定規不要で描ける! 室内パースの基本
2019.05.21
背景を描いてみたけれど「なぜか違和感のある絵になってしまう」、「人物と背景が合わせられない」など悩んでいませんか?
本講座では室内を描くのに適した透視図法の描き方と活用法をお伝えしていきます。頭の中のイメージを形にする手法を知り、パース作画にチャレンジしてみましょう。
▼目次
パース図法の種類
基準線を決めよう
アイレベルと消失点、基準線を決める
二点透視図の描き方手順
1.部屋の輪郭を描く
2.パースグリッド(補助線)を描く
3.点景(建具や窓、家具、人物など)を描き込む
二点透視図のよくある事例
消失点が複数ある
パースグリッドが極端に歪んでいる
人物と添景のパースやサイズ感があっていない
パースを描く方法は三種類あります。一点透視・二点透視・三点透視と呼ばれる図法です。これらの違いは簡単に言うと消失点の数の違いで、どのような画面を作りたいかで使い分けます。
今回は室内をぐるりと見渡したように描ける二点透視図法について説明します。
一番見せたい部分がどこか決まったら、基準線というものを決めておきます。部屋の角を基準にしておくのがわかりやすいです。
基準線をアイレベル上の左寄りなのか、中央なのか右寄りなのか、どこに配置するかで見える壁面の広さが変わってきます。
また、正確に寸法を測る場合は必ずこの基準線の部分で高さを測りましょう。
続いて、アイレベルと消失点を使って、基準線を決めます。アイレベルや消失点の解説は「室内パースの基本」の記事をご覧ください。
二点透視法では多面を見せることにより、一点透視法よりも自由な構図が作れます。ポイントとなるのは、なるべく消失点同士を遠くにするということです。
最低でも描きたい画面内からは出しておくと自然な絵になります。また、基本的にアイレベルは水平にしておきましょう。
今回は1階の天井高さ2500mmの部屋を描いていきます。
描きたいイメージの部屋がどれくらいの大きさなのかは、置きたい家具などを基準に決めると良いです。今回はリビングにL型ソファを置き、周囲に人が歩ける空間を確保しました。
部屋の輪郭を描いていきます。
アナログの場合、消失点を遠くに取るため大き目の紙を用意するか、紙を固定し机に消失点を描くといった手段があります。
家具や窓などを描きやすくするため、パースグリッド(補助線)を描きます。
デジタルの場合はグリッドを表示する機能もあったりするので活用しましょう。
先ほど作成したパースグリッドを元に点景を描き込んでいきます。
わかりにくい場合はいきなり家具を描くのではなく、立方体を描いてから詳細化していくとよいでしょう。
ここで注意したいのは、基本的にすべての線はどちらかの消失点に向かっていくということです。
線が消失点に集まっていない場合は違和感を覚えやすいです。厳密にはひとつの画面内に複数あってよいのですが、まずは基本を押さえ、すべての線を消失点に集めましょう。
※自由な角度で置かれた家具などはこの限りではありません。
パースグリッドが正方形ではなく長方形に見えるくらいに歪んでいると奥行きが深すぎたり、モノのサイズをグリッドに合わせていても横に潰れた絵になってしまいます。
人物と背景がしっくり合わない場合は人物と点景のパースやサイズ感があっていないことがあります。特にサイズ感について、日常的に目にするものは案外記憶に残っているものですから、実際の寸法を知ることも大切です。
二点透視をマスターすると、モチーフをより立体的に見せることができ、華やかな画面が作れるようになります。
落ち着いた画面を作りたいときは一点透視、動きをつけたい場合は二点透視など使い分けてみてください。
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