのか考えます。
すべて同じ大きさの飾りを配置するのも良いのですが、大小様々なモノを組み合わせて配置すると、メリハリがつくので華やかになります。
果物のデザイン
さらに、同じ果物でもそのまま乗せるのとカットして乗せるのでは大きさも見た目も変わってくるので、どんなカットができるのかを知っているだけで大幅にデザインの幅が広がるでしょう。
クリームのデザイン
ケーキなどに乗っているクリームは、絞り金というパーツによって形が変わります。
シンプルな円形、溝のついた物、平たい物など様々な種類の絞り金があり果物などの飾りだけでなく、クリームもデザインのひとつとして考えてみましょう。
その他、複雑なデザイン
果物以外にも花や植物、リボン、レースといったモチーフで装飾すると、さらにデザインのバリエーションが増えます。
これらはクリームやチョコレート、砂糖、マジパンなど様々な材料で幅広い物を表現されています。このように食べ物の上にちょっと変わったデザインを乗せる際は、どんな素材なら作れるか調べてみると、質感表現の考えに結びつきます。
大きさと硬さを踏まえて、現実的なデザインを考えてみよう
最後にクリームのような下地の上にチョコレートやクッキーがのるケースを考えます。
この場合、柔らかい土台のケーキの全面に分厚いクッキーやチョコレートがかぶさっているのでカットが困難になります。
カットできたとしてもフォークで刺そうとすれば土台が潰れることが想像でき、あまり現実的ではない食べ物になります。つまり、人が食べることを想定してデザインをしてみましょう。
最後に
ケーキはデザインだけでなく断面、味まで考え始めるととても大変なものです。
しかしそれ故に自由に幅広い表現が可能で、自分が好きな自分だけのケーキを描くことも可能になります。主役でも脇役でもかまいません、ケーキを描いてみませんか?